「警官10人が踏み込んで摘発」中国でVPN使用は今後厳しくなるのか?日系企業に影響する可能性も #エキスパートトピ
中国でVPN(仮想専用回線)を使ったインターネット利用を摘発する動きが相次いでいる。1人は今月、動画アプリ「TikTok」やSNSの「X」を閲覧した男性、もう1人は1月、詳細は不明だが、警官10人以上が自宅に踏み込み摘発した。湖北省公安当局が発表した。
中国には「グレート・ファイアウォール」(ネットの万里の長城)という情報遮断システムがあるが、VPNはそれをかいくぐり、海外の情報にアクセスできるものだ。従来、黙認されており、中国駐在の日本人など外国人も利用してきた。今後、日系企業への影響はあるのか。
ココがポイント
これまで事実上黙認されてきたVPNの利用だが、ネット空間の締め付けが強まっているとみられる。
出典:朝日新聞 2026/3/20(金)
(前略)多くの人がVPNを使用して外国のサイトを閲覧していますが、当局はこの行為に警鐘を鳴らす狙いがあるとみられます。
出典:日テレNEWS NNN 2026/3/19(木)
エキスパートの補足・見解
中国で、パソコンやスマホでインターネットを利用する際、欧米や日本など海外の情報は厳しく制限されている。フェイスブックやユーチューブ、インスタグラムなどのほか、政治以外のニュース記事であっても閲覧できないことが多い。敏感な話題については検索もできない。
そこで、若者を中心に、多くの人がVPNを利用して海外の情報を閲覧していたが、それはほぼ「暗黙の了解」となっていた。
だが、今回の摘発により、当局のネット空間への締めつけが従来よりも強まっていることがわかる。理由は不明だが、コロナ禍の際、とくに長期間ロックダウンされた上海などでは、政府に不都合な情報は国内のSNSであっても厳しく統制されたことがあった。
VPNの規制が強まれば、地元の中国人はもちろん、中国に住む日本人など外国人にも影響が及びそうだ。中国の日系企業は1万社以上あり、駐在員は情報収集や日本との連絡などのため、日常的にVPNを利用している。現状は問題ないが、今後、情報統制が強まり、VPNの利用が難しくなれば、現地での企業活動に影響が及ぶ可能性が出てくるかもしれない。