【阪神】藤川監督〝余裕〟の采配 支配下登録したばかりの福島圭音をスタメン起用で快勝
阪神が3日の広島戦(マツダ)を4―2で勝利。先発・村上頌樹投手(27)が7回3安打1失点で今季初勝利すれば、「3番・右翼」の森下翔太外野手(25)が4安打3打点と投打がかみ合った。ただ、この1勝の裏にあるものは今季の藤川阪神の〝余裕〟と〝設計図〟。あえて、支配下登録されたばかりの福島圭音外野手(24)を「8番・左翼」でスタメン起用したところにポイントがある。 福島は5回の第2打席で床田から低めの変化球を捉え左線に二塁打を放った。普通ならシングルだが、自慢の快足で次の塁を落とした。結果だけを見れば、この一手が直接の勝因とは言い切れない。それでも、この起用に込められたメッセージは明確だった。 藤川監督は「彼の努力はずっと見えていた。ファームでの打撃練習の量はずば抜けている」と抜てきの理由を語った。それが事実であるからこそ、現場の納得感も高く、単なるサプライズではないチーム全体へのメッセージとして機能した。 福島は「スタメンで自分の名前を見た時は緊張したが、プロ野球選手になれた実感が湧いた」と初々しく振り返りながらも、迷いのない走塁で持ち味を発揮した。結果以上に、その姿勢がベンチの空気を動かしたことだろう。 若手をためらいなく使える現状は戦力に余裕がある証しでもある。同時に、それが阪神の強さの裏付けにもなっている。固定化ではなく、競争を内包した起用。その循環がチーム力を、現在進行形でさらに押し上げている。 そして、4日の先発は広島キラーの大竹だ。対カープ通算成績15勝2敗。昨季は7試合で6勝0敗、防御率0・57の数字を残した左腕を投入する。カープへの明確な勝ち筋という設計図を持ちながら、新戦力の投入もためらわない余裕を見せた藤川監督。昨季19勝6敗とカモにした相手に対し、今季も容赦はない。
楊枝秀基