東大収賄事件「総長の危機意識不足」、第三者委が報告 初動も問題視
東京大学医学部付属病院の教授らによる収賄事件が相次いだ問題を受け、大学の対応について検証する第三者委員会が3日、結果を公表した。大学本部の初動対応の問題点を指摘し、藤井輝夫総長の危機意識が不十分だった、とした。
報告書は、高級クラブや風俗店の接待を受けていた大学院医学系研究科教授(当時)の佐藤伸一被告=収賄罪で起訴、懲戒解雇=の事件を特に問題視した。
事件に関する情報は2024年9月、大学に寄せられた。しかし、テレビ局が大きく報道した25年5月までの約8カ月間、藤井総長が内部調査を進めるための具体的な指示をした形跡は見られなかったという。
捜査との兼ね合いで思うように調査が進められなかった点は認めつつ、報告書は「警察から調査そのものを制約する要請があったわけではなかった」と指摘。山口利昭委員長は「警察との間でどういう調査なら可能なのか丁寧に交渉し、可能な限り(大学として)調査する必要があった」と強調した。
東大の組織風土も影響か
また、そうした対応につながった根本原因として、藤井総長ら関係者の危機意識の低さとともに、東大の組織風土についても言及した。
大学の部局や研究室、教員の間で、「自らの研究領域さえ脅かされなければ、他者の倫理違反やコンプライアンス違反に対しても口を出さない」との文化が根付いていたと断じた。
こうした危機意識の不足や他者行動への無関心な姿勢は、「不適切な行動が、東大にどのような影響を及ぼすか、という想像力が欠如していたことに起因する」と指摘した。
委員会は、総長に改善を提言できる組織の構築や、懲戒処分の調査に外部弁護士を積極的に関与させて迅速化を図ることなどを提言した。
報告書を受け、東大は8日、組織運営改革に関する会見を開く。