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ホルムズ海峡封鎖でナフサ不足が浮上、調達メドはGW前まで、化学品の生産・供給不安で影響必至、情報発信には苦慮

2026/03/31 5:00
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神奈川県の京浜工業地帯にあるENEOSの製油所に停泊するタンカー。ホルムズ海峡封鎖の影響は、エネルギーだけでなく、原料不足を通じて幅広い石油製品の供給も脅かしている(写真:ブルームバーグ)

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目次

中東危機によるホルムズ海峡の封鎖を受け、石油化学製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)の調達に支障が生じている。3月下旬の段階でGW頃までは確保の見通しが立っているが、その先は各社の調達努力に委ねられた状況だ。

一定の状況説明は欠かせない一方、不安をあおりすぎれば混乱を招きかねず、国、企業とも情報発信の仕方に神経をとがらせる。

ナフサは中東依存8割超、2カ月で供給難

原油を精製して作られるナフサを、高温高圧下で分離することでエチレン、プロピレンといった石油化学基礎製品が得られる。ナフサから石化基礎製品を作り出す装置は「エチレンプラント」や「ナフサクラッカー」などと呼ばれ、湾岸の石油化学コンビナートの象徴的な施設とされる。

石化基礎製品からポリエチレンなどの誘導品が作られ、最終的にはプラスチックや樹脂、ゴムなど多様な製品へと姿を変える。自動車部品や家電のほか、食品包装用フィルムやビニール袋といった日用品、透析向けなど医療領域でも幅広く使われている。

国内のエチレンプラントで使われるナフサのうち、輸入原油を国内で精製して得られる「国産ナフサ」は39%、残り61%(2024年時点)は海外からナフサとして輸入している。

輸入ナフサのうち、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなど中東からが74%を占める。国内で年間に使用するナフサ全体では45%を中東からの輸入で賄っていた計算になる。国産ナフサの基となる原油の95%程度が中東からの輸入であることを合わせると、実質的に日本はナフサの8割超を中東に依存していると言える。

中東危機前、原油の国家備蓄は250日分あるのに対し、ナフサとしての国内在庫は2、3週間分だったとされる。国家備蓄の原油を精製してナフサを得ようとしても、ガソリン、軽油、重油といったほかの石油製品のほうが多く、ナフサそのものは約10%しか得られない。国内精製能力の制約もあり、中東からの輸入が途絶えれば、遠くない時期にナフサ不足が起きる懸念が浮上している。

赤澤亮正経済産業大臣は3月17日の閣議後記者会見で、中東以外からの輸入や国内精製分の活用によって「トータル国内需要の約4カ月分を確保可能」と説明したが、これは川下のポリエチレンなどの在庫を含めた計算であり、経産省の試算では、新たな効果的な調達策が打てなかった場合、ナフサ自体は2月で従来通りの供給はできなくなるとみられる。

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【稼働維持へ調達の多様化を努力】

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ナフサからエチレンやプロピレンなど石油化学基礎製品を作り出すエチレンプラント(ナフサクラッカー)。湾岸の石化コンビナートの象徴的な設備だ(写真:三井化学)

ナフサの調達が滞る中、エチレンプラント(ナフサクラッカー)を運用する石油化学各社は、供給を維持するため減産を打ち出した。国内全12基のうち、3月末時点では、定期修理からの再稼働延期などで3基が停止、残り9基のうち少なくとも6基を減産している。

ただ、エチレンなどの減産による対応には限界がある。各社の設備によって異なるが、エチレン生産設備の稼働率の下限は「6~7割強」(日本化学工業協会の岩田圭一・住友化学会長)という。もともと石化基礎製品の市況は低迷しており、2月の実質稼働率は75.7%と好不況の目安とされる90%を大きく割り込んでおり、「イラン情勢の悪化で減産できる余地は多くない」(石化大手)のが実情だ。

小島 駿佑 東洋経済 記者

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こじま しゅんすけ / Shunsuke Kojima

繊維・化学業界を担当。大学卒業後、全国紙で岐阜市、名古屋市での勤務を経て、2026年2月に東洋経済新報社入社。学生時代は主に文芸、文化批評、現代思想を学び、今でも趣味はインドア派。ネットカルチャー全般が趣味。新潟県新潟市出身。

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