「ありがとう」 5小学校で閉校式 4月から2校に 島根・奥出雲町
島根県奥出雲町の布勢、三成、亀嵩、阿井、三沢の5小学校で、21日から翌22日にかけて閉校式が開かれた。各会場には多くの卒業生や地域住民らが駆けつけ、別れを惜しんだ。それぞれの在校生たちは、小学校再編に伴い同町三成に新設される「仁多小学校」で4月から学び始める。
明治7(1874)年創立の布勢小学校(同町八代、在校生53人)の閉校式は21日、同校の体育館で開かれた。1~6年の児童のほか、保護者や地域住民ら計約500人が出席。長谷川勝一(かついち)校長は、出雲大社の祭神・大国主命(おおくにぬしのみこと)が「ふせりましたところ(宿泊されたところ)」に由来する「布勢」など神話にまつわる地名が多く残るこの地域を「学びの素材の宝庫だった」と振り返った。
通い慣れた校舎は数年後に解体される予定だが、「地域の一員として関わっていただいたみなさんの心の中で、布勢小学校のともしびがこれからも光り続けるものと信じています」と述べた。
閉校式の後は、地域住民でつくる実行委員会による閉校記念式が開かれ、壇上に上がった児童たちが創立152年を誇る学校の歴史をスライドとともに紹介。そして最後に「これまで教えていただいたことや学んだこと、私たちが次の学校で花開かせます」と誓った。
実行委も思いは同じ。石原道夫委員長(87)は「地域に学校がなくなることを寂しがるのではなく、ここを生かすことを考えていきたい」と言い、解体後の学校跡地が布勢地区の人々の集いの場になることを願った。
この日、校舎には寄せ書きのコーナーも設けられた。「4年間ありがとう!!」と書いた石原希望(ひかり)さん(4年)は4月から仁多小へバスで通う。「布勢小のように、仁多小でも楽しく学校生活を送りたい」と胸を膨らませていた。
人口約1万人の奥出雲町では少子化が進む。1月1日時点の小学校の児童数は432人。20年間で半減した。
町は、こうした児童数の減少を見越して2019年3月、町内の小学校10校を2校にする再編方針を打ち出し、4校あった横田地域は昨年4月から横田小学校(同町横田)の1校に。6校あった仁多地域は昨春の1校の編入と今回の統廃合を経て、今年4月から仁多小学校の1校になり、町内2校体制が整う。