物価高で人気の「激安」スーパー ラ・ムーにトライアル、各社の強みは?
安さと高品質を両立するオーケー
「高品質・Everyday Low Price」を掲げて関東で実績を積み、大阪や神戸に積極的に出店しているのがオーケーだ。 当初は一般的なスーパーだったが、1980年代から仏カルフールとの提携を模索するなど、ビジネスモデルの転換を図った。2001年、商品の品質・売価を吟味し、商品数を絞り込み、毎日が特売価格の本格的なディスカウントスーパーへと転換した。 2025年3月期の売上高は約6860億円で、38期連続増収を続けており、39期連続も確実視されているほどの好調ぶりだ。 その特徴は、会費無料の「オーケークラブ」会員になると、酒類を除く食品が3%相当割引になる点だ。日常的に利用する顧客ほど恩恵を受けやすい仕組みを取り入れており、人気を集めている。 「安さ」以外の取り組みにも力を入れている。オーケーのサービスでユニークなのは「オネストカード」だ。これはキャベツの価格が上がった際に、代わりにレタスを推奨するといったサービスで、正直な商売をしようという姿勢がうかがえる。 また、商品の選定も徹底している。たまたま在庫処分で安く手に入ったから売る、トップシェアの商品だから売るのではない。実際に社員が試食・使用し、なぜその商品を売るのかを徹底的に考え、会議を経て仕入れを決定している。それが安さの中で「高品質」を担保できている理由だ。 こうした安さと高品質を両立させている点が関東で人気となり、2024年11月には関西にも進出。大阪での1号店開業をきっかけに立て続けに出店している。
欧州での売り方を採用するサンディ
関西から関東に進出し、好調なのがサンディだ。 呉服屋を営むミカミの100周年記念事業として設立された同社。1981年に1号店を大阪府池田市にオープンしたのが始まりだ。安さに挑戦する姿勢で店舗数を伸ばし、2024年度の売上高は1222億円と好調だ。 同社は欧州で主流である「ボックスストア」を展開している。品数を絞り込み、ケース単位で陳列するなど、徹底的にムダを削減。オペレーション全体を効率化することで安さを実現している。 サンディの店舗に行くと、高く積まれた段ボールの箱が並んでおり、殺風景な倉庫のような印象を受ける。特に、菓子パン、おにぎり、カップ麺、ポテトチップスなどは100円を切る商品が多数あり、安さを実感する。 過剰サービスを徹底的になくしたシンプルさが安さの理由であり、消費者からの支持を集めているのである。
物価高の長期化で、さらに期待が集まるディスカウントスーパー
米国やイスラエルとイランの対立により中東情勢が不安定化し、石油の供給に不透明感が高まっている。ロシアのウクライナ侵攻によって、小麦や大豆、食用油などの価格が上昇したのに続き、国外の紛争が物価高に大きな影響を与えている。しかも、この物価上昇は長期化する可能性もある。 こうした時代だからこそ、ディスカウントスーパーの需要はさらに高まるだろう。ディスカウントストア各社はそれぞれの理念や方針に基づき、生活者の負担軽減に寄与する存在として、今後も重要な役割を担っていってほしい。 (長浜淳之介)
ITmedia ビジネスオンライン