「気候変動対策が不十分」国の責任を問う訴訟、原告は900人超に
日本政府の気候変動対策が不十分だとして、全国各地の原告が1人あたり1千円の賠償を国に求めた訴訟で2日、新たに454人が東京地裁に提訴した。昨年12月の1次提訴とあわせ、原告は計906人となった。地裁に対し、まとめて審理を進めるよう求めているという。
提訴後の会見で、原告代理人の島昭宏弁護士は「国の気候変動対策は人権侵害を招いている」と述べた。原告になった埼玉県の農家の男性は「残暑が秋まで続き、満足できる野菜を作りづらくなってきた。いまの子どもたちは夏は日中に外で遊べず、生活の楽しさを奪われていると思う」と話した。
日本は、世界の平均気温の産業革命前からの上昇を1.5度までに抑えることを掲げる国際的枠組み「パリ協定」に批准している。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)は、世界全体で温室効果ガスの排出を、2040年までに「19年比」で69%削減する必要があるとしている。
ただ、政府が昨年2月に閣議決定した地球温暖化対策計画は、日本の排出量が最多だった13年度を基準とした。「40年度までに『13年度比』で73%削減」と掲げている。
原告側は、政府の計画はIPCCの目標を下回り、削減義務に違反していると指摘。削減義務を達成するための法整備を国会が怠っているとも主張する。こうした対策の不備によって「平穏に生活する権利」が侵害されている、と訴えている。