きょうしつのゆめ
お久しぶりに投稿。
ぱっぱと書き上げたもの。
先生のことをお母さん、とか呼んじゃうこと、あるよねっ?
って感じの内容ですね
今回の被害者はカルマです。次は誰にしようかグヘヘ。
カルマの父親を少し捏造してる、かな?
囲い込みの時間、アプデ終わってたんで遊んできたんですけど、究極の選択を迫られました。リアルで20分悩んだ。悩んだ。
……好きなキャラより……ゲームの実力だ……ぐあっ……
- 310
- 382
- 9,183
親の呼び方は、歳に応じて変わっていくものだ。
小さな頃はパパやママ。
少し経つと、お父さんやお母さん。
そのうち、少し変わって父さんや母さんになって、珍しいものだと親父だとか、お袋だとか。
俺の場合、パパやママと呼んでいた頃の記憶が強い。
今でこそ呼び方は変わったものの、一番名前を多く呼んでいた時期のものが残っているのだ。
遊び道具をもっては、パパ、パパ、とその大きな背中に飛びついた。
怖い夢をみた時、ママ、ママ、とその優しい手に頭を撫でてもらったものだ。
『カルマ』
父親のその呼び方だって、なぜだか鮮明に覚えている。
とある一場面と一緒に、いつも出てくる。
昔の俺は、両親の喜ぶ顔がみたくて、今よりもずっと勉強をしていた。できるだけ取りこぼしのないよう、満点に近い点を出すために。
すごいね。その言葉と一緒に頭を撫でてもうのが好きだったから。
ある日の、そんな勉強の最中。
部屋に入ってくる優しい光に、ついうたた寝をしてしまった俺を、父さんが起こしに来た時の言葉だった。
なんでそこのシーンだけを鮮明に覚えているのかはわからない。
けど、自分を見下ろす優しげな笑顔を見ていると、思い出すと、とても安心する自分がいた。
『カルマ。ーーカルマ』
ほら、また。
起きている時も、寝ている時も、その呼び声が聞こえるのは唐突だ。
中々起きない俺を、父さんは何度も呼んで、揺すって、苦労して起こしていたんだっけな。
『カルマ。ーーールマ……」
浅い意識の中、一段とリアルになったその声に目を開ける。
ずっと閉じていた目はぼんやりとその大きな姿を捉えた。
でも、思い浮かべていた声の主がいるわけないから、ここはまだ夢の中なのかもしれない。
夢の中ならば、何をしても良いのかもしれない。
「……パパ」
久しぶりに声に出したその単語は、思った以上に子供っぽくて。
何をしてるんだ。なんて一瞬前の自分に呆れた時、ガタリと大きな物音。
「………!」
そこで漸くハッとした。
今自分がどこにいるのか、何をしていたのか。
ここは通い慣れた教室で、今は授業中で、目の前にいるのは間違いなく俺の父親ではない。
父の背中が大きいといえど、目の前の物体ほどではないし、黒い服はきてないし、第一黄色くない。
「………か、カルマ、君?」
「…………」
居眠りをしていたらしい俺は、昔の夢を見ていたらしくて、そのはずみで、殺せんせーを、パパ、なんて呼んでしまったらしくて。
さっきいったように今は授業中で、しかも小テスト中だから尚のことタチが悪い。
小さくつぶやかれたはずの俺の声は、静かな教室内に響き渡ってしまった。その証拠に、全員が全員、驚いたような表情をこちらに向けている。
「っ……!」
理解した途端、一気に顔に熱が集まった。
なんてことをしてしまったんだ。
後悔しても手遅れすぎる。何をどう足掻いたって、今しがたの発言は消えることはない。
主にニヤニヤしてる中村とか寺坂とかのせいで。
「カルマ君?先生は君のお父さん……パパじゃありませんよ?」
「っ、知ってるよ!言い直すなバカ‼︎」
「バカとはなんですかバカとは!君が授業中に居眠りするから悪いんですよ!」
さっきまでは戸惑っていたくせに、ここぞとばかりにいじってくる殺せんせー。非常に迷惑だ、やめて欲しい。
「へー、カルマクンはお父さんのことパパって呼んでるんだねぇ」
「んなわけないだろ!」
真っ赤な顔をして必死に中村のからかいを否定する自分の姿は、どれだけ滑稽に見えたことだろう。
それでも、今ここで否定しておかないと何かが終わる気がする。
「へーえ、あのカルマがなー」
「これは意外だなぁ」
「だ……!もう……」
そのうち他のクラスメイトもニヤニヤと言葉を投げかけてきて、あまりの恥ずかしさに机に突っ伏した。
そんな俺の肩を慰めるようにトントンと叩いてくれる千葉。その優しさが心にしみる。今度ジュースおごろう。
そんな俺の頭にちょんちょんと乗せられる、千葉のものではない手。
手というか、これはーー。
「……殺せんせー、マジでふざけんなよ」
「だって君が先生を間違えて呼んだのは、君が授業中に居眠りしたからですし」
「………っ」
「いやあ、君も案外可愛いところあるんですねぇ」
「っさいな……!」
乗せられた触手をバシリと弾く。
それでもヌルフフフと笑う殺せんせーは、とてつもなくうざい。殺せんせーの言い分が正しいから尚のことうざい。
殺意を込めて睨みつける。今度こそ殺そう。
それか冷蔵庫の中身をくすねよう。
「では、テストを続けてください〜」
「なに上機嫌になってんだタコ……」
「ヌルフフフ〜」
失態を犯すわいじられるわで疲れ切った頭を再度机に突っ伏す。軽く死にたい。
渚君の気持ちが少し分かった気がする。
「いやー、今のは私でもびっくりしたわ……律、撮れてる?」
「はい、バッチリです!」
「バッチリじゃなくていいよ、消して!」
「ダメダメ、消しちゃダメだよ!」
ニコニコと笑う律と中村をみて、本格的に渚君の気持ちが分かった。だからといってからかうのをやめるとは言わないが。
「………」
クラスメイトのニヤニヤ笑いに耐えかねて、席を立つ。
通りすがり、こちらをからかってくる寺坂の頭を叩きながら、教室の外へと向かう。
「あ、どこいくんです!」
「どこでもいいでしょ」
「テスト中ですよ⁉︎」
「終わってるよ」
眠気の中で解いた問題は果たして合っていただろうか。見直しもしてないから少し不安だけど、これ以上こんな空間にはいられない。
まだ少し熱い顔を冷やすように、日差しが照りつける外に向かう。
そのあと、何時間と間を空けて教室に帰ったけれど、誰一人先ほどの事件を忘れてはいなくて、散々いじられた。
この可愛さはもう反則