【大学野球】慶大の151キロ左腕・渡辺和大が「プロ志望」に踏み切った経緯とは何か
スライダーに絶対の自信
進路を「プロ」に定めた。最終学年の覚悟を示した。 「このチームで最も経験している者として、プロ野球でプレーする意識を持たないと、慶應も勝つことはできない。チームのためにも、上のレベルを目指すことにしました」 気になる存在が2人いる。3年夏の甲子園3回戦で投げ勝った九州国際大付高の左腕・香西一希は、2026年の早大の主将を務めている。2人目は明大の左腕・大室亮満(3年)。昨秋、最優秀防御率を受賞した、高松商高の1学年後輩だ。 「刺激になっています。負けたくないです」 慶大は昨秋まで3季連続5位。今春の巻き返しを誓う中で、渡辺は「口にしたほうがいいです。目標は日本一。僕が投げた試合はすべて勝つ」と、かつての控えめな発言とは無縁だ。 3つのテーマがある。肘を抜くクセをなくす。リリースの位置を頭の前ではなく、後ろに固めるというものである。2つ目は簡単にストライクが取れる変化球を習得する。「得意としているスライダーのほかに、カーブを確立させたい」。3つ目は「ストレートのラインを間違えない」。左腕の生命線である対右打者のクロスファイヤ、対左打者の外角への制球力を高める。「そこに投げ切れれば、相手打者はそのコースを前提にして、ボールを待つ。投手としては、優位に立てる状況になるわけです」。 スライダーには、絶対の自信がある。鋭く変化するウイニングショットを、初見でとらえるのは難しい。研究を重ねても、なかなか狙って打てる変化球ではない。握りを見せてもらうと驚いた。「実は真っすぐと同じ握りなんです。手首を微調整して投げています。縫い目の位置を変えたり、強弱をつけている」。ストレートと同じ軌道から手元で変化するから、打者にとっては難しいボールになるのだ。 好きなプロ野球選手を聞くと「浅野です」と、高松商高の同級生の名前を挙げた。 「あまりプロ野球も見ないので……。身近で知っている選手と言えば、浅野になります。自分が大学野球で苦労している中で、もう一つ、二つ上のレベルで頑張っている。影響を受けています。自分もプロ入りして活躍する。そのチームを代表する投手になりたいです」 まずは、慶大を2023年秋以来のV奪還へと導くことが、最大のターゲットである。 背番号18。責任と自覚がみなぎっている。 取材・文=岡本朋祐
週刊ベースボール