藤丸立香には触れられない
毎度のことのように厄ネタを持ち込むマーリン。
「匿ってほしい」などとのたまう彼が懐から取り出したるは、マスターである藤丸立香の人形で…………?
※今までキャプションを作者コメントだと勘違いしていて申し訳ありませんでした。今後はちゃんと書いていきます。
※誤字脱字、解釈違いの可能性があるため、ご注意ください。
※受験勉強に励むため、投稿をしばらくお休みします。私の駄文を楽しんでくれる皆さま、誠に申し訳ありません。良ければこれからも、フォロー・『すき』・ブックマークをよろしくお願いします。
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マーリン
「やぁやぁ、マイロード!少しばかり匿ってくれないかい?」
藤丸
「お帰りください」
この日、マーリンが“救援”を持ち込んだ。
マーリン
「ひどいじゃないかマイロード!そんな邪険に扱うなんて!」
藤丸
「フォウくん、マーリンのことガジガジしちゃっていいよ」
フォウ
「マーリンシスベシフォウ!」
マーリン
「オブっ!」
藤丸が許可を発すると、フォウはマーリンの顔面目掛けて突撃したあと、耳やら髪やらをかじり始めた。
マーリン
「いきなり何をするんだキャスパリーグ!マイロードもこんな扱いあんまりじゃないか!」
藤丸
「当然でしょ?」
この男は何を言っているのだろうか。
今まであらゆる厄ネタを持ち込み、幾多の人でなし発言を繰り返したこの者が、「匿って」などと言い放ったのだ。
警戒はして然るべきだし、独力で追い払えるなら追い払うべきなのだ。
マーリン
「ほんとうにマイロードは私に対して当たりが強いなぁ。最初はあんなに親切だったのに…………。あと噛むのを止めるんだキャスパリーグ」
フォウ
「…………」(そろそろ鼻を噛じろうかと思っている)
藤丸
「その頃はマーリンの本性知らなかったからだよ」
マーリン
「ほんとうにひどい言い草だ…………」
最初の頃はアルトリアやベディヴィエール、ギルガメッシュ王が何かと忠告してくれていたが、『しっかりと話してもいないのに先入観で判断してはいけない』と考え、これといった対策もせずに対話していた。
そしたら厄ネタを起こすし、持ち込むし、連れて行くしで散々な目にあったのは記憶に新しい。
その結果、マーリンはカルデアにおいて『諸悪の根源』『災禍の顕主』『カルデアに住まう最後のビースト』等と呼ばれるに至った。
つまり、この対応はもはや模範に等しいのだ。
マーリン
「まぁまぁそう言わずに聞いてくれよマイロード。せめて話ぐらい聞いてくれてもいいだろう?」
藤丸
「………まぁ、話ぐらいなら………」
そう言うと、マーリンはとても嬉しそうにニッコリとした。
この時点でマーリンに負けた気がしないでもないが、気にしないことにした。
マーリン
「実はねマイロード…………」
藤丸
「うん」
マーリン
「ギルガメッシュ王やラムセス2世から借金をしたから匿ってほしいんだ!」
藤丸
「令呪を持って命ずる………!」
マーリン
「マイロード、一旦落ち着こう。取り敢えずその手を降ろすんだ。人間なのだから対話をしようじゃないか」
今の話のどこに落ち着く要素があったのだろうか。
ラムセス2世とはオジマンディアス王の別称だ。
つまりこの“ブリテンの賢者(笑)”はあろうことか、人類史最高峰の賢王たちから金を借りたまま逃げ惑っているのだ。
藤丸
「頭おかしいでしょ!?なんであの二人から金借りようとか思ったのさ!?てかよく借りれたね!?」
マーリン
「いやなに、用途を説明したら割とすんなり貸してくれたよ」
藤丸
「え?双方合意の上で?盗んだんじゃなくて?」
マーリン
「マイロードは私を何だと思ってるんだい?」
藤丸
「幻術悪用腐れ外道」
マーリン
「想像以上に想定以下だったよ………」
なんだか凹んだような反応をしているが、今はそれ以上に気になることが出てきた。
藤丸
「二人が納得する用途って一体………?」
マーリン
「フッフッフッ、それはね…………キャスパリーグ、肩の上で排泄するんじゃない。流石にそれはあんまりだろ?」
意気揚々と懐からその用途とやらを出そうとしたマーリンだったが、その直前にフォウに肩で排泄された。
ちなみにその瞬間のフォウの心情はというと…………
フォウ
「(小さい方なだけ感謝しろ)」
………何だが恐ろしいことを思っているが、気にせず話を進めるとしよう。
マーリン
「まったく、花の匂いと混ざって臭くなるというのに…………まぁいいか、とりあえずマイロード、これを見たまえ」
藤丸
「それは………俺の人形?」
愚痴を漏らしながら懐から出したのは、マスターである藤丸を象った15cm程の人形。
藤丸
「え、これに二人がお金を出したの?」
マーリン
「そうだとも!実はこれを売り出そうと思って、その準備資金を借りたのだよ!」
俺の人形を作るわけも需要もよくわからないが、売り出すということは元手を返し、利益を出せると考えているはずだ。
ではなぜ、逃げているのか。
藤丸
「ねぇ、売り出すなら利益が出るよね?売れるとは思わないけど、売れる想定なら二人に待ってもらってその後返せば良くない?」
マーリン
「残念ながら、そういうわけにもいかないんだよマイロード………」
藤丸
「え?」
マーリン
「あの二人、なんと一日立つたびに利子5割なんていうひどい契約しかしてくれなかったんだよ………!一体私に何の恨みがあるって言うんだ………!」
藤丸
「(たくさんあったんだろうなぁ…………)」
とりあえず今回の問題がしょうもないことだと分かった。
藤丸
「なるほど、売れなかったから泣きついて来たと………」
マーリン
「いや?完売したし返済もしたよ?」
藤丸
「………は?」
マーリン
「いやぁ、特別な機能をつけたら飛ぶように売れたさ!マイロードに助けを求めたのは、再販を求めるサーヴァントたちから匿ってほしくて来たのだよ」
藤丸
「え?でもさっき………」
マーリン
「言っただろう?『ギルガメッシュ王やラムセス2世から借金し(て、人形を作って売り出したら再販を求めるサーヴァントたちに追いかけ回され)たから匿ってほしい』って!」
藤丸
「(こいつわざと………!)」
一発殴ろうかと手が出そうになるがなんとか収めた。
とりあえず、二人にはすでに金は返しているということだから良しとしておこう。
新たな火種はなさそうだ。
藤丸
「………はぁ、もういいよ。匿えばいいんでしょう?わかったよ………」
マーリン
「マイロード………!分かってくれたんだね………!」
藤丸
「それはもういいけど、さっき言ってたその人形の『特別な機能』って何?」
マーリン
「よくぞ聞いてくれたねマイロード!」
この謎にハイテンションなマーリンにそこはかとない害意が湧き出してきたが、今のところ何も悪いことをしていない以上、手を出すわけにはいかない。
………限界は近いが。
マーリン
「この人形は、私の幻術を丁寧に仕込んでいてね!枕元に置くと使用者の好きな夢を見れるんだ!」
藤丸
「へぇ〜、凄いねその人形」
マーリン
「しかもマイロードのデザインだから売れ上げはうなぎ登りさ!」
藤丸
「また調子のいいこと言って………」
売り上げに自分のデザインが関係しているはずがない。
それだけの機能ならデザインが気に入らないとしても買うに決まっている。
大方、好感度を上げようと画策しているのだろう。
藤丸
「まぁとりあえず、シャワールームにでも隠れてたら?誰か来るかもよ?」
マーリン
「あぁそうだったそうだった!では私は失礼するよ、ご機嫌ようマイロード!」
そう言うとシャワールームに籠もったマーリン。
藤丸
「………同じ部屋にいてご機嫌ようって合ってるのかな………」
つい先程まで静かだったのに猛烈に疲れた。
マーリンは相変わらず嵐のような展開を運ぶ人だ。
藤丸
「(戦闘とか色々普段から助かってるけど、同じぐらい負担を掛けてくる…………一長一短が過ぎるよほんと………)」
もっとも、今回はこれといった害はなさそうだ。
そこに問題がなく安堵する藤丸。
しかし、問題は後日浮き彫りとなっていった……………
エリセとマンドリカルドの無意味な犠牲が……