パレスチナ人を死刑にする法案 イスラエル議会賛成多数で可決
エルサレム、イスラエル、4月1日 (AP) ー イスラエル議会は3月30日、イスラエル人を殺害した罪で有罪判決を受けたパレスチナ人への死刑を認める法案を可決した。この措置は、差別的かつ非人道的であるとして、国際社会や人権団体から厳しく非難されている。 この法案の可決は、イスラエル人に対する民族主義的な犯罪で有罪判決を受けたパレスチナ人への処罰を強化しようとする極右勢力による、長年にわたる運動の集大成となった。ネタニヤフ首相は自らクネセット(議会)に赴き、法案に賛成票を投じた。 この法律により、民族主義的な殺害で有罪判決を受けたヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する標準的な刑罰として、絞首刑による死刑が定められた。また、同様の罪で有罪判決を受けたイスラエル市民に対しても、イスラエルの裁判所が死刑を科す選択肢を与えるものとなっている。法律の専門家によれば、この文言は事実上、死刑判決の対象をイスラエルのパレスチナ人市民に限定し、ユダヤ人市民を除外するものであるという。 この法律は、イスラエルが現在拘束している囚人、すなわち2023年10月7日に同国を攻撃し、ガザ地区でのイスラエル・ハマス戦争を引き起こしたハマス主導の武装勢力を含む者には、遡及して適用されない。 最終投票で賛成62票、反対48票で可決されると、議員たちは歓声を上げ、喜びのあまり立ち上がった。席に着いたままだったネタニヤフ首相は、直ちに反応したり発言したりすることはなかった。 30日後に発効するとされるこの法案は、施行を遅らせる可能性のある法的異議申し立てに直面することは確実だ。 法案可決から数分後、イスラエル市民権協会は、同法に異議を唱えるため、すでにイスラエル最高裁に申し立てを行ったと発表した。同協会は、この法案を「意図的に差別的なもの」と呼び、イスラエル市民ではない西岸地区のパレスチナ人に対して、議会が「法的権限なしに」これを制定したと述べた。 イスラエル民主主義研究所の民主的価値観・制度センターの上級研究員であるアミハイ・コーエン氏は、国際法の下では、イスラエルの主権が及ばない西岸地区において、イスラエル議会が立法を行うべきではないと述べた。 専門家によると、この法案には死刑を事実上パレスチナ人に限定する2つの重要な要素が含まれている。 第一に、この法案は、西岸地区のパレスチナ人だけを審理し、イスラエル市民は審理対象としない軍事裁判所において、民族主義的な殺害に対するデフォルトの刑罰として死刑を定めている。同法案によれば、軍事裁判官が刑を終身刑に変更できるのは、特別な事情がある場合に限られる。 一方、イスラエルの民事裁判所には量刑においてより大きな裁量権が与えられ、裁判官は死刑と終身刑のいずれかを選択できる。 第二の要素は、死刑の対象となる犯罪を法案がどのように定義しているかだ。それは、「イスラエル国家の存在を否定する殺害」である。 「この法律はイスラエルの裁判所でも適用されるが、イスラエルの存在を揺るがそうとする意図に基づくテロ活動に限られる。つまり、ユダヤ人はこの法律に基づいて起訴されることはない」とコーエン氏は述べた。 オーストラリア、英国、フランス、ドイツ、イタリアの外相らは3月29日、声明を発表し、イスラエルに対し同法の成立計画を断念するよう求めた。声明では同法を「事実上の差別的措置」と呼び、死刑は非倫理的であり「抑止効果」もないと指摘した。 イスラエルでは、ジェノサイド、戦時中のスパイ行為、および特定のテロ犯罪に対する処罰として、法的には死刑が規定されているものの、1962年にナチスの戦争犯罪者アドルフ・アイヒマンが処刑されて以来、同国は誰一人として死刑を執行していない。 イスラエル国内の「拷問反対市民委員会」によると、同国は国連において一貫して死刑廃止に賛成票を投じてきた。イスラエルの治安機関シン・ベットも、最近まで、パレスチナ過激派によるさらなる報復計画を煽る恐れがあるとして、死刑執行に反対していた。 (日本語翻訳・編集 アフロ)