イチローさんが直接指導した九州国際大付は「次を考える野球」に変化…選抜高校野球は2回戦敗退も無失策
春の甲子園に出場した九州国際大付は、今大会の出場校で唯一、米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチローさん(52)から直接指導を受けた。「ただ投げる、打つ」から脱却し、次のプレーを常に考える野球へと変化。失策の多かったチームが甲子園では2試合を無失策と成長した。2回戦で敗退したが、イチローイズムで夏に旋風を巻き起こすと誓う。(松田史也) 【写真】専大松戸戦で内野ゴロを1塁に送球する九州国際大付の吉田秀成選手
イチローさんは現役引退した翌年の2020年に「学生野球資格」を回復。智弁和歌山(和歌山)や愛工大名電(愛知)など全国各地で高校球児に指導を行っている。
九州国際大付を指導したのは昨年11月24、25日のことだ。北九州市のグラウンドで、イチローさんが考える守備、打撃、走塁の基礎について指導を受けた。
イチローさんは部員たちと話し合いながら、チームが抱える課題について丁寧に助言をした。守備は、部員42人が待ち望んでいた課題だ。
イチローさんが実演したのは、30メートルを正確に投げる練習だ。30メートルは外野から内野への中継や遊撃手から一塁手への送球など、実際の試合では、よくあるケースだ。
城野慶太主将によると、それまでは「強く投げることだけを意識していた」という。しかし、イチローさんは「捕ったら、次は投げる構えについて考えないと」と指摘。「肩と体を投げる方向に向ける意識が必要」と選手たちの前でやってみせた。
高度な技術ではないが、プレー中でも次の動きを考える姿勢は選手たちの考え方を変えた。教わったことを意識して冬の間、ひたすら練習。甲子園では、2戦連続で無失策だった。守備は苦手という上岡煌選手は「丁寧な守備を心がけることで一つ一つの打球に対処できた」と変化を印象づけた。