【密着】120年以上歴史ある梅ケ島小中学校が今年度で閉校…式典で伝統神楽披露した最後の在校生の思い(静岡市)
静岡市の山間にある梅ケ島小中学校が2025年度で閉校となります。120年以上の歴史があり多くの人に愛され続けてきた学校の閉校記念式典で、地域に伝わる神楽を披露した最後の在校生に密着しました。
静岡駅から車で約1時間。安倍川の上流静岡市の最も北に位置する「梅ケ島小中学校」。標高は約1000メートル。自然豊かなこの場所に124年前の明治時代に開校しました。林業や道路整備などが栄えた最盛期には小学校だけで300人が通っていましたが、今では小中一貫校となり小学3年生から中学3年生まで14人。全員で集まることも多く長年共に過ごしていることから学年関係なく仲が良いことが特徴です。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「地域の人や自然と、たくさん関われることが魅力」
しかし、新入生が入学する見込みがなく閉校が決まり、4月からは10キロ離れた別の学校と統合することとなりました。
閉校記念式典1週間前。全学年の14人が一同に集結しました。
(神楽の練習)
「今から練習を始めます」
市指定の無形民俗文化財「梅ケ島新田神楽」の練習です。
地域の文化を未来に残そうと、約20年前から授業に取り入れられ、地域の神楽保存会の人や学校の先輩から教わることで代々、受け継いでいます。この神楽を閉校記念式典で披露することとなったのです。
(生徒)
「神楽は昔からの伝統で、学校で練習するところも少ないと思うので貴重な時間だと思います」
(生徒)
「地域で集まる最後の神楽だと思うので、完璧に最後終われたらいいなと思っています」
当日、舞を披露するのは中学3年生の秋山愛衣さん。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「緊張するんですけど、地域の方たちに感謝の気持ちを込めながら舞いたいと思っています」
愛衣さんは5人兄妹の末っ子。姉2人も学校で神楽の舞を担当して地域の行事で披露してきました。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「姉が2人とも舞をやっていて、きれいに舞っていて憧れて、自分もずっとやりたいなと思っていました」
舞を担当するのは一人だけ。憧れの舞を記念式典で担当することになり1年間練習を続けてきました。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「ちょっと久しぶりで間違えてしまったところもあるんですけど、本番も支えてもらいながら頑張りたいです。(保存会の人たちが)細かいところまで教えてくれたので、本番も頑張れそうな気がします」
閉校記念式典の当日。後輩と一緒に登校する愛衣さん。
(後輩)
「最後ですよ。ちょっと悲しい…高校行かないでよ」
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「わかった」
(後輩)
「わかった!?」
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「自転車でここから2時間かけていくね」
教室に子どもたちが集うのもこの日が最後です。愛衣さんは4月から梅ケ島を離れ寮生活をして市内の高校に通うこととなります。保育園からの幼馴染ともお別れです。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「(春からバラバラになることが)ありえないですね。信じられない。けんかしまくりました。ちょっと言えないよね。それがあったからこんな仲いいねうちら」
いよいよ始まった記念式典。卒業生や地域住民など500人を超える人が集まりました。長年、神楽を子どもたちに教えてきた保存会の人の姿も…
(梅ケ島新田神楽保存会 小泉 肇会長)
「ここでは見られなくなってしまうので…。まあ、だんだん慣れてくるとは思うんだけど、正直言って寂しい」
学校で踊る最後の神楽。衣装に着替え会場へ。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「失敗してもばれないって言われるんですけど、後悔がないように頑張ります」
会場には愛衣さんのお姉さんもかけつけてくれました。
(愛衣さんの姉 友葵さん・21歳)
「頑張ってね」
姉に送り出されステージへ。
(閉校式典)
「最後みんな頑張ろうがんばるぞー。おー。ガンバロー」
地域で古くから大切にされてきた神楽。約500人を前に最後までしっかりと舞うことが出来ました。
愛衣さんのお姉さんは…。
(愛衣さんの姉 友葵さん・21歳)
「頑張っていたと思います。一番末っ子であんまり人前に立つことが堂々とできる子ではないのですごいなと思います」
教室に戻る愛衣さんたちの目には涙が…。
(中学3年生 秋山 愛衣さん)
「閉校は本当に寂しいんですけど、この別れも大切な出来事だと思うので次に頑張って進んでいきたいと思います。この梅ケ島を大切にこれからもしながら将来も周りの人を笑顔にしてハッピーな生活を送れるようになりたいです」
今までの通い慣れた校舎に別れを告げ、たくさんの思い出を胸に、子どもたちは4月から始まる新しい生活に進みます。