くちびるエスターティコ
…………正直、驚いた。面食らって、思わずその白皙を凝視して。
―――同時に歓喜した。わたしは、この獣にとって全力で相対する価値がある、と。
存外に、己は『彼』に認められたのだと。そう、確かに歓喜した。
「ほわんほわんほわんえみえみ~~~」
※ちょっと考えた結果タグのつけたしとアンケ置きました。
もしよければぽちっとお願いしますー。
キャス弓です。キャス弓です。もう既にできてる設定のクー・フーリン・キャスターとエミヤの話。
簡単に言うとキャス弓楽しく喧嘩しな!!って話です。
戦闘シーンめっちゃ書いてて楽しかったです。はい。戦闘シュミレーションとかその他もろもろ捏造してます。ふわあと読んでください。ふわあって!一部ゲストサーヴァントが出てますがわたしの趣味です。うちのカルデアのスタメンですいつもお世話になってます!!
ほんとはもっとカルデア総当たり戦みたいなの書きたいんですけど、持ってないあんどフレ様からお借りしたことのないサーヴァントはちょっと書けなさそうなので……ざんねん。
槍弓、キャス弓と書いたので次はオルタニキとアーチャーの話が書きたい。具体的にはオメガバースでαタニキとβアーチャーの話。オメガバースなのになんでαとβ??ていう。運命の番も巣作りもめっちゃ好きなんですけど、とある方の書かれたオメガバース槍弓広義がもう、もうすごすぎて!!!!αΩの槍弓はちょっともうわたしの中では下手に触れられない神域と化してしまったので書けません。
が、αとβの組み合わせが実は地味に好きで。
「αとΩには、世界のどこかに運命で結ばれた番の存在がいるという。……つまり、βであるわたしは、
――――――彼の運命では、ない」
みたいな。ぜひアーチャーに言わせたい。お相手はオルタニキです。あえてのオルタニキです。どういうことかわかったあなたとはゆっくりお話がしたいです切実に。運命に結ばれる話大好きです。でも、運命に振り回されて、世界が勝手に結んだ運命を切り開くような話も好きです!!!
最初はドルイドちっくに魔術師らしく、派手に華麗にいやらしく!戦うキャスニキがコンセプトだったんですどどっかいきました。書けば書くほど説明がひたすら増えて戦闘がダレるのが悩みの種です。途中でキャスニキがめっちゃ解説してくれてて(これが漫画やアニメでよくいる解説担当だな……)とかって思いました。全部切り取って捨てました悲しい……。
夜の戦闘訓練()まで書きたかったんです……。腰が痛くて断念しました。みなみなさまも腰痛にはお気をつけて。腰が痛いだけで生きてるのがとってもつらいです。あんまり痛いのでもしかすれば次はアーチャーが腰痛に苦しむ話になるかもしれません。
すっかり忘れてたんですけど、例のハロウィンイベントでやってた「ほわんほわんほわん~~~」かわいいなあ、って。そうこれもいれたかった!イベント終わるまでに!!ハロウィンには投稿間に合わなかったんですけどね!!腰が!!痛くて!!!しんどい!!!!!
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青い髪のドルイドと訓練室で遭遇したのはたまたまだった。特に示し合わせたこともなく、少なくとも、自分は何一つ予期していなかった。
何のトラブルもなく素材狩りや種火集めといった穏やかな日々が続いていたある一日。ばったりと出会い、戦闘シュミレーターを稼働した訓練室。偶然振って湧いたストレス発散の相手。
互いの準備は既に万端で、思う存分戦えることに期待し、機嫌よくすらあった。
「あっ、おいばかンんっ―――!」
「いいだろ別に減るもん、じゃ……」
いつものことだがこの男はこちらの言い分をまともに聞きやしない。……まぁ、『いつものこと』だが。擬似空間が完全に立ち上がる最中、そう思い他に見ている人間もいないことだと言い訳しながらしぶしぶと受け入れた。
顎を捕まれ強引に唇を重ねられた―――瞬間、男の髪が、ぶわりと風もないのに大きくうねる。
否、風はこの男の内側から吹いていた。
―――爆発的に膨らんだ、彼の魔力と、殺気によって。
「な、」
「おい手前ぇ」
ぴりぴりと肌を差す殺気に、咄嗟に手を振り払い距離を取る。突然豹変した男に驚きが隠せない。いったい、何だと言うのだ。
「いきなりなんなんだ!?」
「『なんだ』、だぁ?それはこっちの台詞だアーチャァアアアアア!!!!!」
「はぁ!?!」
深蒼の風が奔る。
それは、青い獣の描く美しい軌跡だった。
真正面から叩き込まれた上段の一撃に視覚よりも先に体が反応する。意識の外で振り上げられた白刃と木杖が交錯し受け止めた両腕がびりびりと痺れを訴える。
しかし、止まることはできない。同じだけの衝撃が伝っているはずの獣は受け止められた反動を利用し互いの重なりを支点に大きく宙を跳ねた。軽くなった腕を慣性のまま振りぬき勢いのまま背後へ身を捻る。獣の影は既にそこにはない。
―――どこに。
「っ!!!」
下からの一撃。低く腰を落とした体勢のほぼ足元から上へと円を描くように穿つ杖に合わせて片膝を垂直に、上昇する杖の先端に乗り上げ全体重の負荷をすべてその足に掛けた。ぐっ、と踏み込んだ重さにわずかばかり足場が沈むが今更その程度で互いの動きは止まらない。己を打ち据えようとしたそれを蹴り空中へ。跳ね上げた足を腹筋の力でさらに上へと回し大きくトンボを切りながら手元へと魔力を集中。
「投影、開始……!」
馴染みのそれを即座に手元から放つ。体勢を整える暇はなく、後手に回った現状は不利。何が気に障ったか知らないがキャスタークラスにあるまじき筋力と敏捷性で接近戦を仕掛けてくる彼の相手などしていられない。白と黒の軌跡を引き一対の陰陽刀が彼へ迫る。……が、彼は目前にまで近づいたそれに避けるそぶりすらも見せない。
理由は明確だ。
―――キン、と甲高い金属音と共に彼を狙い投擲された剣が見えない何かによって弾かれる。―――『クー・フーリン』の持つ『矢避けの加護』だ。
味方であるうちは彼の生存力を高める頼もしいものだが、敵に回してしまえばこれほど厄介なものはない。射手を視覚に捉えている限り飛来する攻撃が彼を穿つことはなく、加護により強制的に無力化される。
「――……、」
口の中で刻まれる力ある言葉。剣を空中へ具現し、手の内へ納めることなく続けざまに射出する。縮まる距離に牙を剥く彼の面立ちが良く見えた。そんな表情をしていても白皙の美貌が損なわれることはない。むしろ……。一瞬背筋に走った震えに知らぬふりをして己もまた唇の端を上げる。当たらぬ攻撃に怯むことなどせず突進するその姿。
―――それこそが慢心だ。クー・フーリン。
「―――壊れた幻想」
放ったそれが彼の加護範囲に到達する寸前―――閃光が炸裂する。剣の形を持って固定されていた魔力が己の宣言と共に崩れ、瞬間的に増幅された力が爆発を起こす。予測していた自分とは違い、眼前で直撃した彼はしばらく視力が使い物になるまい。光にわずかに遅れて訪れた土煙を巻く爆風に乗りながら目を凝らす。この程度で倒れるような、そんなやわい男であるならば。……自分は、これほどまで彼に。彼を、英雄と憧れ、その背を見続けることはなかっただろう。
足元に新たな剣を投影、ガワだけの巨大なハリボテを足場に。爪先から軸足へ、足首から膝、腿まで魔力を集中し、切っ先から地面に突き刺さったそれが具現した瞬間柄部分を強く踏み切る。
同時に真紅の塊が飛来する。人を簡単に飲み込むほどの大きさを持った火球は己が先ほど足場にした剣を掠め回避行動を取る自分の真下を通り抜けた。被弾したわけでもないのに、発動した魔術による圧倒的な熱量が肌を焼いた。
「……―――っの、野郎ォ!!」
獣の咆哮が耳に届く。こちらの位置は正確に読み切られているようだ。
「さすが獣。鼻が効くな」
ゆるやかに落下しつつ体勢を整えながら、手元に双剣を具現させる。
「アーチャァアアッ!!」
着地した瞬間立ち上る白煙を切り裂き現れた青い獣の牙を受け止める。赤い槍を持たぬ祭祀の牙は、交差した陰陽剣を持ってしても折れることはない。多少汚れてはいるものの、彼にほとんど外傷は見られない。ルーン魔術か、はたまたクー・フーリンゆえの頑丈さか。衝撃を喰らえば少しは頭が冷えることを期待したが効果はなかったようだ。手心を加えたとはいえ、己の一撃を喰らってこうもピンピンしているとは。
訳もわからぬまま襲われて多少動揺したが、こうも頭に血が上ってしまえば仕方がない。
ぎりぎりと拮抗する力は緩めず、触れあいそうなほど近い白皙へと顔を寄せて、
「…………飼い主として、駄犬には躾が必要だな」
意図して低く、極力抑えて。吐息を吹き込むように囁いた。
彼の瞳孔が深く開かれる。縦に切り開かれた深い赤はまさしく血に飢え獲物を狩る獣の瞳。
離れ際に見えたそれに満足して、……ああ自覚しているとも。湧きあがる欲を隠さずにうっとりと唇を歪ませた。彼の視線が、意識が、魂がいま己にのみ向けられている。
―――まずは徹底的に叩きのめす。話はそれからだ。
「てンめえ…!啼かすのは後にしてやる……!どっちが飼い主かはっきりさせてやろうじゃねぇかァ!」
「っは!噛みつくばかりの駄犬に嵌める口輪を用意しておこう!」
元より訓練とかこつけて気が済むまで戦うつもりだったのだ。何が原因かは知らないが、先に手を出してきたのはあちら。ならば、自分が『どんな手』を使って相手を伸しても問題はあるまい。
血が煮え滾り、魔力回路が脈打つ。久方ぶりに本気で、何の後先も考えず、何に邪魔されることもなく、『彼』と戦うことができる。
そうだ。嗚呼そうだとも。
わたしもまた獣だとも。売られた喧嘩は盛大に勝ってやろうクー・フーリン!!!
その様子を見ている者がいればこう言っただろう。
―――そこには、牙を見せ合うように口角を上げた、二匹の獣が居た、と。
* * * * *
「は、あぁああああっ!」
「っち、オラァ!!!」
木製の杖と金属製の剣で打ち合っているとは思えない高音が響き渡る。槍がないのは口惜しいが無いものを強請ったところでどうしようもない。
―――まずは目の前の獲物を仕留めるのが先だ。
「ふ、わたしを前にして考え事とは、ドルイド様は随分とっ、余裕のようだ、なッ!」
「たわけェ!テメェのことで頭ン中、いっぱいだっつぅの!!」
「っそれは光栄だ!!」
左、次いで右からタイミングをずらして襲い来る双剣を木杖の上部でまず受け、即座にまとめて手首を反し巻き取るように引き落とす。武人と言えど手首の可動域には限界がある。得物を無力化すれば、普通はそこで終いだが、……生憎コイツはそういかない。
ぐん、と手応えの軽くなった杖に指先を手繰らせ浮いた柄の先端で突きを穿つ。数度続けて突きつけたそれは予想通り幅広い剣に阻まれた。コントロールを失った時点で投影を解き、即座に新しいものを手元に拵える。英霊にとって多くが宝具にあたる己の武具はそうそう手放せるものでもなければ複数あるものでもない。初めて打ち合った時こそ困惑したが、ネタが割れてしまえば何てことはない。面倒な獲物であることに変わりはないが。
「はぁああ!!」
「っく」
次々と襲い来る刃を反射神経にものを言わせてひたすら防ぐ。二刀使いはその繰り出す手数と多彩な攻撃パターンが要となる。この特異な魔術を活かした手練手管に加え引き合う磁石のような性質を持つ夫婦剣が本当に厄介だった。魔術による筋力強化でなんとか凌いではいるが、さすがにこのまま接近戦では分が悪い。いくらなんでもキャスタークラスだ。耐久と持久力は前衛職には及ぶまい。……まあ目の前の剣士も本来であれば己と同じ後衛職(弓兵)なのだが。
ががが、と絶えず衝突の音を掻き鳴らしながら剣使いの弓兵と組みあうのは正直血が沸き立ち肉が踊る。
「っ!」
「ッチ」
首を狙う白刃を紙一重でかわせば遅れた髪が数本風に流される。っつうか舌打ちしやがったなコイツ。すかさずその悔し気な横っ面に杖を叩き込もうとすれば赤い腰布が大きく広がって足が鋭角に跳ね上げられた。正統派の騎士様方と違って足癖も悪いというじゃじゃ馬っぷり。牽制には大ぶりのそれに杖を後ろ手に回し奴の懐へと飛び込む。
「っはァ!」
直後、裂帛の気合いと共に真横から叩き込まれた衝撃に息が止まる。ねじ切られそうな頸部の痛みに、同じ方向へと強引に腰を捻り身を捩りながらもんどり打ち、
「――ぁンサズ!!」
手甲に刻み込まれた火のルーンを放つ。首を圧迫する逞しい足が緩んだ刹那、へし折られそうになった頭部もろとも抜け出し宙に浮かんだ体を立て直す。後ろ足で数歩跳ねて距離を取れば黒煙を纏い弓兵が膝を付いていた。
衝撃が走った瞬間、横に回転する奴の赤と出現する巨大な剣が見えた。おそらくは具現した剣の重さを利用しわざと重心を片腕にずらし、反動と足の振りで回し蹴りをぶち決めてくれたのだろう。白黒の剣技が乱れ舞うかと思えば足元を狙った蹴りが飛び、はたまた天地が逆になった空中戦まで仕掛けてくる始末。
…………これだから、堪らない。
「……っ、はぁ」
威力が十分ではなかったとはいえゼロ距離からの火球は痛かろう。かろうじて防いだのか左腕から血を滴らせながら赤い弓兵が立ち上がる。痛む首をごきり、と鳴らして戦意の衰えない銀燭の瞳を見下ろした。たのしい、たのしい、たのしい。
しかし今、己を支配するのは怒り。底知れぬ怒りに満ちた脳内は最高に冷静だった。
仕掛けは十分。弓兵との『愉しい』時間もそろそろ幕引き。
「さぁて」
黒剣を構える弓兵へ杖の先を向け、
「これで仕舞いだ」
大地に刻んだルーン文字へ強かに打ち下ろす。術式の準備は既に整っていた。
「さぁくれてやる。森の賢者の全力、しっかり受け止めてくれよ?」
杖により増幅され通わせた魔力に応じ大地が隆起する。地形すらも変えんとする揺れに弓兵がこちらへ突っ込んでくるのに唇を上げた。ざわざわと肌の下で魔力が荒れ狂う。空気を振るわせ高まる圧力に弓兵の顔色が変わった。
「我が魔術は炎の檻、」
「―――させるか!!!」
最速を持って己に向かい飛びかかろうとする弓兵を抱きしめんとばかりに両腕を広げる。あぁ、その必死な表情は詠唱を完成させるものか!……なんて考えているのかもしれないが。
「まぬけ」
「ッッッ!!?!」
詠唱をキャンセル、暴れだそうとする魔力を編み上げ無造作に開いていた手を閃かせる。
直後、奴の踏み込んだ足元がひび割れ『それ』が出現する。
―――そう、これは
「宝具の、部分現界―――!」
「正解だが、不正解だ」
「っぁぐ!!」
大地を割り開き、全貌を表さぬ緑の巨人の手が彼を掴みあげる。複雑に編み込まれた木々の右手を中心にざわざわと緑の神域が陣地を広げていく。
そう、半分は正解だ弓兵。宝具『焼き尽くす炎の檻(ウィッカー・マン)』の変則解放と同時に展開したこれはキャスタークラスに許された魔術、陣地作成を成すもの。
今この時、この緑及ぶ範囲すべてが己の領域となる。
「躾の時間だ、アーチャぁ……」
握りつぶしてしまわぬように注意して右手の指に一本ずつそっと力を込めていく。厚みのある胸板、逞しい背筋、体幹の要となるみぞおちにくびれた腰、張りのある大腿。きゅう、と締め上げるたび短く吐き出される呻き声に気分が上がった。同調した宝具との感覚にどくどくと跳ねる奴の心音がダイレクトに伝わってくる。ああ、命を掌握する悦びに力加減を誤ってしまいそうだ。
「っぁ、……っが、は」
「おっと、まずいまずい。まだ落ちてもらっちゃ困る」
うっかり浸り過ぎている間で止まりかけている心臓に慌てて拘束を緩め、高い位置にあった彼を己の目の前まで下ろす。
一瞬香る違和感にぴたり、と身体が動きを止めた。……まずは、塗り替えてやらなくては。
もはやどこを見つめることもなく、焦点の合わなくなっている銀の瞳にぞくりとしながら己の唇を噛み切り、半開きの唇へ息を吹き込んだ。
「ん……」
「ふ、んぅ」
唇を離しもう一度。己の赤を塗りつけながら体内で練っていた魔力もろとも吐息を深く押し込み分け与える。そのまま離れず鼻で息を吸い、呼吸を止めて己の肺へと一度溜める。ちりり、と胸が熱くなったところでねろりと舌を捻じ込みより大きく口を開かせ血に濡れた唇を隙間なく覆い熱を吹き込んだ。
覚醒の兆しが見え始め小刻みに震える頭を撫でようにも同調させたままの右手と杖を持った左手では難しい。至近距離すぎてうまく像を結ばぬ視界の中、銀の翅がぴくぴくと己の睫毛をくすぐる感触が伝わってくる。
「ふぅ……お目覚めか?」
「あっ、んぅキャスっ」
ようやく正気まで戻ってきた男に食らいつく。先までのやさしい魔力供給ではなく、己の欲求を満足させるだけのそれ。
後ろへとのけ反ろうとした頭部を腕の中へと引き寄せきつく抱き込む。手が使えずとも最初からこうすればよかった。二の腕でがっちりと捕まえて舌を伸ばし再び息の根を止める勢いで口を塞ぐ。がち、と歯が当たるのも気にせず逃げる舌を絡め合わせ啜りあげれば、んっ、んっ、と漏れ出す甘い声に囲う腕の力を強くした。
「これじゃあ躾になんねえな」
「んぁあ!」
相手の舌を引き抜くつもりで歯を立てながら唇を離せば引きづり出された舌が外へ出る。傷が付いたのか一際鮮やかな赤を咥え己の口内で愛撫した。あぐあぐと丹念に味わえば閉まることのない彼の口からたらりと唾液が伝っていくのが見える。
「ひゃ、ひゃす、んん!ひゃすたぁっ!」
「んー」
「ぁん、ひゃす……ぁ!」
ひゃんひゃんと啼き声を上げる様は幼い獣のようで。どろりと溶けかかった銀砂糖の瞳がきらきらと光を放つ。縋るその色は庇護欲と支配欲をひどく煽った。
―――嗚呼、このまま彼を閉じ込めてしまおうか。
擬似的とはいえ展開した己の陣地。杜の神域。腕の中には運命と欲した男がいる。最終降臨まで至った己は既に能力的には十分。カルデアのマスターに召喚された身はサーヴァントとして縛られているが、同時に己の霊基に組み込まれたものがあった。人理修復の最中、マスターから己に捧げられた万能の願望器たる『聖杯』を使えば。きっと、自分の望みは叶う。
―――この男を奪われるくらいならば、いっそ。
ずきずきと額が痛む。仮初とはいえ導きのドルイドの定めを外れようとする己に対する戒めか、はたまた裏切りを赦さぬ誓約か。鬱陶しいことこの上ない痛みに眉を潜めながらも恋人を堪能する。愛らしく啼いていたかと思えば、いつの間にか瞳を閉じて素直に身を差し出してみせるのだからかわいらしい。
わざと唇を離し見つめれば、伏せられていた銀色が瞬いた。ぱたり、とゆるやかに開かれては閉じられる銀のはばたきは蝶のそれのようで、送られた催促に乗せられてやる。
「……ぇ、す」
「しまっ」
「―――オン」
唇が重なるその瞬間、かすかに聞こえたその『言葉』を理解したのが先か後か。身体は瞬時に行動を取り己を狙い放たれた剣を回避する。緩めていた右手に魔力を籠め直すがそれはわずかに遅かった。
「っは、相対する敵にわざわざ魔力まで分けてくれるとは。お優しいことだ」
彼から無数に咲いた銀が花開く。内側から無理やり掛けられた力に加え、本来手に入れた贄を決して逃がすことのない神木の腕が『断ち切られていた』
「―――I am the bone of my sword.」
濡れた唇を指で拭う男が早口に詠唱を刻む度に鮮烈な魔力が吹き荒れる。
「っさせるか!」
渦を巻く高密度の魔力は自分がやった分量を明らかに越えている。どんな裏の手を使ったのかは知らないが詠唱を止めさえすればこちらの番だ。
連続で火球を放つがそれらはすべて奴の手に握られた見慣れぬ、しかし『よく見慣れた』武器に打ち落された。己の宝具すらも断ち切った『木を切り倒すため』の武具。カルデアに召喚されたサーヴァント坂田金時の持つ『鉞(まさかり)』等、いつの間に投影していたのか。
「森の賢者をっ、舐めんじゃねぇぞ!!」
地を蹴り言葉を紡ぎ続ける男に肉薄する。大規模な魔術の詠唱中、術者ははどうしても無防備になる。……その筈なのに、なぜ己の攻撃は彼に当たらない。繰り出す杖も、蹴りも、ルーンによる火球さえも受け止め、打ち消すことなく見切りのみで回避する。何故。焦りの滲む己と対照的に、弓兵はまるで何かに背を任せ、体を預けるようにしてただひたすら魔術を組み上げる。
「……So as I pray, 」
――――――Unlimited Blade Works.
最後の一句と共に緑の杜を真紅の閃光が飲み込んだ。
* * * * *
「っく、こんな魔力一体どこに隠してやがった……!」
触れあった肌からは固有結界を展開できるほどの魔力は感じられなかった。
しかし、現実ここは彼の魔術の中だ。
無数に突き立てられた剣群は墓標の如く、巨大な歯車が空に浮かび煤けた大地を赤々とした炎が舐める。見上げた視界の先、寂然と軋む音の先に見える青空だけが、ひどく、泣きたくなるほど美しい。
彼の心の有り様を写しとった、彼だけの世界。
己の陣地ごと上書きして飲み込んでくれた肝心の弓兵の姿が見当たらない。隠れる場所などないが砂丘のように低く高く連なる小山に神経を集中する。
一転して状況は圧倒的に不利だった。
何より、突然振って湧いた宝具を発動するほどの魔力に、受けることすらせず全てを避け切ったあの動き。……。
「『回避』……!」
思い当たれば己にも覚えのあることだった。マスターの持つ礼装による『緊急回避』、そして信じられないことに一日一画修復される令呪による『宝具解放』だ。思わず舌打ちが漏れる。自分には何の音沙汰なしということは、異変を察知した誰かによって呼ばれたマスターが弓兵にまずパスを繋ぎ、あの男が作戦を立てそれを裏からバックアップ、といったところか。
ぎろり、と見渡しても変わらずあの目立つ赤は見当たらない。己との真剣勝負にそこまでするか。マスターを味方につけてまで勝ちを奪いにくるとは、
「やってくれるなァ弓兵!!!」
殺気立つまま吼えれば感情に呼応した魔力がざわりと揺れる。どこから襲い掛かるかもわからぬ弓兵の攻撃に神経を研ぎ澄ませながら視線を巡らせた。魔力を感知しようにもこの空間すべてが弓兵の魔力だ。こちらは後の先を狙うしかない。
……どこから来る?
ぎぃ、ぎぃ、と遠くで軋みを上げる音だけが聞こえる。
つぅ、と汗が落ちるのを感じながら横目で背後を流し見、そのまま見落としそうになった意識の端で赤茶の背景に白が浮いていた。
ぱちり、ぱちりと仄白い花が咲く。
―――否、これは、『雷光の花』が爆ぜたのだ!!!!
「おい、まさか―――!!!」
彼の手にあった見覚えのある武器。花開く白の雷。あれは、『坂田金時』の持つ宝具ではなく―――、
「……うふふ。どうか存分に、エミヤ殿」
「嗚呼。勿論だ備前守」
理解するよりも先に己に向けて飛来する雷の雨。
しかし、ぎしりと固まった体は常時発動する加護により『反応する故』に動けない。肉体を貫くことなく、牽制のために射られた矢は『動かなければ当たらない』もの。『肉体を射抜く矢を避ける』加護であるからこそ、肉体は『最善の回避』行動を取る。
「っぐ、あ゛あぁあああ!!」
だだだんっ、と凄まじい音を立て突き刺さった矢から雷が噴出する。結界のように己を囲み撃ち込まれた矢に込められていた魔力が思考を白く染め上げた。全身を苛む電流に肉体を動かす信号が乱れ体が言うことを聞かない。ぱりぱり、と未だ花弁を咲かせる矢による雷撃は終わったものの、スタン状態にされた肉体はまるで動きそうにない。
それでも、白い花光の迸る先、なんとか開いた瞳に赤い影が広がった。
射手を超える長さを持ち上下の比率が偏った奇異ともいえる弓の形状。その射形は独特にして世界広しといえど唯一の物。彼にとっては、おそらく最も馴染みの深い形を持つそれは起源ともいえる生まれ故郷に伝わる武具『和弓』という。
構えていた弓をそっと手放す姿が写る。
大地に突き刺さった刀を構え、無防備に向けられた背。きらきらと咲き乱れる白雷の花を纏う刀身。
「……これで終わりだ、キャスター」
いま、彼の手に握られた『それ』は、
「―――牛王招雷、」
彼の持つ彼だけが可能とする特異な魔術。あらゆる剣を己の内に貯蔵し具現する力。
投影により形作られた『贋作』の宝具による真名解放。発動者は正しい持ち主ではなく召喚された武具もまた本来の数には足りていない。
それでも、痛いほどに空間を焼き爆ぜる雷の魔力は『本物』だ。あれは広範囲殲滅用の、まさしく焼き払うことに特化した宝具。
「―――天綱恢々!!!」
……お手上げだな、こりゃあ。
先ほどの雷とは比べ物にならない閃光に、せめてもと瞳を閉じた。
* * * * *
「もう。二人とも暴れすぎ。シュミレーションルームの人から異常な魔力反応が出てるって緊急連絡入った時はびっくりしたんだからね」
「すまなかったマスター。令呪まで使わせてしまって」
「もう日付変わるところだったしそれは別にいいんだけど」
「……それもどうかと思うが」
「いいの!なんか使っとかないと勿体ないし!」
「勿体ないは大事な感性だが貴重な令呪をそんなお手軽感覚でほいほいと……!」
「ああ~~~~~もうエミヤうるさい!!そんなにおっきい声出したらキャスターが、」
「俺が?」
「え?」
「あ、」
頭の上で説教垂れる低い声ときゃんきゃん喚くお嬢ちゃんの声で落ちていた意識はすっかり覚醒していた。
「キャスター」
「目が覚めたんだな。……気分は落ち着いたかね?」
「……あぁ。まあな」
がしりと前髪を掻き上げながらゆっくりと視線を巡らす。白い天井に白い壁。考えるまでもなくここは医務室でベッドに伏していた俺の横には赤を脱ぎ捨て前髪を下ろした弓兵と橙色のマスターの姿。備え付けの丸椅子に腰かけた二人が揃ってこちらを見下ろしていた。
「ったく、マスターの助っ人たぁ反則だろうがこの野郎」
まず一言文句を言わずにはいられなかった。じとり、と目を眇め銀色と、それに加担した琥珀色を睨み付ける。
険を隠さぬ己の視線を遮るように弓兵が体を前に出し、ついでに鼻で笑い飛ばす。
「ふん。最初に喧嘩を売ってきたのは君だろう。一切ルールも決めずに始めたのだから、何をしたところで反則扱いにはなるまい」
「一対一のタイマン勝負に他所の手ぇ入れるか普通」
「肉弾戦を喜々としてふっかけてくる後衛職に普通を説かれるとは」
「弓兵のサーヴァントの癖してほとんど弓使わない手前ェに言われたかねえぞおい」
「まあ、電気とか飛ばす人もいるし、そこんところはよくわかんないよねー」
売り言葉に買い言葉。いつもの口喧嘩がヒートアップしそうになったところでマスターの最もな意見が会話を切った。確かに可笑しな話だが、弓を使わず宝具級の武器を投げつけてくる弓兵がいれば、謎の未確認飛行物体を宝具に持つ魔術師のサーヴァントもいるのだから本格的に意味がわからない。
上がりかけたテンションが急激に下がる。戦闘シュミレーション上とはいえ実際に戦闘を行って消滅寸前まで霊基を削られ肉体的にも叩きのめされ意識を失い……。頭は冷えたがまだ納得はいっていない。というよりも、まったく自分は関係ありません、みたいな顔をしてるコイツの態度が気に入らない。
ぎゅう、と拳を握ればそれなりに体力は回復しているようだった。首元にわだかまる髪を纏めて横に流しながらきょとん、としている男へとぐっと顔を近づける。鼻先が触れ合いそうな距離に、はくりと息を吸って、
「キャスター……」
「っ結局、君はいったい何が気に食わなかったんだ!?」
……このタイミングでそれを聞くか。
口づけようとした途端、後頭部を褐色の手に押さえつけられて沈まされた。頭上で呆れたようなマスターの声が聞こえる。半端に体を起こしていた状態から上半身だけ横向きに、ベッド横に座っていた男の膝に顔面を埋めるこの体勢は腰が痛い。あと首。
ぐぐぐ、と対抗し顔を上げようとすれば今度は両手で抑えつけられる。鍛え上げられた太ももに押し付けられながら抵抗することを諦めて、少しでも息のしやすい姿勢を探し首を回せば首を赤く染めた男と目が合う。照れ隠しにしてはちょっと痛い。
わたしと彼女には尋ねる権利があると思うが!慌てて言い繕う弓兵が視線を逸らし、ばちりと目が合ったマスターがドヤ顔して頷くのに我が意を得たりと同じ仕草をしてみせた。くそかわいいかよ畜生。いくつもいかない嬢ちゃんと同じ動作してる自覚あんのかこの、このっ……!
一人よくわからないことに打ち震える青い魔術師に当の二人は顔を見合わせた。
「はぁ……。ま、当事者も揃ってるし丁度いいさね」
「ん?もしかしてわたし数に入ってる?」
「あぁ。マスターあんたもだ」
一通り己の内を渦巻く何かを抑え込んだところで顔を上げれば今度は押さえられなかった。ごくり、と唾を飲みこんだマスターを横目に弓兵へ視線を向ける。安穏とした空気に流されそうになったが、根っこに燻る懐疑の火はいまだ消えていない。
「……さっきキスした時、」
「っはぁ!?ちょ、おい貴様!!」
「いいから黙って聞いてろ」
「っぐ、」
漏れ出した殺気に弓兵が唇を噛んで黙る。ここで止めては話が進まないとわかったからだろう。すん、と吸い込んだ空気からはやはり、あの時感じたものと同じ、甘い匂いが漂っていた。
「てめェの唇から俺の知らない匂いを感じた。しかもマスターの魔力込みでな。……どういうことか説明してもらおうか」
抑えきれない殺気がぶわり、と髪を揺らした。向ける先は己の恋人と、不貞を敷いたその相手。
しん、と静まった部屋に重苦しい沈黙が、
「…………………………………………はぁ?」
「あぁ!なんだ!」
―――続かなかった。
椅子を蹴る勢いで立ち上がったマスターがぱん、と勢いよく手を叩き拳を握る。
「安心してキャスター!!エミヤは浮気なんかしてないから!それはね、」
「じょ、嬢ちゃん?」
「ほわんほわんほわんえみえみ~~~」
「っちょ、おいマスターなんだそのオノマトペ!!?!」
* * * * *
―――あれ?エミヤ唇荒れてるじゃん。
―――ん?ああ。この程度別に気にもならないよ。
―――じゃーん!これ!メディア特性のリップー!
―――ほう?
―――ちょっとつけただけでしっとりぷるるん魅惑の唇に!飲み食いしてもぜんぜん落ちないんだよ!
―――それはそれは。
―――すごいでしょ!だからほら!エミヤも使ってみてー!!
―――は?いや、マスターわたしは……。
―――これリップバームだからさ!色とかもないし、保湿用だから無色透明のただの軟膏みたいなの!男の人が付けても問題ないって!
―――しかし女性が使ったものを貰うなど……。
―――丁度新しいのもらったばっかりだったんだ。わたしはまたあとでメディアにもらえばいいし。これはエミヤが使ってちょうだい!
―――マスター聞いてくれ。わたしには必要な、
―――えー……。仕方ない、これは最後の手段だけど、『令呪を持っ』
―――待て待て待て!わかった貰う!だからそんなことに令呪を使ってはいけません!!!……有難く頂戴するよ。ありがとうマスター。
―――エミヤならわかってくれると思ってた。もし気に入ったら一緒にメディアのところに行こう!中に混ぜるはちみつとかいろんな種類があるんだよ!
―――……今度彼女には焼き菓子を作ってお礼にいくとしよう。勿論君の分もな。マスターも一緒に来てくれるかね?
―――わーい!エミヤのお菓子大好き!!
* * * * *
「~~~ってことがあったんだ」
謎の効果音(自作)と共に脳裏に流れ込んできた映像は驚くほど鮮明で臨場感があった。パスを介した記憶の流入なのか、いや待て視点が明らかに第三者的だったとか、そんなことはどうでもよくて、
「……………………はぁああぁああああああ?」
「そんなことでわざわざ噛みついてきたのか君は……」
「お、俺の勘違いだった、って、こと、か……」
あ゛――――――――――――――っっっ!!!!!!!!
声にならない悲鳴が木霊する。なんてったって、自分がすべて悪い。彼はまったく悪くない。どころか、何のやましいこともないのに疑われ、襲われ、マスターが手を出さなければあのまま……。
頭を抱えながらごろごろ転げまわって泣きわめきたい。ほんと、ほんとに。恥ずかしくて涙が出そう。誰か森の賢者だ。導き役のドルイドだ。勝手に勘違いして、癇癪起こして、あそこで状況が傾かなければ、……血が上りきっていたあの時の自分は、彼を、エミヤを閉じ込めてしまおうとした。
「まあ勘違いって誰にでもあるよ」
むしろごめんね?慰めを口にするマスターの気づかいが逆に心に突き刺さる。年端もいかない、いまだ少女の域を出ない娘にそんなことを言わせるなんて、なんて。……なんて情けない。ずっぷりと悲嘆と後悔に暮れればおろおろと困惑するマスターの気配が漂ってきて。
再び男の固い膝枕に、今度は自分自身が望んで押し付けているそこから本格的に顔が上がらない。
「マスター」
「あ、頼光ママ」
「いつまでもお部屋にお戻りにならないのでお迎え上がりました。……母は寂しゅうございます」
ちらと窺った視線の先、よよよ、と開けっ放しのドアにもたれるようにして現れたのは純和風の美人妻。己をこんがり焼いてとどめを刺してくれた宝具の真の持ち主だった。
「貴女にも迷惑を掛けてしまった」
「いいえ。マスターと一緒に戦うあなた方を見たときは驚きましたが、わたくしの武器を他人が使うなんて貴重なものが見られるなんて。感謝しておりますよ」
「わたしでは貴女の実力にはとても及ばない。お見苦しいものを見せてしまった」
「エミヤ殿の雷花はまるで雪のようで。……とても美しいものでしたわ」
「ほんとほんと!きれいだった!」
さらりと背筋を伸ばし立ち上がった女性がうっとりと微笑みながら艶やかな笑みを浮かべるのに、うんうんとマスターが首を振る。
ストレートな賛辞の言葉に彼は、きっと今までの彼であれば言葉に詰まるか、咄嗟に話題を変えただろう。
しかし、
「……ありがとう」
ふわり、と。蕾がほどけて花開くような、そんな笑みを浮かべて見せたのだ。
「キャスターもちゃんと目が覚めたし、お迎え来たからわたしはそろそろ行くね」
「わざわざすまなかった」
「いいえエミヤ殿。共に食事処を守る仲ですから。お気になさらないでくださいませ」
後ろ髪を引かれることもなく、軽快に立ち上がったマスターが腕に源頼光をくっつけて去っていく。……そうか、そういえばこの弓兵と丑御前はキッチン同盟か。この堅物で頭でっかちで悲観主義な面倒くさい男が信じられないほど吹っ切れてカルデア生活を楽しむ要素の大部分を占める『過保護』関係の仲間内だ。同じ国の出身。共に扱う得物は刀剣となれば、締めの大技で武器を借りたりもするよなぁ。
なんて、急に静かになった部屋でぼんやりと考えて(現実逃避)いれば、そっと頭を撫でる手があった。
その手の持ち主はもちろん、一人しかいない。
「……悪かった」
「本当にな」
「すまない」
「ああ」
「エミヤ」
「なんだ」
「…………好きだ」
ごろり、と転がって真上を向いた瞬間、視界が覆い隠されて唇に何かが触れる。
すぐに光を取り戻した視界に写る、灰銀の光。
「わたしは君以外の誰かと、口づけなど……。考えたこともないのだが」
―――もう少しわたしを信じてくれてもいいんじゃないか。
「~~~~エミヤ!!!!」
「わぁああっ!?!ばか、こんなところでっんん!」