《鳥取県知事の発言が騒動に》「おばさん」と呼ぶことが“大罪”になったのはなぜか? 背景にある“おじさん社会”の呪縛
「おばさん呼ばわり」をここまでの大罪にしてしまったのは誰か?
平井知事の「おばさん発言」は、なぜこれほどの騒動になってしまったのか。なぜ「女性蔑視」と言われなければならないのか。年齢的には十分に有資格者である女性を「おばさん呼ばわり」することが、なぜ大罪になってしまったのか。 これまでの日本社会の状況と照らし合わせると、いろんな仮説が成り立ちます。日本では若い女性がチヤホヤされる傾向があり、年齢を重ねた「おばさん」は、女性として価値がないと扱われた。そんな「おじさん社会」の中で、年齢を重ねた女性は理不尽に貶められ、悔しい思いや悲しい思いをたくさんしてきた。 「女性にとって若さは最大の価値」という考え方は、女性自身の意識にも深く根を張っていて、「おばさん」という言葉は侮辱にしか聞こえない。男女ともにそんな共通認識を抱いている中で、男性(時に若い女性)が、年齢を重ねた女性を「おばさん呼ばわり」するときは、あざけりやからかいといったマイナスの意味が込められている。 といった感じでしょうか。そりゃ、女性が「おばさん呼ばわり」を不愉快に感じるのは仕方ありません。いくら「本来は悪い意味ではない」と言ったところで、言われた側が悪意やマイナスの意味を読み取りたくなるのは無理もないし、言った側が無意識のうちに(時にはわざと)悪意やマイナスの意味を込めている場合も多々あります。 しかし、このままでいいのでしょうか。「おばさん」という単語にナーバスになってしまうのは、言われたくない女性の側も口にできない男性の側も、旧来の「おじさん社会」の呪縛から逃れられていないからと言えます。「おばさん」を禁句にし続けることは、今を生きる私たちが心を自由に羽ばたかせる上で足枷になっているとも言えます。
意識をアップデートするために積極的に「おばさん」を使う?
どうやら、「おばさん」と言われたくない気持ちや、「おばさん」と言うのが怖いという気持ちと、あらためて向き合ってみる必要がありそうです。あえて流行りの言葉を使いますが、自分の中の「おばさん」という言葉に対する意識をアップデートしましょう。 まずは何ができるか。男性としては、積極的に「おばさん」という言葉を使いたいところ。会社帰りにベテラン同士で飲みに行くときは「よし、今日はおじさんとおばさんで繰り出すか」と言ったり、仕事ぶりをホメるときは「さすが、おばさんパワーはすごいね」と言ったり……。かなり勇気がいりますが、がんばりたいところです。 女性の側としては、「おばさん」と言われたらカチンと来るかもしれません。しかし「これは蔑称ではない」と気持ちを落ち着かせつつ、「日本社会が新しい第一歩を踏み出すためには、痛みを伴う意識改革が必要なのである」と自分に言い聞かせましょう。やがて「年齢や経験を重ねていることを評価した上での尊称なんだ」と思えてくるはずです。 地道に修練を重ねれば、男性はいつの日か毒蝮三太夫さんのように、初対面の相手に「ジジイ、ババア」と言っても、怒られるどころか喜ばれる極意を身に付けられるかもしれません。女性は女性で、自分を縛り付けている重い鎧を脱ぎ捨てて、毒蝮さんに「ババア」と言われて大笑いできる「幸せな境地」にたどり着けるでしょう。 強引に聞こえそうですが、男性も女性も自分の価値観を根底から揺さぶるのは簡単ではありません。多少の痛みや軋轢も付きものです。千里の道も一歩から。まずは、職場でも家庭内でもいいので、身近な中年女性に「おばさん」と呼びかけることから始めましょう。 ただ、私が実践するのは、世の中の意識が大きく変わってからにします。そんな調子ですので、困った事態が起きたとしても、当方は一切の責任は負いません。あしからず。
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