沖縄県民を「先住民族」と位置付ける国連勧告の撤回を求める保守系民間団体「国際歴史論戦研究所」は、スイス・ジュネーブで3月31日まで開かれた国連人権理事会で、同研究所上席研究員の仲村覚氏と、前県議の座波一氏が反論スピーチした様子をホームページ上で公開した。沖縄に「帰属問題」が存在するかのようなプロパガンダ(政治宣伝)に対抗する狙いがある。
国連の人種差別撤廃委員会などは2008年以降、「琉球独立論者」らの主張を聞き入れる形で「沖縄の人々を先住民族として認めよ」などとの勧告を6回出している。
「分断工作」
座波氏は3月16日、人権理事会に登壇。沖縄の現状について「住民の大多数は、国連が沖縄について『先住民族の勧告』を6回出している事実を全く知らない」と紹介し、「沖縄の人々の99%は、自分たちを誇り高く日本人だと認識している」と訴えた。
勧告の背景については「日本の弱体化を企てる外国勢力によって影響を受け、操作された特定の勢力によって行われている分断工作だ」と指摘。「国連やマスメディアがその手段として利用されているのではないか」と懸念し、人権理事会側には背景調査を訴えた。
「重大な事実誤認」
仲村氏は18日に登壇し、「沖縄の人々を『先住民族』と定義することは、重大な事実誤認だ」と苦言を呈した。勧告に至る仕組みについて、「少数の活動家の声を優先し、沖縄県民の99・9%の声が聞き届けられていない可能性がある」と問題視した。
日本が主権を回復した1952年発効のサンフランシスコ講和条約の締結前、沖縄から本土復帰を求める署名23万人分が首相官邸に届けられている。
当時の沖縄の成人人口の8割以上に当たり、仲村氏は「われわれの先人は日本人であることを選択した。自己決定によって、日本人としてのアイデンティティーを確認した」と述べ、こう非難した。
「深い民主的行為で日本人としての権利を確立した人々に対し、国連機関が異なる地位を示唆するのは、納得しがたい」
(奥原慎平)