福岡県民が「屋台に行かない」本当の理由 290円ラーメン、うどん文化…“食の街”ジモト民の「常識」は観光客とまったく違う
ある町を観光で訪れたとき、地元の人にとっては「当たり前」のことが、自分には驚きだった……という経験はないだろうか。「ジモトのアタリマエ」では、そんな地元民ならではの「価値観」や「街歩きの知恵」にスポットを当て、その土地の本当の楽しみ方を提案する。第2回は福岡。 福岡市内に約20年、北九州市の小倉に約15年。なんだかんだ人生の大半を福岡県内で過ごしてきた筆者が、観光客に伝えたい地元民の声を前後編でお届けする。まずは前編「福岡の食」について。 【写真を見る】津田屋官兵衛の「野菜天ぶっかけ」。サクサクでボリュームのある天ぷらも魅力(写真:筆者撮影)
【後編はこちら】 「観光名所がない」と地元民が断言する福岡市。それでも「住みたい街」1位に選ばれ続けるコンパクトシティの実力を明かす ■地元民が言われて困るリクエストは「屋台に行きたい」 県外からの友人・知人が福岡に訪れた際、「食事に行きましょう!」と声をかけてもらえるのはうれしいものだ。お気に入りの店リストを頭の中で展開させるのは、楽しみでもある。 もちろん、「何か食べたいものや、行きたいところはある?」と聞くのも欠かさない。しかし、その際に言われて困るリクエストが「屋台に行ってみたい!」だ。
もう、これが断トツに困る。なぜなら、地元民で屋台に行く人はほとんどいないからだ。特に、中洲の屋台街に行かない・行ったことがない人は少なくない。理由は単純明快。「わざわざ屋台に行くメリットがない」のだ。 観光客が屋台にどのようなイメージを持っているかわからないが、そもそも屋台は別に安いわけではない。そして、壁や空調がないので夏は暑いし、冬は寒い。備え付けのトイレもないので、公衆トイレを使用することになる。
予約もできないから、人気店には並ばざるを得ない。快適な環境で食事やお酒を楽しめるお店がいくらでもある福岡で、あえて屋台を選ぶ必然性はないのだ。 もちろん、地元民が一切屋台に行かないわけではない。ただ、行くとしたら、観光地化して大行列の中洲屋台街ではなく、長浜や天神北、須崎町エリアなど、他のエリアを選ぶ。 筆者もまれに、飲み会の帰りにどこかに立ち寄りたくても店舗が軒並みオーダーストップしてしまった時や、帰りのバスの待ち時間に天神の渡辺通に出ている屋台に立ち寄ることはある。「会社の近くに出ている屋台に同僚と行って、ぱっと食べてさっと帰る」という人もいた。だから、もし屋台を体験したいなら、「2次会がてら、中洲以外の屋台に立ち寄ってみる」がおすすめかもしれない。