12歳の女の子が、3時間半にわたって密室で一人、警察官に詰め続けられた。「覚えていないはずがない」「お母さん泣いてたよ」。帰りたくても帰してもらえない中で、少女は最終的に「触った」と紙に書かされ、指印まで押した。
後に判明したのは、被害申告そのものが虚偽だったという事実です。警察の追及が、無実の12歳から架空の自白を引き出したことになります。
ここに見過ごせない矛盾があります。国家公安委員会の規則は、14歳未満の少年少女について「精神的に未成熟で迎合する傾向にある」として、長時間の質問を明確に禁じています。その規則を定めた側が、規則がなぜ必要かを証明するような取り調べを行った。
兵庫県弁護士会は本日、これを人権侵害として県警本部と明石署に警告を発しました。それでも県警は「取り調べ手法に問題はなかった」という立場を崩していません。写真の無断撮影という内規違反は認めながら、最も核心となる部分は「回答を控える」。
少女は後に袴田事件の報道を見て、こう語ったといいます。「やっていないのにやったと言ってしまう気持ちがよくわかる。3時間だけでも苦しかったから」。
子どもには大人のような耐性はありません。権力を持つ大人に囲まれた密室で「帰りたい」という本能が、やがて「早く終わらせたい」という諦めに変わる。そのメカニズムを見越した追及であれば、供述の信用性は根底から崩れます。
今回の警告で何が変わるのか。それとも「指導した」「再発防止を徹底した」という言葉だけで幕が引かれるのか、注目したいところです。