優生保護法(1948~96年)下で障害者らが不妊手術や中絶を強いられた問題で、全国の医療機関と福祉施設が保有する個人記録について、国が本格調査に乗り出すことが31日、こども家庭庁への取材で分かった。政府が都道府県を介して個人記録の調査を医療機関と福祉施設に依頼、記録が見つかった場合は被害者に補償金申請を勧めるよう都道府県に求める。補償金申請件数が低迷する中、増加につながるかが注目される。


 国は8年前にも都道府県を介して全国の医療機関と福祉施設を対象に個人記録の保有状況を調査したが、回答は任意で、記録の掘り起こしも求めなかった。その結果、保有すると回答したのは全体の0・16%にとどまり、記録の内容も報告の必要がなかった。


 昨年1月に強制不妊手術と中絶の補償法が施行されたが、補償金を支給された被害者は今年2月時点でわずか2%。申請件数も最近は減少傾向にある。原因として、医療機関や福祉施設が保管しているカルテやケース記録の調査がほぼ手つかずなため、自身が被害に遭ったことに気づいていない被害者の特定作業が進んでいない点が指摘されてきた。国家賠償訴訟の全国原告団や支援者は、医療機関と福祉施設の個人記録を基に被害者を特定し、補償につなげるべきだと政府に要望していた。