目を覚ましたマスター候補生達が藤丸立香を追い出そうとする話。
この作品が2024/04/24の[小説] 男性に人気ランキング77位に入りました。初めての作品なのにたくさんの方にみていただけてめちゃくちゃ嬉しいです!今後の作品も楽しんでいただけるようがんばります!
初投稿です。誤字脱字あるかもしれません。前々から二次創作を読みあさっていて興味があったので書いてみました。ゲームストーリーはまだ一部五章まだしか進んでいません。今後は自分のペースで色々書いていくつもりです。よろしくお願いします。
- 893
- 1,307
- 26,804
ある日、カルデアのマスター藤丸立香に一通の手紙が届いた。手紙の封止めに使われている蝋はところどころが黄金であしらわれており、見覚えのあるクリスタルのようなシンボルが描かれている。差出人は——魔術協会。協会からの手紙がカルデアに届くのはそれほど珍しいことでもないが、立香個人となると話は別だ。今までそんなことは一度もなかった。家柄や血筋を重んじている彼らにとって人類の存続がかかったマスターという立場に一般人である立香がいることが気に食わなかったのだろう。そんな相手から個人への手紙となると何かしらの面倒事な気がするが…立場上無視はできない。立香は警戒しながら封を開けた—————
会議室で、サーヴァント達がダ・ヴィンチちゃんの話に耳を傾けている。
「———ということだ。そしてそれに選ばれたのが君たちってわけさ。」
今説明されたのは先日届いた手紙の事だ。要約すると、「今まで眠っていたマスター候補生達が次々と目を覚ましている。マスターとしての経験を彼らに積ませるためにこちらが指定するサーヴァント達と仮契約を結ばせ、レイシフトに同行させろ。」とのことだった。立香は手紙を読んだ時、真っ先に候補生達の心配をした。
「ふはははははははははは!面白い冗談だ。今まで雑種に責務を押し付けて眠りこけていた有象無象に従えと?」
「絶対嫌よ、嫌。なんで初めましてのやつと契約しなきゃいけないの?絶対お断りです。」
「…へぇ」
(やっぱりそうなるよね!!!)
こうなることが目に見えていたからだ。各々が苛立ちの感情を露わにし、中には宝具を展開して物騒なことを言い始める者もいる。
それもそのはず、現在カルデアには100どころではない数のサーヴァントがいるが、その大半は立香に惚れ込み一緒にいたいからという理由で留まっているに過ぎない。本来人間に従うようなタマではない、ということだ。その上あちらが指名してきたサーヴァントはギルガメッシュにジャンヌオルタ、メリュジーヌなど、強力な反面特に性格に癖がある面々ばかり。仮に契約が結ばれたとしても、今のままではマスター候補生が彼らに殺されないか心配なくらいだ。
「皆、急にこんなことを言われても納得できない気持ちはすごくよくわかるがここはどうか呑んでほしい。今協会に支援をやめられては困るんだ。上層部の連中を納得させるにはこの要求は受け入れるしかない。何より今回の件を断ると一番割を喰うのは藤丸くんだ。それは君たちも望んでいないだろう?」
ダ・ヴィンチちゃんの一言に、サーヴァント達は黙り込んだ。絆レベル120(自称)の彼らにとって、立香に嫌な思いをさせるのは何よりも避けなければいけないことだ。だが立香以外と契約を結びたくはない…しばしの沈黙の後に彼らが出した結論は、『2週間の仮契約』。この2週間とは彼らが立香以外と契約をしていてもギリギリ正気を保っていられるであろう期間。彼らなりの最大限の譲歩だった。
「みんな、本当にありがとう!俺にできることがあったらなんでもするから、仮契約の間は候補生のみんなと仲良くしてあげてね!」
そう言った後、立香は「疲れているだろうからゆっくり休むように」とダ・ヴィンチちゃんに背中を押され部屋から追い出された。
それからおよそ一ヶ月が経ち、候補生がくる日が来た。数は20人。エントランスでダ・ヴィンチちゃんと出迎えると、代表と思わしき金髪のマッシュの男が前に出てきた。
「これはこれは。お出迎えありがとうございます、人類最後のマスター様。私の名前はガレリア。短い付き合いになるでしょうが、仲良くしましょうね?」
「そんなに畏まらなくてもいいのに。こちらこそよろしくね。」
挨拶をしただけなのに候補生のうち3人くらいに睨まれた。仲良くするのは難しそうかなぁ…
「カルデアへようこそ、マスター候補生の諸君。私はレオナルド・ダ・ヴィンチ。着いたばかりで悪いがまずは君たちの部屋を案内するからついてきて。各自部屋に荷物を置いたらそれぞれの契約するサーヴァントと顔合わせをしてもらうからね。」
ダ・ヴィンチちゃんの言葉を聞いて候補生たちの気分は見るからに高揚していた。事前にどのサーヴァントが契約対象か聞いていたのだろうか。今回彼らと契約するのは特に有名な英雄ばかりだ。そんな彼らと契約できるとなると高揚してしまうのも無理はないだろう。
候補生達と別れると後ろから不意に声がした。
「立香、全員揃ったぞ。」
「うん、ありがとうエドモン。今行くからみんなに伝えておいて。」
「ああ。急げよ。待ちきれずに暴れそうな奴が何人かいる。」
「はは…すぐ行くよ。」
会議室に着くと真っ先にベディヴィエールに声をかけられた。
「お出迎えお疲れ様でした、マスター。」
「ありがとう、ベディヴィエール。もうすぐ顔合わせだけど皆調子はどう?緊張とかしてない?」
「はっ、たった2週間戯れで面倒を見てやるだけの奴等になぜ我等が身構えねばならんのだ。少しでも礼節を欠いた様子を見せれば八つ裂きにしてくれるわ。そんなことより雑種、こっちに来い。茶会の用意は出来ている。」
「ダメじゃないかギル。僕らからしたらゴミのような存在でも教会の奴らからしたら大切な駒なんだ。虫程度には大切にしてあげなきゃ。あ、でもマスターが望むなら別だから。殺したくなったらいつでも言ってね?」
(やっぱりそうなるよなぁ…)
普段は温厚で王様のストッパーになってくれているエルキドゥも言葉に苛立ちを隠そうとしていない。用意されてた席に座って周りを見ても、皆似たような感じだった。少しでも候補生達に少しでも興味を持ってくれれば仲良くなれるかもしれないけど…
「で、できるだけ候補生の子たちと仲良くしてね!最悪表面上だけでもいいから!」
もはやヤケクソ気味でお願いすると「はーい」とやる気のない返事が多方面から聞こえてきた。ほんとに大丈夫か心配になるが、ここまできたら今心配しても仕方ないだろう。
「そんなことより立香、母が茶を淹れてきましたよ。」
「そんなのいいから早くお菓子食べよ?ほら、このおまんじゅう美味しいよ。」
「そんなのって…」
候補生たちの動きは今後のカルデアにもかなり大きな影響があるんだけどなあと思いつつ、頼光さんにお礼を伝えて膝の上にメリュジーヌを抱えながらみんなとのお茶会を楽しんだ。
あ、このおまんじゅうおいしっ
好きだぜ