待て、しかして希望せよ
ここからサーヴァントを出すのであれば彼しかいないだろうな、と。
我がカルデアに彼はいませんので原作、および二次創作からしかネタが分からない…
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深い
深い深い
深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い深い
とても深くて冷たい場所。
ここが、これこそが『地獄なのではないか』と錯覚するような冷たさ。
トラックによって肉塊となった筈の肉体が暖かくような冷たさを感じている。
聖杯探索と特異点修復こそ、カルデアに残された唯一のマスターだった自分にできる事だった。
だがそれは知らぬ者からすればエゴそのものだったのだろう。
聖杯を回収するという事は『願望実現器を私利私欲のために集める』という事と変わらず、特異点を修復するという事は『世界と人理を救うという大挙と名誉を我が物にする』という事と変わらない。
自分には聖杯に願う望みなどほ無い。
特異点を修復するという事に名誉など感じた事はない。
ただ『生きたい』
ただ『消えたくない』
そして『大切な後輩の未来を消したくない』
それだけを考えて一年を生き延びた。
神はそれをエゴと言うのだろうか。
それは『願ってはいけない事』なのだろうか。
だがどう考えても結末はこの有様だ。
生きるために、消えないために、後輩の未来のために。死に物狂いで頑張ってきた末が無様に思える。
そう、今の自分には『己の愚かさを嗤う』事しか出来ないのだから。
「かはっ!?」
冷たい『ナニカ』の中にいた筈の体に痛みが走る。
否、痛みだけではない。
窒息感や頭痛、なぜか不安定になっている体の状態からあらゆる苦痛が押し寄せてきた。
(なんだ!?死んだ筈なのに『痛み』を感じる!?なぜ?『なぜ首を絞められている痛みを感じる!?』)
状況を確認しなければならない。
だがこの痛みがそれを許さない。
『まるで死ぬような窒息感』
(落ち着け!目を開け!呼吸ができなくても出来ることを探せ!)
目を開く。
少しだけ狭く感じる小汚い部屋。
辺りには生活感を感じさせるゴミが散乱している。
だがそれ以上に目を惹く物。
蹴られたように転がっている椅子、そして黒魔術のような小道具の数々。
それと自分の現状が状況を物語る。
(……自殺だ。これは『首吊り自殺』だ!)
なぜかは分からない。
分かるのは『死んだ筈の自分はどこかの部屋で首吊り自殺をしている』事だった。
現状を把握してすぐに首元にある『締め付けている物』を解こうと暴れる。
(くそ!解けろ解けろ解けろ!)
声すら出ない状況。
どれだけ足掻こうと自分自身の体重が首元の締め付けを堅くしていく。
絶対絶対、それが今の状況にふさわしい言葉だった。
(……駄目だ。もう、意識が、、、絶)
願わくは、もう一度誰かと話しを。
そう最後に想い、つかの間の命を終える『筈だった』。
『クハハハハ!『俺』を呼んだな!』
意識が途絶える寸前。
突然、誰もいない筈の部屋の中に『高笑い』と黒い突風』が充満する。
「俺を呼んでおいて先に逝くか!許さん、許さんぞ!」
そう言うと高笑いの主は顔を隠したまま高速で飛来し、『締め付けている物』を切り離した。
「っ……!」
それなりに高い場所から急に落とされた俺は声にならない小さな悲鳴を零して尻餅をついてしまった。
だがそれで済んだのは幸いだったのだろう。なにしろ『死ぬ寸前だったところを助けられたのだから』
。
「我が名は『巌窟王』!俺を呼んだな?契約者よ!」
懐かしい声。久々に聞いた高笑い。怒りと憎しみで歪められた微笑み。
死んで地獄の冷たさに身を包む筈だった俺は、生きて温かな恩讐の炎に包まれた。
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- 芥川うなAugust 27, 2025