Jelly Troopsでピクミンの対戦をどう進化させたか
ピクミン2の対戦が好きだった理由
かれこれ4年前、自分のブログで「なぜピクミン2の対戦が好きなのか」という記事を書きました。
https://dancingprogrammer.blogspot.com/2021/11/2.html
当時は、まさか自分がピクミン2ライクなゲームを作ることになるとは思っていませんでした。
今回は、その時に書いた内容と一部重複しますが、改めて「なぜ自分がピクミン2の対戦が好きなのか」、そして「Jelly Troopsではそれをどう進化させているのか」について書いてみたいと思います。
RTSの欠点
『Age of Empires』のような一般的なRTSでは、基本的に勝利条件は「相手をボロボロにすること」です。
つまり、相手の生産力を削ぐことがそのまま勝利に直結し、時間が経つほどにその差は広がっていきます。
このように、生産力と勝利が密接に結びついているのが特徴です。
また、RTSは典型的な「拡大再生産」の構造になっており、序盤で生産性に差がつくと、その差は加速度的に広がっていきます。
特に1対1の対戦では逆転が非常に難しく、序盤で劣勢になると、その後の30分〜1時間がただただ苦しい時間になることも少なくありません。
Pikminの対戦が面白い理由
一方、ピクミンの対戦は少し毛色が違います。
生産力(ピクミン数)と勝利点(運んだビー玉数など)が明確に分離されており、しかもピクミン数は時間経過で自然に復活します。
そのため、たとえ一時的にピクミンを失っても立て直しがしやすく、『Age of Empires』のように「一方的にやられる」展開になりにくいという特徴があります。
Pikmin対戦の敷居の高さ
ただし、ピクミンの対戦にも欠点があります。それが「敷居の高さ」です。
ピクミンの操作は簡単とは言えず、カメラ操作・ピクミンを投げる・集合・隊列攻撃・アイテム使用など、多くのボタン操作を求められます。
さらに、たくさん登場する原生生物の特性も覚えないといけないため、初心者にとってはかなりハードルが高いです。
結果として、対戦相手を見つけるのが難しいという問題もありました。
Jelly Troopsでのアプローチ
Jelly Troopsでは、この「敷居の高さ」を下げるために、いくつかの大胆な変更を加えました。
まず、カメラ操作を完全に廃止しました。
これは、3D空間で迷子になりやすいという課題への対策でもあります。
また、隊列攻撃も削除し、スライムを投げられるのは「オブジェクトにポインターが当たっているとき」のみに限定。
この仕様変更によって、操作難易度を大きく下げることができました。
オンライン対戦によるステルス性の強化
ピクミンの対戦では、画面分割の仕様上どうしても相手の行動が見えてしまう、という問題がありました。
特に熟練者同士の対戦では、相手の画面をチラ見して状況を把握するのが前提になっていたりもします。
Jelly Troopsではオンライン対戦を導入したことで、
「いつの間にか取られてた!」「そんなところにいたの!?」といったステルス的な瞬間が、より自然に頻発するようになりました。
時間制限でストレスを最小限に
さらに、1試合あたり5分という時間制限を設けています。
これにより、たとえ大差で負けていても、長時間ストレスを感じ続けることがありません。
サクッと終わって、気軽にもう1試合プレイできるテンポ感を重視しています。
壁による戦術性の追加
Jelly Troopsの特徴としてもうひとつ大きいのが「壁」の存在です。
小部屋の境界にスライムを投げることで壁を生成でき、
これによって敵の侵入を妨害したり、旗(勝利点)の運搬ルートをコントロールしたりすることが可能になります。
うまく壁を使えば、敵が「自分の陣地に運んでいる」と思っていた旗が、実は逆方向に誘導されていた――
なんてことも起こるようになっています。
学習コストの低減
また、敵(ピクミンでいう原生生物)はあえて1種類のみに絞っており、基本的には倒せないようにしています(魔法を使うことで一応倒すことは可能)。
これは、プレイヤーが覚えることを最小限にし、学習コストを下げるための意図的な設計です。
最後に
ピクミンの対戦とJelly Troopsの違いは、ほかにもたくさんあります。
そのあたりはまた別の機会に書こうと思います。
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