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朝鮮哲学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ソンビ - 朝鮮儒教の理想像、道徳的知識人[1][2]

朝鮮哲学[3][4](ちょうせんてつがく、朝鮮語: 한국철학英語: Korean philosophy)は、朝鮮半島における哲学東洋哲学の一部。類語に朝鮮思想[4]韓国哲学[5]

伝統思想

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朝鮮哲学の歴史は朝鮮神話巫俗(シャーマニズム)にさかのぼる[3][6][7]

朝鮮三国時代から高麗期には、中国から儒教仏教道教が伝来した(朝鮮の儒教朝鮮の仏教道教#韓国)。特に元暁義湘義天知訥らの仏教哲学や、「花郎道」が栄えた[3]

李氏朝鮮では、李滉(李退渓)の四端七情論、李珥(李栗谷)の理通気局説といった朝鮮朱子学のほか、徐敬徳(徐花潭)の気一元論、李瀷(李星湖)や丁若鏞(丁茶山)の実学が起こり[3][8]陽明学[9]清朝考証学[8]西学英語版キリスト教)も受容された[10]朝鮮のキリスト教李氏朝鮮の学問)。李氏朝鮮末期には開化思想東学(天道教)が起こった[3]

中国哲学」や「日本哲学」と同様、伝統思想を西洋由来の「哲学」という言葉で呼んで良いのか、朝鮮に固有の哲学はあるのか、という議論もある[11][12]

近現代

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日本統治時代安浩相ら欧米留学生や京城帝国大学、雑誌『開闢』などを介して西洋哲学が紹介された[13]。(西洋哲学の受容は李氏朝鮮末期の兪吉濬らにさかのぼる[13]。) また高橋亨藤塚鄰阿部吉雄ら日本人朝鮮学者が伝統思想を研究した[14]

戦後韓国の代表的哲学者として朴鍾鴻朝鮮語版が挙げられる[15][16][17]。朴鍾鴻はハイデガー論理実証主義を研究するとともに[18][19]京都学派の影響のもと「韓国哲学」の構築を試みた[15]

韓国語の哲学用語は「哲学」「理性」「存在」など日本と同様の訳語(漢字語)が使われている[20]。一方、柳永模朝鮮語版咸錫憲は日常的な固有語による哲学を試みている[21]

21世紀の韓国には、哲学科のある大学は50校ほどあるが、講義の過半数は西洋哲学であり東洋哲学・韓国哲学は少ない[22]科学哲学からポストモダニズムまで広く研究されている[19][23]

北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)では、チュチェ思想(主体思想)が中核思想であり[24]、チュチェ史観・唯物史観により伝統思想が研究されている[25][26]

関連項目

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脚注

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  1. ^ 金 2008, p. 126;153.
  2. ^ 小倉 2017, p. 416.
  3. ^ a b c d e ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典『朝鮮哲学』 - コトバンク
  4. ^ a b 小倉 2020, p. 223.
  5. ^ 金 2008.
  6. ^ 小倉 2017, p. 43.
  7. ^ 金 2008, p. 20.
  8. ^ a b 小倉 2020, p. 234.
  9. ^ 小倉 2017, p. 208.
  10. ^ 小倉 2017, p. 225.
  11. ^ 金 2008, p. 3.
  12. ^ 朝倉友海『「東アジアに哲学はない」のか 京都学派と新儒家』岩波書店、2014年。ISBN 9784000291378 「はじめに」
  13. ^ a b 姜 2005.
  14. ^ 李 2016, 第2部1-3章.
  15. ^ a b 郭旻錫. “《人物評伝》韓国哲学という未完の夢:朴鍾鴻考|韓国|アジア・マップ Vol.03|アジア・日本研究所|立命館大学”. www.ritsumei.ac.jp. 2026年3月27日閲覧。
  16. ^ 小倉 2017, p. 408.
  17. ^ 金 2008, p. 31.
  18. ^ 崎濱紗奈. “【報告】UIA THE LECTURE 第2回 | ブログ”. 東アジア藝文書院 | 東京大学. 2026年3月27日閲覧。
  19. ^ a b 姜 2005, はじめに.
  20. ^ 姜 2005, p. 178.
  21. ^ 小倉 2017, p. 404-407;417.
  22. ^ 金 2008, p. 17.
  23. ^ ゲンロン編集部. “韓国で現代思想は生きていた(1) 柄谷行人はいかにして韓国の知的スターになったか|安天”. webgenron.com. 2026年3月27日閲覧。
  24. ^ 小倉 2017, p. 334.
  25. ^ 姜 2012, p. 579.
  26. ^ 小倉 2020, p. 235.

参考文献

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関連文献

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  • 李暁辰『京城帝国大学の韓国儒教研究』勉誠出版、2016年。ISBN 978-4-585-21031-3 
  • 金哲央「解放後50年間、朝鮮南北における思想史研究の動向(上)」『東アジア研究』第37号、大阪経済法科大学アジア研究所、2003年。 NAID 40006029816 
  • 小川晴久・張践・金彦鍾編『日中韓思想家ハンドブック 実心実学を築いた99人』勉誠出版、2015年。ISBN 978-4-585-20037-6 
  • 川原秀城『朝鮮朱子学 退渓心学と栗谷道学』東京大学出版会、2024年。ISBN 9784130101592 
  • 中純夫『朝鮮の陽明学 初期江華学派の研究』汲古書院、2013年。ISBN 9784762929946 
  • 宮嶋博史責任編集『原典朝鮮近代思想史 1 伝統思想と近代の黎明――朝鮮王朝』岩波書店、2021年。ISBN 978-4000268158

外部リンク

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