卸業者には「コメ在庫」が山積みに…現実味を帯びる「コメ大暴落」を前に「“5キロ3000円”を切れば離農者が増える」と農家の悲鳴
第1回【コメ最高値から一転、スーパーで「5キロ3000円割れ」も…鈴木農水相「備蓄米の買い戻し」発表に「価格はマーケットの中で決まるのでは?」と疑問の声】からの続き──。日本有数の米どころで兼業農家を営む男性は「私が住む地域の小売店でも、コメ5キロの販売価格は最高値だった時に比べ、2割近く下がっています」と驚く。2割は全国平均の下落率を上回る数字だ。(全2回の第2回) 【写真を見る】「コメは買ったことがありません」「売るほどある、家の食品庫には」…数々の珍発言で国民感情を逆なでし続けた“元農水相”。 先の総選挙では比例復活を果たした。 ***
農林水産省は全国のスーパーでコメ5キロの販売価格を調査しており、昨年12月29日から1月4日の週に平均価格が4416円に達した。 だが、その後は下落に転じて3月16日から22日の週には3978円と4000円台を割った。下落率を計算すると約9・92%になるため、男性の証言する「2割の下落」は全国平均の2倍に達していることが分かる。 「私は農家で卸業者ではありません。それでも、この半年で相当な量の在庫が卸業者の倉庫に積み上がっているのは分かります。日本では6月に超早場米、8月に早場米の新米が出回ります。現状では卸業者の倉庫に新米を置くスペースがありませんから、在庫を減らす必要があります。6月ごろから投げ売りを含めた“コメの在庫一掃セール”が始まる可能性は充分にあると考えています。卸業者の倒産も現実味を帯びてきました」(同・兼業農家の男性) コメの販売価格を取材している記者は「とある都心のスーパーでは、単一の銘柄米でも5キロ3100円まで価格が下がっていました」と言う。 さらに、あくまでも“特売品”だが、足立区のスーパーが5キロ2900円台で販売して話題を集めた。
農家の適正価格は3000円
「ここで注目したいのがカリフォルニア米の価格です。ご存知の通り、令和の米騒動ではコメ5キロが5000円台にまで高騰しました。その結果、誰もスーパーで国産米を手に取らなくなったのです。パンや麺類にシフトし、どうしてもコメを食べたくなったらカリフォルニア米を買う。私が取材した店でカリフォルニア米は5キロ2980円で販売されています。となれば、国産米が日常的に2900円以下で店頭に並ぶようになったら、国産米の消費量も回復すると思います」(同・記者) コメ5キロが2800円台と聞けば、高値に悩まされていた消費者は非常に安いと感じるだろう。だが、つい数年前まではもっと安い価格で売られていた。例えば2023年の販売価格を調べてみると、1900円台から2000円台という具合だ。 Xを見ると「コメの適正価格は5キロ2500円」、「2500円に下がったら買う」という投稿が目立つ。しかしコメ農家にとっては厳しい価格だという。 「私は2500円に下がる可能性は充分にあると考えています。そもそも25年産米が余っていますし、今年は昨年と同程度の収穫量が見込まれています。予測通りの結果になれば、JAを筆頭とした集荷・卸業者は厳しい買い取り価格を提示するでしょう。さらにイラン情勢の影響で、軽油と肥料の価格が世界的に上昇しています。戦闘が長期化し、コメ余りで価格が下落すれば、軽油と肥料の価格上昇分は農家が負担するしかありません。その場合、ただでさえ増えている離農者が、もっと多くなるでしょう」(前出の兼業農家の男性)