上司から評価されるたびに、胸の奥ではどんどん不安が膨らんでいました。努力を誰かに見せて結果が出なかったらどうしよう。そんな臆病な本音を隠し続けていた私に、同僚がかけてくれた一言がありました。
子供を寝かしつけた後の時間
毎晩21時に3歳の息子を寝かしつけてから、私のもうひとつの1日が始まります。自宅では夫や息子が起きてくることがあるので、最近は会社のカフェスペースに戻って勉強することも増えました。私にとって、資格試験の参考書を広げられる唯一の時間でした。
夫には「繁忙期で残業が続いている」と伝えていました。もし試験に落ちたら、この時間のすべてが無駄になる。それが怖くて、本当のことを誰にも言えなかったのです。
誰にも見せられない弱さ
昇進が決まったとき、同期の彼女の表情が一瞬曇ったのがわかりました。彼女が私を避け始めたことも。以前、彼女のデスクに同じ資格の参考書があるのを見かけたことがあります。だから本当は「一緒に勉強しない?」と声をかけたかった。
でも努力していたことを打ち明けて、もし次の試験に落ちたら。「あんなに頑張っても駄目だったんだ」と思われることが、何より怖かったのです。努力を隠すことでしか、自分を守れませんでした。
見られていた夜
繁忙期のある晩、カフェスペースで勉強していたとき、廊下に人の気配を感じました。顔を上げたときにはもう誰もいなかったけれど、テーブルの上には参考書と書き込みだらけのノートが広がったまま。
見られたかもしれない。誰にも知られたくなかった深夜の時間が、誰かの目に触れてしまったのかもしれない。その不安で、数日間落ち着きませんでした。
そして…
数日後、彼女が「正直、ずっと嫉妬してた。でもあんなに努力してたんだね」と言ってくれたとき、涙が出そうになりました。ずっと一人で抱えていた深夜の時間を、初めて誰かに認めてもらえた気がしたから。
「本当は一緒に勉強しないかって誘いたかったんだよ」。それは嘘偽りのない本音でした。翌年、二人で同じ資格試験に挑戦し、揃って合格しました。努力は隠すものではなく、分かち合えるものだったのだと、彼女が教えてくれました。
(30代女性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)