羊を数えるだけでなくとうとう抱きしめ始めたアーモンドアイ
アイママに脳破壊されました。
ウマ娘5周年おめでとう。
これからもずっと着いていくよ。
小説ずっと上げないですみませんでした。
ここからまた自分のペースで頑張ります。
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<トレーナー室>
「…羊が1200匹…羊が1201匹…」
「(…最初はこの辺りで、寝付いていたはずなのに…)」
「…羊が1445匹…羊が1446匹…」
「(…回数を重ねるごとに…)」
「…羊が1691匹…羊が1692匹…」
「(…段々と、寝付くのが…遅くなってる…)」
「…羊が2025匹…羊が2026匹…」
「(...リラックスが足りない?わたしのリズムが崩れてる?)」
「…アイ…ごめん、なんでだろう…なかなか、寝付けない」
「…そんな…一体、何が原因なの…逆に仕事のし過ぎで、頭の回転が収まらないのかしら...」
眠れない時、アイは颯爽と現れ、
寝かしつけてくれるようになった。
眠れない俺vs眠らせたいアイの勝負、ということで。
絶対に負けられないアイなのだが...
「とりあえずわかるのは、君は至って何も悪くないことだ。」
「君の声は、とても落ち着くんだ。それに...君の匂いも、安心する。」
「…?安心…?…!」
アイが何かに気づいたようだ。
「もしかしたら、これなら…!」
「!原因が、わかったのか?」
「えぇ!これなら勝てるかも!
「トレーナー!わたしに抱きしめられて!」
「そうか、わかった!…ん…!?」
今、なんと言った?
わたしに...抱きしめられ...え...?
「いまきっとトレーナーに足りていないのは、さらなる安心材料よ!なんでもっと早く気づけなかったの…悔しい…!」
「え、そ…そうなのか?」
「もっと直で安心感を覚えると、眠れるかもしれないわ!それじゃ、やるわよ!」
グイッ
と、半ば強引に連れてかれそうになる。
さすがに子供に抱きしめられながら寝るのは社会的にまずい…!!
「ま、待て…一旦落ち着け…!」
グググ…
「ふふ…残念だったわね…!いくらトレーナーでも…!ウマ娘の力には…勝てないのよっ!」
ひょいっ
「わっ!?」
コローン
抵抗も虚しく、いとも簡単に抱き上げられ、仮眠用のベッドに転がされた。そしてそのまま…
「絶対に負けないわ。気持ちよくトレーナーを寝かしつけてあげるんだから!」
むぎゅっ
とうとうアイの胸に、抱きしめられてしまった。
「(…これは…逆に眠れなさそうだ…)」
経験したことのない柔らかさに、心臓の処理が追いついていない。距離が近い…どころの話ではなく、顔が胸と、体が体と密着している。
…いや...邪な気持ちは持ってはいけない。アイが寝させてくれようとしているんだ。
こうなってしまってはもう逃げられない。
とにかく今は、身を委ねることにした。
「...よしよし...…大丈夫……わたしは、ここにいるから…」
「(まだ少し、体の緊張が解れてなさそう...)」
「わたしの鼓動、聞いて…羊を数えるのと、同じ...いや、それ以上のリラックス効果があるわ...」
柔らかな感触に気を取られすぎていた。
「...聞こえる...?」
…トクン…トクン…トクン…
…トクン…トクン…トクン…
丁度耳に押し当てられているその感触の奥に、
アイの穏やかな鼓動が聞こえる。
「(…確かにこれは…凄く安心する)」
アイが、こんなにも近くで生きている。そこから得られる…大きな安心感。
それを思うと…心のざわつきが、段々と鎮まっていく。
「それに、頭を撫でたり、ハグをするとね…?愛情ホルモンの『オキトキシン』が分泌されて、脳のストレスを軽減したり、強い安心感を感じるわ…鎮痛物質の『エンドルフィン』や、聞いたことあると思うけど、『ドーパミン』も分泌されて、絆を深める効果もあるの…」
確かに、心も体も、軽くなっていくような...そんな感じがする。体温も、爽やかで甘く、脳を蕩けさせるようないい匂いも、まるで全身を包み込まれているかのような感覚に陥る。
「(…あぁ、本当だ…落ち着く…)」
先程まで気が気でなかった柔らかな感触も、
今は…枕のような、安心感のある物へ脳が変換していた。
「...よし...よし...」なで…なで…
「(...これは…眠れそう...)」
段々と、意識が遠のいていくのがわかる。
「(...体の力が、ほぼ完全に抜けた...よしっ、もう一押し...!)」
「...羊が1匹...羊が2匹...」
アイはいつものように、羊を数え始めた。
「...羊が5匹...羊が6匹...」
今、感じているものすべてが...
俺を、どこまでも...癒やす....
...トクン...トクン...トク...
「...羊が...き...ひ......2......」
...
...
「...羊が47匹...あら...?もう、眠ったの...?」
気づけばトレーナーは、寝息を立てていた。
アイの柔らかな温もりに包まれているその顔は、
とても安らかで...天に召されているかのよう。
「...少し早すぎるかもしれないけど...ふふ、今日も、私の勝ち、ね...♪」
今日もまた、眠らせたいアイの勝利だった。
「...ところで、これ...わたしが離れたら、起きてしまうわよね...?」
「いっそこのまま、わたしも寝てしまおうかしら...?...あ」
ふと、アイは自分の背中に、一回り大きく逞しい手が回されていることに気づいた。
「…これは、一緒に寝るしかないってことね…?でも、たまにはこういうのも…あり、かもしれないわね…♪」
「それじゃ─おやすみ。…いつもお疲れ様、トレーナー…」
閃いた!