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トレーナーがいなくなる夢を見て激重になったアーモンドアイ/Novel by 鮮波

トレーナーがいなくなる夢を見て激重になったアーモンドアイ

3,313 character(s)6 mins

低温やけどするまでアイちゃんの手を握るトレーナーもかなり覚悟が決まっているような気がするんですけど、所々で見せられるアイちゃんの嫉妬とかイチャイチャに脳を焼かれています。
アイちゃんにはトレーナーにだけ負け癖が付いていて欲しい(小並感)

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「トレーナー」
「……なに?」

 窓の外で輝く数多の星、地表を照らす月、それらとは対照的な真っ暗の視界。目は慣れているものの、この暗さでは担当のアーモンドアイの顔はおろか、瞳さえはっきり見えない。

「トレーナーは、わたしとずっと一緒にいてくれる?」
「もちろん。ずっとアイと一緒にいるよ」

 ふにゃりと彼女が笑った気がした。
 アイが俺の家にいるのはこれが初めてではない。そもそも彼女は俺の家を知っていて、雨宿りやランニングの休憩地点として何度も利用したことがある。
 これ・・が始まったのはいつからだったか。きっかけは、些細なことだった気がする。とんでもなくリアリティがあって怖い夢を見た、とかだったか。

「……ぎゅってして?」
「もうやってるよ」
「もっと。わたしが潰れそうなくらい、強くして?」
「……………わかった」

 人を簡単に抑え込める力がありながら、その骨身はすぐに粉々になってしまいそうだ。少女の華奢な身体が圧迫され、境界線が薄くなる。
 互いに薄く、袖や裾が短い服装のため、布越しの感触がはっきりと伝わってくる。トレーニングで鍛えられた足、引き締まった腹筋とそれを6つに分けるうっすらと引かれた筋、そして、押し潰されたたわわに実る熱を持った果実。
 顔はほとんど見えないが、それのせいなのか、残りの感覚がいつもより感じ取りやすくなっている気がする。声、呼吸、匂い────普段はここまで感じ取れない。
 互いの存在が近くにある────それを事実として刻み込んでいるようだ。

「……また、見ちゃったのか?」
「…………うん」
「そうか」

 頭を撫でてやると、アイの強張っていた身体から力が抜ける。シャツを握っていた手が緩み、少しばかり広がった。きっと、皺になっているだろう。

「俺は離れないよ。さっきも言ったけど、アイとずっと一緒にいる」

 安っぽい言葉だ。もっと言葉の引き出しを用意しておくべきだったな。

「……本当はね、分かってるの。トレーナーが仕事を続けたいことも、トレーナーがわたしの側にずっといられないことも、全部」
「知ってたんだ」
「ずっと一緒にいるもの、それくらいすぐに気づくわ。トレーニングがない日に模擬レースを見に行ったり、他の子に頼まれてアドバイスしたり。知ってる?貴方の評判、かなりいいのよ?」
「……知らなかったな。あまり評判とか気にしたことなかったから」

 仕事である以上、トレーナーは新しい担当を持つための準備をしなければならない。そのためにアイが言っていたことをしていたが……正直、俺が気にするのは彼女からの評価だけだ。アーモンドアイに相応しいトレーナーか否か────本人から告げられるその一点のみ。

「だから、これから言うのはわたしの我儘。全て、わたしの本心。受け取れないならそれでいい、明日からは元通り。でも、受け入れてくれるなら……貴方の全てをわたしに頂戴。わたしの全ても、貴方に上げるから」

 差し込んだ月明かりの中で彼女は、とても苦しそうだった。自分の思いを受け入れて欲しい、でも、迷惑はかけたくない────アンビバレントな感情が、顔に現れている。

「…………」

 アイの思いを受け入れる……それは、トレーナーと担当の関係が大きく変わることを意味する。今だって、していることはかなりギリギリだ。寂しがり屋の担当に寄り添う行為の延長線上にあるとはいえ、あと少しでも進めばその言葉では片付けられなくなってしまう。

「……アイ」

 しかし、何度も何度も悪夢を見て、苛まれ、分かっていながら俺に縋ることしかできない彼女を受け入れなかった場合、どうなるだろう。
 ────恐らく、戻れなくなる。更なる悪夢に襲われて、心身に異常を来してしまうかもしれない。あの時の……いや、あの時以上に。それに、俺は既に、トレーナーとして持つべきではない感情を持ってしまっている。アイの悪夢を終わらせることができるなら……アイとこの先を、歩んでいけるなら。

「……受け入れるよ、アイの気持ち」

 長々と御託を並べていたが、最初から断る選択肢なんてなかった。それらしい理由をつけて、彼女の隣にいることを正当化したかっただけだ…………うん、俺も負けず劣らず重いな。

「! ほんと……?」
「うん。だから聞かせて?アイの我儘」
「うん……えっと……仕事が終わったらすぐに帰って来て欲しい、担当の子とお出かけする日を教えて欲しい、わたしとの約束を優先して欲しい、担当の子以外の異性と一緒にいないで欲しい、毎日わたしと一緒に寝て欲しい、わたしと一緒にいる時、担当の子以外の名前を出さないで欲しい…………今は、これくらい」
「わかった。覚えておくよ」

 考えていたより軽い────そう思ってしまった時点で、もう手遅れなんだろう。提示された条件を鵜呑みにしてしまうほど、俺はアイを好きになっていたんだ。

「じゃあ、約束。忘れないように、いつでも思い出せるようにしてあげる」

 雲が月を隠して、彼女の顔が黒に染まった。
 夜目が効くのか、迷うことなくシャツの襟をずらされ、そこに唇が入り込む。

「っ……」

 鎖骨の辺りから、じわりと痛みが広がっていく。噛んでいるというより吸われているような、皮膚が引っ張られてできる痛み。ちゅ……と、軽いリップ音が聞こえた直後、皮膚が伸ばされる感覚が消えた。

「……今度はこっち」

 襟から手が離れ、次はシャツを捲り上げられる。エアコンの涼しい風が直接触れて、身体を冷やしていく。

「少し、我慢して頂戴ね……ぁむ……」

 さっきより痛みを感じない。唇で甘噛みしているようで、フニフニと柔らかい感触が胸部から伝わってくる。
 ────ぺろ……。

「んっ……」

 舌の先端が肌を這う。唾液に濡れたザラザラとした舌肉が、場所を定めるように動き回って。

「んぃっ……!」

 飛び出た犬歯が、突き立てられた。
 じわりと、生温かい液体が滲み出ているのがわかる。それを舐め取りながら他の歯も、俺の皮膚へ沈んでいく。
 痕が付けば次の箇所へ────それを何度も何度も繰り返し、その度に流れ出る血液や体液が、アイの体内へ落ちていく。

「うん、こんなものかしら」

 上半身がジンジンと痛む。どこかしこも吸われた痕や噛まれた痕で塗れ、服がはだければ俺達の関係が露呈してしまいそうな程に。

「じゃあ、次はトレーナーの番ね」
「────え?」
「言ったでしょ?わたしの全てを貴方に上げるって。ずーっと一緒にいられるように……2人だけの秘密、作りましょう?」

 俺の太腿に乗っていたアイは俺の隣に寝転んで、広げた手で俺を捕まえる。
 開かれたカーテンによって月明かりが取り込まれ、今まで見えなかった彼女の顔が露わになると、そこには。

「…………」

 頬を紅潮させ、期待と興奮で彩られたアイがいた。
 サキュバスを思わせる、淫靡な表情かお。俺を誘うそれとは対照的に、腰をくねらせ、足を絡めて……まるで餌を待ちきれない犬のようだ。

「んっ♡……」

 キスを1つシャツ越しに落とすと、それだけで艶めかしい声が上がる。

「ふっ♡……ぁっ♡……な、んで♡……」
「身体、慣らさないと」

 期待と興奮が伝染した肢体が、服越しのキスだけで跳ねる。
 やがて前戯が終わる頃には、脳がトロトロになった雌雄が1組、ベットで横たっていた。

「はーっ♡……はーっ♡……」
「ふーっ♡……ふーっ♡……」

 エアコンの冷風では収まらない熱。
 止まれないのは分かっているが、せめて、レースに支障がないところに────。

「がまん、しないで♡……ちょうだい?♡……とれーなーのぜんぶ、わたしがうけとめてあげるから♡……」

 熱い。熱い熱い熱い熱い熱い。
 なにを言っているのか、自分でも分からない。けれど、この熱が欲しい。
 アイに手を伸ばして、溶けて。
 おぞましい数の傷と痕を、暁まで刻み続けた。

Comments

  • 勝ちまくりモテまくり

    愛はあればあるほど良いですからね

    Mar 16th
  • prayer
    Mar 12th
  • クワイエット

    めっちゃ良かったー

    Mar 12th
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