点滴チューブが今月、2倍になりました。
東京都北区のクリニックで、院長が業者から値上げ通告を受けました。医療現場はすでに動き始めています。
ホルムズ海峡の封鎖から1か月が経ちます。医療用プラスチックの原料ナフサは中東依存が7割に達しており、供給が細り始めた今、その影響が病院の棚に直接現れ始めました。診療報酬は国が定める公定価格です。病院はコストが上がっても患者に転嫁できません。「点滴をすればするほど赤字になる」という局面が、今この瞬間、日本各地で始まっています。
日本の原粗油輸入の94%は中東経由です。平時は1日120隻が通過していたタンカーが、今は5隻以下に激減しました。石油備蓄の枯渇は早ければ8月との試算もあります。エネルギー、医療、食料。有事はもはや「仮定の話」ではありません。
今日、政府は2030年までに市区町村単位で全住民を収容できるシェルターを整備する基本方針を閣議決定しました。「日本を戦争に引き込む」という批判が出ています。しかし因果関係が逆です。
シェルターは武器でも攻撃手段でもありません。爆風から身を守る「避難所」に過ぎず、国民保護法に基づく市民保護の仕組みです。フィンランドは人口の90%超を収容できるシェルターを整備してきました。それがフィンランドを戦争に引き込んだわけではありません。備えることと戦うことは、まったく別の話です。
医療現場がギリギリで回っている今、市民が身を守る場所すら整備しないことを「平和主義」と呼べるでしょうか。点滴チューブが2倍になった事実は、有事が「誰かの話」ではなくなったことを静かに教えています。