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The Works "URA「人員削減を図ります。」トレーナー「え?」" includes tags such as "ウマ娘プリティーダービー", "愛が重馬場" and more.
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ある朝、妙にロビー掲示板に人だかりが出来てた。ウマ娘もトレーナーも皆ごった返してるな。

「嘘でしょ…。」

「この時が来てしまったか…。」

「ちょっと何これ!聞いてないわよ!」

どうやらあまり肯定的な意見がないお知らせのようだ。一体どういった内容なのだろうか。

『URAより各トレーナー、ウマ娘に伝達する』

『本校の経営不善、及び人員増加による人件費、その他の経費の増大を鑑みて以下の手段を用いてこれを解消するものとする。』

『一、人員削減の為、一部トレーナーに辞令を送付する。これはトレーナー本人の成績によって決定する。』

『二、ウマ娘の使用する食堂にて提供される料理の量の削減、並びにおかわりの制限を設ける。』

『三、職務を継続するトレーナーは辞職したトレーナーのウマ娘の養成を兼任する。経費については増員したウマ娘の人数分支払われる。』

「ま、マジかよ…。」

突然の人員削減。つ、ついに大量解雇に踏み切ったのか?そりゃあ不満を持つ人がいてもおかしくないってわけだ。

「クソッ、オレは理事長にどういう了見なのか問い詰めてくる!」

「ま、待ってよシャカール!そんなことしても何の解決にならないよ!」

「うるせぇ!こんなこと黙って見過ごしていられるかっての!オレ達のトレーナーに危機が迫ってるんだぞ!」

まあ…こういうのが発生するのは無理ないか。って落ち着いている場合じゃない!俺も帰って確認しないと!


う、嘘だろ…。

『解雇通告』

ああクソ…こんな終わり方アリかよ…。みんなにどう説明すりゃあいいんだよ…。


エイシンフラッシュに


とりあえず俺は抗議する気力もないし、そろそろ頃合いだと思ってたこともある。甘んじて受け取るか。

でも…別れの挨拶を言わないで去るってのもなんか後味悪いな。よし、一人ずつ感謝の気持ちを伝えておこう。


コンコン

「エイシンフラッシュです。トレーナーさんはいらっしゃいますか?」

「ああ、いるよ。どうぞ入ってくれ。」

ガチャ

「失礼します。あの、お話というのは…?」

「言いにくいことだが…はぁ…。」

「俺、解雇対象になっちまった。」

「…言っていることの意味が分かりませんが、もう一度説明願います。」

「クビになるってことよ。」

「え、ええ…?私にはトレーナーさんの嘘が理解出来ないのですが…。」

どうやらフラッシュは未だにこの状況を飲み込めていないらしい。まあ、いきなりクビに俺も最初はそう思っていたので分からなくもない。

「本当だって。ほれ、ここに辞令があるだろ?」

「…。」

「信じたくないのは分かるが…これが現実だ。俺と一緒に頑張るって言ってくれたのに、申し訳ないな。」

「嫌です!こんな身勝手な理由で辞めるなんて、私には受け入れられないです!」

「トレーナーさんもトレーナーさんですよ!何故貴方は抵抗しないのです!何かが変わるかもしれないというのに!」

「…この辞令は理事長のではない。URA直々のさ。逆らうなんて無理なこった。」

「っ…!」

フラッシュは今にも泣きそうな顔だ。いつもは冷静沈着、刻々とスケジュールを消化していく彼女からは想像もつかない顔だ。それだけショックは大きかったのだろうか。

「私は…私は絶対に認めませんから!この身を捨てても絶対にトレーナーさんを辞めさせるものですか!」

バタン!

勢いよく飛び出していくように去ってしまった…。フラッシュのヒステリックな声はいつかのサッカーの試合以来のことだろう。

「ふぅ…。これで良かったのだろうか?」

フラッシュを止めなかった自分を疑ってしまう。下手したら彼女もシャカール同様本部か理事長のところへ殴り込みに行くのだろう。

だが俺は人間だ。ウマ娘のフラッシュを止められるはずがない。

「うし、少しの間荷造りしておくか…。」


「URA…!トレーナーさんと私の将来のスケジュールを…よくも台無しにして…!」

未だにエイシンフラッシュは怒っていた。廊下をウマ娘のスピードで駆けてゆく。

「…あっ。」

ふと彼女はスピードを落とし、何かを考え込む。

「待ってください。もし彼らの想定外の出来事が起きれば…。」

「ふふっ、その手がありましたか…。」ニヤッ

「待ってくださいねトレーナーさん…。私は予定通り貴方と…。」

怪しげな笑みを浮かべ、ゆっくりとした歩調でフラッシュは自分の部屋を目指した。



アドマイヤベガに


「これで…ひとまずは休憩するか。」

驚くほど部屋はガランとした殺風景に変わった。後はホコリを払って軽く水拭きするだけなのだが、まだ猶予はあるので明日にしよう。

…既にウマ娘を一人呼んでいることだし。


コンコン

「私よ。入っていいかしら。」

「いいよ。」

ガチャ

「普段LANEを使わない貴方が連絡をよこすなんて、よほどのことでしょうね。」

「?なんで部屋がこんなに片付いているのかしら…。」

「それも含めて話す。落ち着いて聞いてくれ。」

さっきのフラッシュのように錯乱されても困るからな。

「実はURAの人員削減の対象になっちまってな。ここを辞めなきゃいなくなったんだ。」

「…そう。」

「トレーニングについては一流のところで指導して貰えるから安心してほしい。まあベガなら俺がいなくても大丈夫さ。」

「…。」

思ったより何も反応しないな。いや、元から俺のことにはあまり興味を示さなかったからこんなものか。

「…ねぇ。私に許可も無しに勝手に辞めるつもり?」

「え?」

「貴方にとって私はその程度の存在って訳?私まだ肯定してないんだけど。」

「べ、ベガ?」

なんか空気がじっとりしてきましたねぇ…。

あれ?アヤベさんってこんな子だったっけ?なんかこう…良くも悪くもクール…みたいな。

「確かに普段から私は愛想ないでしょうけど、こう見えて貴方を信頼しているのよ。」

「でもそれとこれとは話が別。私は貴方が辞めるなんて許さないわ。」

突如ネクタイを掴み、いつもより鋭い視線で俺の顔を覗く。底なし沼のような瞳で見つめられるもんだから、思わず顔を背けてしまう。

「ねぇ…なんで私のことをちゃんと見ないの?私のことそんなに嫌いなの…?」

「ち、違う!俺は…ただ…。」

「じゃあどうしてよ!」

「んぐっ…!?」

首にかかる力もどんどん強くなっていく。次第に彼女も目に涙を浮かべ、その雫が俺のシャツをわずかに濡らす。

「貴方がいない世界なんて考えられない…。貴方がいなくなったら、私はどうすればいいのよ…!」

「…。」

「ねぇ…。お願いだから私のそばから離れないで…。」

「…分かった。なんとか俺も上にかけあってみるよ。」

「っ…?!ほ、本当?!」

「ああ、勿論。」

「良かった…!」

彼女は安堵したのか俺を大きく包容した。最早隠す気もないらしく、荒げた大声で泣いた。

ベガが退出した後、自分は咄嗟についた嘘に罪悪感を覚えた。あのままだとフラッシュと同じ道を辿っていたのだろうか。

「…アヤベには悪いが俺はもう辞めないとな。」


「ふふ…ふふふ…。」

アドマイヤベガは、退出後イヤホンを耳につけて廊下を歩いていた。トレーナーの独り言はどうやら彼女に筒抜けだったらしい。

「辞めさせないわよ…。たとえ縛り付けても、ウマぴょいしてでも貴方をここに残らせるわ。」

「さてと、今夜は忙しくなりそうね…。」

これからのことが待ち遠しいのか、笑みが思わず溢れた。



サトノダイヤモンドに


ふと、昔のアルバムを開いてみた。どれもが懐かしく、最初のページを開いているだけなのに涙を誘う。

「感慨深いな…。」

タッタッタ…

廊下から誰かが走ってきた。と思いきや高速でドアをノックする。誰だろう?こんなに慌ただしいのは。

ドンドンドン!

「私です!サトノダイヤモンドです!トレーナーさんはいますか!」

「あ、ああ…。いるから何もそんなに焦らなくても…。」

「入りますよ!失礼しますね!」

ガチャ

「トレーナーさん!貴方はご無事ですか?!」

「ん?どういうこと?」

「何でも多くのトレーナーさんが一斉解雇されるとのことで…!」

「あ、それは……俺もだよ。」

「ええっ?!そんなぁ!」

どうやら彼女は例のチラシを見て、心配になってやってきたらしい。ごめんな、俺成績悪かったみたいだわ。

「トレーナーさんを辞めさせたくないです!私に考えがありますよ!」

「…絶対ろくなことじゃないだろ。」

「そんなことはありませんよ!URAを買収するだけです!」

「ろくなことじゃないだろ!」

思わず二度言ってしまった。彼女のことだからやりそうだとは薄々思っていたが…やはり脳筋だった。

「とにかく、今からURA本部に行ってきます!」

「おい待てよ。俺がなんとかするから…犯罪に手を染めようとしないでくれ。な?」

「む〜…。私はただお偉い方とちゃんとお話しに行くだけですから、何もそんなに止めなくても…。」

「だから、お前の言うお話が怪しすぎるんだよ。さっき買収って言ってたろ?」

「…。」

「…。」ダッ!

「あ、待て!おい!」

バタン

「行っちまった…。」

愛ってこんなに人を狂わせるんだなぁ…。何かしでかす前にキタちゃんのトレーナーに連絡入れておくか。



セイウンスカイに


「…さっきから電話してるけど、全然通じねぇ。何があったんだ?アイツ。」

年中暇そうなキタサンブラックのトレーナーに限って、今日は留守らしい。珍しいこともあるもんだな。

うむ…。このままだとダイヤが悪の道へと片脚を突っ込むのは時間の問題だ。だが止める術は一切ない。詰みか?

「…で、貴女はこっそり入ってきたけど何の用か?」

「あらら〜、バレました?」

「ドアちゃんと締めてたからな。少し隙間が開いてる時点で気づいてたよ。」

ソファーにはセイウンスカイがいつの間にか寝転がっていた。まるで猫みたいだ。

「あ、折角来たんですから頭撫でてくださいよぉ〜…。あとお茶も欲しいですな〜。」

「注文多いな…。」

ヤレヤレと思いながらも、ミニ冷蔵庫で冷やしてある麦茶のポットをコップに注いで差し出した。

「ほい。」

「おっと、助かりますねぇ…。ありがたき幸せ〜。」

俺はスカイを膝の上に乗せ、お茶を飲む彼女の頭を撫でる。にょほほ〜、という声は喜んでいるらしい。

ん?何か震えている気がするな…。何もそんな緊張することないだろ?

「そ、そういえばトレーナーさんは掲示板見ました〜…?」

「まあ…な。はぁ…。」

「え?なんでため息ついてるんですか…?」

「…お前さんの心配している通りのことだ。」

「ま、まさかぁ!トレーナーさんは優秀な成績持ってるでしょ?辞めさせるなんてことあるわけ…。」

「…。」

何も言えないなぁこれ。成績悪いから俺は辞めなきゃいけないというのに。

「な、なんで黙っているんですか…。いいからいいえって言って下さいよ!」

「…口が裂けても言えるわけねぇだろそんな嘘。これ見ろ。」

アドマイヤベガの時同様辞令を見せる。
みるみると顔色が悪くなり、耳も萎れていく。

「あ、あはは…。こりゃあ…参ったなぁ…。」

「…お前も薄々分かってただろ?」

「だって…私のトレーナーさんに限って…そんなことないって思ってたのに…。」

頭を垂れたスカイ。全身からただよらぬ哀愁が溢れている。

「トレーナーさん…。辞めるんだったら…私を連れて行って下さい…。」

「それは無理だろ…。」

「私…トレーナーさんから離れたらどうにかなりそうですもん…。」

「…自信を持て大丈夫だろ。お前ならどこでもやっていけるさ。」

「そんなこと言わないで下さいよぉ…ぐすっ…余計に悲しくなるじゃないですか…。」

…泣いてるのか?あのセイウンスカイが。
俺が思っている以上に、彼女の中の俺という存在が大きくなっているとはな。

「…すまんな。俺が不甲斐ないばかりにお前の期待に応えられなくて…。」

「やめて…謝らないで…。そんな言葉…聞きたくない…。」

「許してくれ…。」

ずっとそばにいることだけでも出来たら、彼女の顔は晴れたのだろうか。だが今の俺は謝ることしか出来ない。とても無力だ。

「そろそろ帰るね。ここにいると悲しくなっちゃうもん。」

「…気をつけてな。」


「はぁ…。トレーナーさん…。」

トボトボと歩くセイウンスカイ。ふと、後ろから声をかけられる。

そこに立っていたのは黒鹿毛のウマ娘ただ一人。エイシンフラッシュだ。

「…貴女はスカイさん、という名前でしたね?」

「え?は、はい。そうですが…。」

「私はエイシンフラッシュ。貴女と同じトレーナーさんのウマ娘です。」

「実は、貴女のトレーナーさんを救う方法を見つけました。」

「ええっ?!本当ですか!?」

「それには貴女の協力が欠かせないんです。お願い出来ますか?」

「は、はい…。喜んで…。」

「ふふっ、ありがとうございますね。」



「こ、これでトレーナーさんを救えるんだ…。にゃはは…。」ハイライトオフ


ナリタタイシン


「ええっ?!ぎ、逆ウマぴょいが横行してるって?!」

突然、キタサンブラックの友人から連絡が入る。かなり切羽詰まった様子だ。

『はぁ…はぁ…。俺も解雇された一人なんだが…今キタサンブラックから逃げ隠れしている…。いつまで持つか分からん…。』

『奴ら…既成事実を作って辞めさせないつもりだ…。既にロビーでは…2、3組が犠牲になってる…。』

『ガチャ』

『や、やべぇ…!一旦おち『トレーナーさぁ〜ん…。ようやく見つけましたよ〜…。』ひ、ひいっ?!』

『お、お前も今すぐにげ…』

プツ

「え、おい!お前しっかりしろ!返事してくれ!」

「クソッ、だからあいつは…。」

ふと、背後にドカンッ!と轟音が鳴り響く。ドアを蹴り飛ばしたナリタタイシンがそこに立っている。

明らかに…不機嫌そうで。

「ねぇアンタ。辞めるってほんと?」

「…あ、ああ。でも俺のせいだ!俺の成績が悪かったからだよ!だから」

「そんなことどうでもいい。アンタにはここにいてもらわないとダメ。」

にじり寄ってくるタイシンに思わず後ずさりしてしまう。だが後ろは壁で、もう逃げ場はない。

「アンタが意地でも仕事を辞めない方法見つけたんだ。それを試していい?」

「え?それってどういう意…」

言葉を言い終える前に素早い蹴りが脚を襲う。一瞬で俺の身体は宙を舞い、地面に叩きつけられる。

慌てて逃げようとするも足が全く動かない。

「あ、足があああ!!」

「逃げんなよ。」

次に俺の右の二の腕を思いっきり踏む。激しい苦痛が襲う。

「い、いだあああああ!!!!」

「じゃ、今からウマぴょいするから。ほら、皆来ていいよ。」

壊されたドアから続々とウマ娘が入ってくる。エイシンフラッシュ、アドマイヤベガ、セイウンスカイまで…。

「ありがとうございました、ナリタタイシンさん。さて、早速始めましょうか♡」

「ほら起きなさいよ。これから7時間ぶっ通しで愛して貰うんだから♡」

「ふふふ…。夫婦になったら、私とずっと一緒にいてくれますよね?トレーナーさん♡」

「あ、ああああ…。」ガクガク

「ほら、さっさとアタシたちを愛してよ。トレーナー♡」



翌日、URAの本部はウマ娘によって壊滅。既成事実が出来たウマ娘たちの訴えによって、トレーナーの削減は阻止された。

めでたしめでたし







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