自分について2:受験
※去年はてなブログに書いたものの再掲である。内容は変更していない。
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・内省シリーズである。受験について書いたことがあまりなかったので、この際に書いてみる。数年越しの合格体験記である。読者を設定したほうが書きやすいので、一応、想定は受験生とする。はじめに断っておくと、国公立受験については何も知らないかつ事情が違うと思われるので、この記事でいわれる「受験」は私大受験のことと捉えてください。
・志望校について
・高三まで恋で忙しかったので、勉強のやる気がなく、学力も低かった。そして北方に住んでいたので、卒業したら農業か漁業をやろうと思っていた。きっかけは忘れたが、ふと受験をしてみようと高三の夏頃に思い、志望校を決めるためにまず本屋に行った。
・良くも悪くもアホだったので、自分は勉強すればどこでも行けると思い込んでおり(文系なのに高校の志望校調査には「東大医学部」と書き続けていた)、東京大学から偏差値順に名前を知っている大学の赤本を見ていった。国公立は科目数が多くて大変そうだったので除外し、私立を上から見ると、一校目の慶應大学でこれは絶対に行けると思った。というのも、慶應大学は英語・日本史・小論文で受けることができるからである。
・これが当時の俺にとって何を意味したかというと、英語なんて言語にすぎず、日本史なんて小難しいONE PIECEにすぎず、小論文なんてTwitterにすぎないということである。言語・ONE PIECE・Twitterで入れる大学があるならば行くしかないと思い(ちなみにこの時点での模試の成績は40-50くらいである)、その日のうちにその通りのことを母親に伝えると、「あんたが行けると言うなら行けるんでしょ」と言い、参考書代をくれた。
・結局一浪で受かることになるのだが、教訓めいたことを書いておくと、なんでも適度にナメてかかることは重要である。受験など所詮二十歳にも満たないケツの青いクソガキ共の小競り合いであり、他の青ガキにできて俺にできないことはない、という余裕をもつことが重要である。
・俺がもし「京大」や「慶應」のような固有名詞に付着するイメージにビビっていたら、そもそも受験をするという選択肢がなかったので、こんなものは大したことはないと見くびることは必要であった。見くびったあとで、対象を分析し、一つひとつ対策を打っていくことが肝要である。われわれは聡明な近代人であり、近代とは要素還元主義の時代である。
・そしてその対策の一つひとつも大したことはやっていない。エネルの技名とその能力や空島編のエピソードを覚えるのと質的な差はない。ただし、その量は多いのでそれなりに頑張る必要があるというだけだ。
・浪人時の生活について
・現役では落ちた。現役のときは一学部しか受けておらず、反骨精神を見せて学校の自習室で三島由紀夫を読むなどして勉強が終わらなかったので、当然落ちることとなった。受験会場ではやはり三島由紀夫を読みながらゆで卵を割りまくり食いまくり、他の受験生を牽制していた。無意味であったに違いない。
・浪人生活が始まり、予備校は金がなく行けなかったので、いわゆる宅浪をすることになった。スマブラと音ゲーの合間に勉強をした。
・ベトナム人たちと歓楽街の地下でサンドイッチ(バインミー)を作っていた。俺以外のバイトがみんなベトナム人であった。記憶に残っているのは、店長の男が自分のスマホのYouTubeで店内に音楽を流すのだが、ふつうに広告が入るので当時流行っていたエロい脱毛の広告が大音量で店内に流れまくっていた。問題は、かれらのモラル観においては陰毛の処理事情を聞かされながらサンドイッチを食わされることはあまり問題でないらしく、俺以外の人間が誰も急いでスキップをしにいかないことだった。俺がいないときはどうしていたのだろう。
・英語について
・受験をすると決めた日に赤本を買い、それから毎晩わからない英文と問題と解答をなんとなく読んでいた。目標と現状の差分を取り、それを埋めるための勉強を行いたかったので、最終的に解く問題群を強固にインプットしておくことが必要であった。それらの問題群にとって、目の前の単語や文法や解釈の勉強がいかなる意味を持つかをつねに考えながら勉強に取り組んでいた。
・英単語は覚えたものを排除しながらひたすら高速で回していくという方法で、一日あたりの時間は短く抑えつつ大量に覚えることができた。
・文法も単語と同じようなノリでいい感じにやった。
・英文解釈が一番楽しかった。言語能力は現代文よりも英語、とりわけ英文解釈において発揮されるように思う。翻訳についての専門書も読みながら楽しんで勉強していた。
・長文はいい感じに練習した。
・日本史について
・いい感じに勉強した。すべてにおいて楽しかった。
・小論文について
・たくさん本を読んだりした。大学でもそこそこ役に立っている。
・総括
・受験生に伝えたいことは、二つである。一つに、対象を大げさに捉えないこと、二つに、目標と現状の差分を取ることである。まず、目標と現状の差分を取る。それを埋めるためにやるべきことを具体的に考え、それを実践する。そしてそのすべての工程において対象を大げさに捉えてはいけない。間違っても目標を「怪物」などと形容してはいけないし、自分を「無能」などと表現してはいけない。あるのはただの傾向をもつ問題群であり、開発されていない知性を備えた一人の人物である。真剣になるとは、過剰なメタファーを排除することである。目の前のことに具体的に取り組むことである。自分の生を大げさにし、物語をつくると、失敗したと感じたときに劣等感に転じて挫折マゾに走りやすいので、それを防ぐためにも虚心坦懐に勉強に励むのがよいだろう。そして、受験勉強は一年ものあいだ励むに足る面白さを備えた良質なゲームである。少なくともスマブラと音ゲーに並ぶくらいにはスリリングで面白い。



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