【視点】地下シェルター増設の日本 国民保護は国家の義務
日本政府は地政学的緊張の高まりと国際紛争に伴うリスクを踏まえ、地下シェルターの増設と収容能力の増強を計画している。既存のシェルターは拡張・近代化され、緊急時に住民を守るために新たなシェルターが作られる。 この計画は、住民の安全を確保し、ミサイル攻撃などの潜在的な危険から国民を守ることを目的としている。
政府は2024年3月、武力攻撃を想定した避難施設(シェルター) の確保に係る基本的考え方を発表した。現在、地下シェルターの収容人数を1000万人に増やす計画を進めている。東京都は、昨年、地下シェルターの整備に取り組み始めた。港区の麻布十番駅が最初のシェルターの建設地に選ばれている。構内の防災備蓄倉庫を住民を収容できるように改築する方向だ。政府はまた、立体駐車場、地下駅、ショッピングモール、比較的深い地下にある地下施設をこうした目的で利用することも検討している。このようなシェルターには、水や食料に加え、換気設備、非常用電源、通信設備、トイレなど、長期的な居住を確保するために必要なものが装備される見込みだ。
2025年4月、住民が一時的に避難できるシェルターとして利用可能な地下施設の全国的な調査結果が発表された。昨年は3926施設(面積約491万平方メートル)であったが、今年はさらに自治体や商業施設の地下施設を含む1489施設(約400万平方メートル)が新たに利用できることが判明した。政府が所有者の協力を得ることに成功すれば、シェルターとして使用できる面積は現在の2倍の889万平方メートルになる可能性がある。
対外情報局のベテランで危機的状況の専門家レフ・コロルコフ氏はシェルターの建設について、国の防衛能力の必須要素であり、民間人を危険から守り、軍事行動やその他の災害からの被害を排除し、生存に必要な条件を整えることを目的とした民間防衛手段の一つだと説明している。
「日本は長年にわたって、北朝鮮の潜在的な脅威と台湾周辺の情勢悪化の可能性を感じ、シェルター建設を進めてきた。シェルターの一部は第二次世界大戦以降から残存しているものかもしれないが、今はできるだけ多くの住民が避難できるよう、新しいシェルターが必要だ。同じく避難訓練の実施や住民への注意喚起も重要だ。ただ、これまで多くの自然災害を経験してきた日本では、避難場所や避難方法についてはすでに解決されていると思う。確かに、このプロセスは国全体の防衛力強化と並行して進められている。だが、このことで日本を責めるのは間違っている。日本はまだ軍事施設の建設にまでに至っていない。国民を守ることは国家の神聖な義務だ」
コロルコフ氏は、日本の軍国主義化、つまり必要な防衛レベルを超えていると非難する声は何よりも中国から多く聞かれると指摘している。20世紀初頭、日本は空と海の両方で優位に立っていた、だが今は状況は劇的に変化している。
「中国空軍は日本の航空戦力に対し明らかに優位だ。海上も、もはや日本にとって有利ではない。日本の艦隊は世界最強クラスを誇っていたが、過去10年間で中国海軍に対する優位性を失った。水中においても、中国の潜水艦隊の優位性は今や3倍以上で、日本の通信をほぼ完全に遮断し、日本経済を麻痺させることができる。日本の潜水艦隊は潜水艦の数が少ない。しかも中国の海岸線は長く、日本の海上基地から遠く離れている、だからそうした能力はない。さらに中国の切り札は、数千発の弾道ミサイルと巡航ミサイルだ。これらのミサイルは、日本の防空網を突破するか、一斉攻撃を仕掛けることで、日本領土内のあらゆる物を確実に攻撃することができる。もちろん、米国が日本側で参戦すれば、海と空のパワーバランスは劇的に変化する。問題は、その準備ができているかどうか。この問いはすでに日本政府に投げられている」
でもう一つの見方を