「歴史ものは言語や人種も超えていける」大河ドラマを世界へ
そもそも世界最大級のドラマ祭に内田さんが参加したのは、所属するNHKが世界に向けて「大河ドラマ」をアピールする場を作っていたからです。プレゼンテーションするプロデューサーの1人として登壇していました。現在放送中の『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』をはじめ、内田さんが手掛けた『光る君へ』の紹介も行われました。
「『光る君へ』に関して思うのは、決して複雑なストーリー展開ではなく、分かりやすい話なので海外ウケしやすいのではないかと。色鮮やかな着物や景色の美しさも強みです。『光る君へ』に限らず、大河ドラマそのものが目を楽しませる作品が多く、普遍的なことを描いています。世界的に見ても、国や地域に限らず中世を舞台にしたドラマは比較的、見る人が入りやすいものが多いと思います。言語や人種を超えてしまう歴史ものは強い。だから、日本の大河ドラマも割と受け入れてもらえるのではないかと思うんです」
登壇後の内田さんは手応えを感じている様子でした。大河ドラマをアピールするタイミングもバッチリなのかもしれません。戦国時代を舞台にした真田広之さん主演のディズニープラスのドラマ『将軍 SHOGUN』が世界的にヒットしたことが後押ししそうです。「日本が歴史ドラマで本気で勝負をするなら、NHKが先陣を切るべきとも思っています」と力強く言葉を続けました。
大河ドラマは1963年から、朝ドラは1961年から続くシリーズです。一週間の終わりの日曜日の夜、そして平日朝の15分間という視聴習慣も脈々と受け継がれています。こうした長年の積み重ねが思いを強くさせていそうです。
内田さんはテレビドラマとして守りたい伝統があることも話してくれました。それは「良心を持ったドラマ」です。
「ドラマを作り続けていると、尖った内容の作品にも挑戦したいという気持ちが生まれるものですが、いくら尖っていたとしても見ている方をできるだけ傷つけず、安心感を与えるドラマ作りを心掛けることが大事だと思っています。なかでも大河ドラマや朝ドラは、良心を持った人が作っていることが作品に表れることが今後の糧になっていくのかもしれません」
今年放送されるドラマのなかで内田さんも関わる作品として、特集ドラマ『火星の女王』があります。人類が火星移住を果たしている100年後の未来を描くSFエンタメだそうです。まさに挑戦作。心のある登場人物たちが色々な生き方を見せる物語に期待したくなります。内田さんの言葉から確信できます。
「視聴者が求めるドラマは何なのか。難しさもありますが、迷うことなく他にはないドラマを届け続けていきたいです」。
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Bilbao
2025.5.30