大谷翔平 カーブ習得でついに〝4次元投法〟完成 史上初の投打タイトル同時獲得へ
ドジャースの大谷翔平投手(31)が24日(日本時間25日)の本拠地ロサンゼルスでのエンゼルスとのオープン戦に「1番・投手兼DH」で今季初の二刀流出場。4回終了時点で11もの奪三振をマークする衝撃的な投球を披露した。この日は緩急の効いたカーブも多投し打者を翻ろう。従来のスプリット、スイーパー、シンカーも含めた〝4次元投法〟で、あのベーブ・ルースですら成しえなかった史上初の「投打タイトル同時獲得」を狙う――。 直球の最速は98・5マイル(159キロ)。ここに球速帯や役割の異なる超一級の変化球が4つも加わると、もはや白球をバットに当てて、前へ飛ばすことすら困難になる。4回終了時点でスコアブックに刻まれた「三振以外のアウト」は初回のシャヌエルの遊ゴロのみだった。 空振りを奪うことにのみに特化したスプリット。理不尽なまでに横滑りする代名詞のスイーパー。超高速で利き腕方向に沈み込むシンカー。そしてこの日、新たな投球の軸として多投されたのが球速120キロ台で打者のタイミングを大きく狂わせるカーブ。これまでの速球系主体の配球に〝時間差〟まで加わった。 WBC期間中は「快く送り出してくれたドジャースに対する誠意として」投手登板を封印していた大谷。投手として表舞台に立つことを控える中で、新たな武器を手に入れたことが、オープン戦最終戦でようやく明らかになった。 5回に連打を浴び、球数も86球に達したことでベンチから交代を告げられたが、圧巻の「SHO―TIME」に本拠地のファンも大満足。スタンディングオベーションでドクターKに惜しみない拍手を送った。試合後のロバーツ監督も「彼は準備ができている。カーブで打者のタイミングを外せる点が素晴らしかった」と手放しで称賛し、完全二刀流のリスタートとなるドジャース3年目のシーズンに期待を寄せた。 打者としては既に2度の本塁打王、1度の打点王に輝き、米球界でも揺るぎない評価を得ている大谷だが、15勝9敗、防御率2・33をマークした22年も含め、投手としてのタイトルは一度も獲得できていない。 元祖二刀流でしばしば引き合いに出される、ベーブ・ルースですらキャリアの後半以降は打者に専念。1916年に最優秀防御率のタイトルを獲得しているが、同年の打者タイトルはゼロ。長いMLBの歴史の中で投打で同時にシーズンの頂点に立った選手はいない。 それでも現地メディアが「今季のシーズン展望を一変させた」とまで評したこの日の大谷のパフォーマンスは歴史的偉業達成を予感させるものだった。最優秀防御率、最多勝、最多奪三振、そしてサイ・ヤング賞――。大谷邸のトロフィールームに「投手用タイトル棚」が追加購入される日も近い。
雨宮弘昌