苫小牧市高丘の高丘霊園内にある地蔵が何体も倒れているのを巡回中の市職員が発見し、苫小牧署に通報した。破壊されたのは参拝者が「六地蔵」と呼んでいる6体のうち3体のほか、近接した場所に並ぶ2体で、首がちぎれたり、頭が割れたりしている地蔵もあった。六地蔵は、参拝者が赤い頭巾を毎年替えるなど大切にしており、市職員は「人為的に壊された可能性がある」とみて対応を検討している。
市によると、発見したのは11日で、霊園出入り口付近の南側丘陵部にある一角。六地蔵は幅約60センチ、奥行き約40センチの各台座の上に高さ65センチほどの6体が並び、誰でも自由に供養できた。3体のうち2体は後ろに倒され、残り1体は頭が胴からちぎれた上、縦に真っ二つに割れていた。
約5メートル東側にも大きい地蔵が2体があり、いずれも倒されていたほか、周囲にも多数の小さな地蔵があり、少なくとも5体が壊されていた。
市は壊れた地蔵をブルーシートで覆い、一部区画を立ち入り禁止にする応急処置を講じた。石材業者の協力も得て現場一帯を調査したが、壊れ方などから強風やシカが倒した可能性は低く、「地蔵の上部を押しててこの原理で倒したのでは」と推測している。
50年以上、六地蔵の赤い頭巾と黄色の前掛けを毎年新調してきた市内在住の女性(76)は「毎年お盆に合わせて取り替えている。お参りする人や、頭巾作りに協力してくれる人もいて続けてきたが、こんなことになるなんて」と悲嘆に暮れた。
地蔵について市に建立の経緯を記録した資料はなく、いつ誰が建てたか不明。所有者も分からないため同署が器物損壊容疑で捜査することも難しく、市は壊れた地蔵の扱いについて相談している。環境生活課の担当者は「いたずらだったとしたら、多くの人の気持ちを踏みにじる悪質な行為だ」と憤る。
(河村俊之)