森高千里150万円、ポケモン90万円 誕生40年「今も人気」テレホンカード

過去、150万円で売れた森高千里さんデザインのテレホンカード(「カードショップトレジャー」提供)
過去、150万円で売れた森高千里さんデザインのテレホンカード(「カードショップトレジャー」提供)

日本電信電話公社(電電公社、現NTT)が昭和57(1982)年、プリペイド式のテレホンカードを発売してから23日で40年を迎えた。一時は年4億枚以上が販売されるなど、人気を集めたが、携帯電話の普及で次第に衰退。しかし、いまだコレクションとしての価値は高く、デザインや限定品によっては1枚100万円前後で売買されるケースもある。

ピークには年4億枚販売

テレホンカードは、硬貨式公衆電話に代わって導入されたカード式公衆電話の登場に伴い発売された。通話度数だけが書かれたシンプルなもの以外では、芸術家、岡本太郎の作品「遊ぶ字」の「喜」、「楽」、「音」、「話」がデザインされた4種類が日本初のテレホンカードだ。

昭和57(1982)年12月23日に発売された日本初のテレホンカード。芸術家、岡本太郎の作品「遊ぶ字」がデザインされている(岡本太郎記念館提供)
昭和57(1982)年12月23日に発売された日本初のテレホンカード。芸術家、岡本太郎の作品「遊ぶ字」がデザインされている(岡本太郎記念館提供)

その後、記念品や贈答用としてアイドルタレントやゲームのキャラクター、企業のロゴマークを配したデザインなどが数多く出回るようになり、コレクションとして人気を呼ぶことになる。

NTT西日本によると、カードの販売数は発売以来急増。ピーク時の平成7(1995)年度には4億353万枚に達したが、携帯電話の普及で令和3(2021)年度には130万枚にまで激減した。公衆電話の設置台数も昭和59(1984)年度の93万4903台をピークに令和3年度は13万7649台と、約7分の1になっている。

最高額は1枚150万円

今では「触れたことさえない」という若者も少なくないテレホンカードだが、コレクションとしての人気は依然高く、非売品や限定品、販売枚数の少ないカードにはプレミアムがついている。東京・中野のテレホンカードなどの専門店「カードショップトレジャー」の長尾美千生代表(57)は「これまで店で売れた最高額は1枚150万円。(時期は)平成10(98)年ごろで、(歌手の)森高千里さんがデザインされています」と振り返る。音楽情報誌「CDでーた」の読者プレゼントだったもので希少な上、10年近く市場に出なかったカードだという。

人気は今も続いている。2番目に高額だったのは、伝説のポケットモンスター「フリーザー」のポケモンカードを模したもので今年10月、90万円で売れた。20年以上前に米ハワイ州で行われたポケモンのカードゲーム公式大会で、入賞者に贈られたうちの1枚だという。長尾さんは「今レトロなゲームがブーム。その派生でテレホンカードもゲームグッズの一種として人気を集めている」と話す。

店には現在も、個人や企業などから月に約1万~2万枚が持ち込まれ、コンスタントに売れているという。長尾さんは「基本的に未使用であることが絶対条件。(使用したことを示す)パンチ穴が1つでも開いていたら価値はほぼゼロ」と説明する。

災害用として活用を

自宅で眠っている通常のテレホンカードも未使用の50、100、105度数に限り、手数料はかかるが、NTT加入回線などの通話料として使用できる。300度数以上もNTTのホームページや専用窓口の「テレホンカード交換センター」で手続きのうえ、通話料に充てることができる。

今年10月、90万円で売れた、伝説のポケットモンスター「フリーザー」のテレホンカード(「カードショップトレジャー」提供)
今年10月、90万円で売れた、伝説のポケットモンスター「フリーザー」のテレホンカード(「カードショップトレジャー」提供)

あまり知られていないが、テレホンカードは現在もコンビニエンスストアなどで販売されている。地震や台風などの災害時に通信規制が実施される場合も、「公衆電話は規制の対象外で、携帯電話や一般電話より優先的につながります」(NTT西日本広報室)という。最近はキャッシュレス決済で現金を持たない人も増えている。もしものとき、家族や会社、大切な人に連絡できるよう、1枚携帯するのもいいかもしれない。(中村睦美)

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