中日二軍で壮絶な練習…寮で「死亡説」が流れた“ある選手”「それほど追い詰められているように…」野村克也から絶賛されるまで「前原1人にやられた」
「オレがオレが、という人間は嫌いなんです」
「夏場になると、身体が悲鳴を上げていました。毎朝起きると、背中がバリバリに張っていた。だから、スイングも鈍くなる。結局、スタミナがなかった。持久力を付ける筋トレの必要性を感じましたし、アフターケアや普段の食事にも気を配るべきだった」 年俸は700万円から1500万円に昇給し、結婚もした。だが、「今年こそは」とレギュラー獲りを誓った93年も、便利屋の域を脱せなかった。指導者からは「他人を蹴落としてでも、自分が前に出るぐらいの気持ちを持て」と何度も叱咤された。 「僕には、そういう思いがなかった。『オレがオレが』という人間は嫌いなんですよ。みんなで幸せになりたい。大谷翔平も松井秀喜も気負ってないのに、活躍してますよね。見ていて気持ちいいし、応援したくなる。自己主張の強さって、本当に必要なんですかね」 そんな前原が日本中の視線を浴びたのは、94年の「10.8」決戦だった。この年、開幕から巨人が独走。2年目の松井秀喜、FA加入の落合博満が打線を引っ張り、投手陣は斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄の三本柱が勝ち星を重ねた。中日は夏場まで2位につけていたが、8月18日から8連敗。高木守道の退陣、星野仙一の監督復帰が報じられていた。 〈つづく〉
(「プロ野球PRESS」岡野誠 = 文)
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