「夜中1時半起床で配達…ほぼ無休です」元中日選手が新聞配達員で奮闘中だった…桑田真澄・清原和博と同学年、プロ野球生活15年の男「なんとかなるさ」
中日で活躍した元プロ野球選手、前原博之は58歳の今、岐阜市の新聞販売店のオーナーとして奮闘している。華々しい現役時代から引退後の迷い、新聞販売の修行……NumberWebのインタビューに応じた。【全6回の1回目】※記録や肩書などは当時 【実際の写真】「元中日選手が新聞を配達中…カッコいい!」「深夜1時半起床、忙しい1日…実際の作業風景」桑田真澄・清原和博と同学年、前原博之さんの今を一気に見る イオンモール、パチンコ店などが立ち並ぶ国道から横道に入ると、道路を挟んだ三角地帯にポツンとプレハブ小屋が2つ置かれている。かつて無数のカクテル光線を浴び、ナゴヤ球場を沸かせた男は妻とともに、3人の子供のため必死に汗を流していた。
深夜1時半に起床…前原博之の今
「毎日、夜中の1時半に起きています。2時に店に到着すると、届いた新聞にチラシを入れて、順にバイクで配達しに行きます。エリアごとに僕も含めて数人に分かれて。6時には全員が配り終わり、後片付けなどをして8時から少し仮眠します。昼までは自由時間ですが、問い合わせの電話対応もあります。夕方に帰宅し、20時には寝ますね」 365日ほぼ無休――。中日ドラゴンズの選手として活躍し、1992年にはオールスターで優秀選手賞を獲得した前原博之は58歳の今、岐阜市の新聞販売店のオーナーとして奮闘している。 「休刊日はありますが、その日も夕刊を配る。なので、前日に朝刊を届け終えて、翌日に夕刊の準備を始めるまでの丸1日は休みになります。ただ、毎日働いていますね。ゆっくりできるのは正月くらいです」
「毎年3%ずつ減ってます」新聞の部数激減
新聞の発行部数の落ち込みは止まらない。最盛期の1997年には5376万5074部だったが、昨年は2486万8122部と半分以下になっている(日本新聞協会調べ)。現場で働く前原は、業界の台所事情を痛切に感じている。 「購読者の大半は高齢者で、ウチの店だと毎年3%ずつ減っています。目が見えづらくなったり、亡くなったりしてやめる方が大半ですね。最近は物価高で、生活が苦しいからストップする人もいます」 昨今では新聞を“オールドメディア”と揶揄する声もある。だが、2月の衆議院選挙では各社の議席予想が的中。選挙報道の課題は山積みだが、歴史と組織力を持つマスコミの底力を見せた。 「SNSでは裏を取らず、思い込みや願望で書いている人がいますからね。その時々の自分ひとりの感情で暴走してしまう危険がある。新聞は取材を重ね、社内で何人もの確認を受けて、世の中に記事が出る。SNSに比べ、発信するまでに時間や人というコストを何倍もかけているので、信頼度が高いと思います」 既に斜陽産業と言われていた10年前、前原は新聞販売店を始めた。プロ生活15年で約2億円を稼ぎ、中日のコーチも務めた男はなぜ、荒波に飛び込んだのか。そこに至るまでには紆余曲折の人生があった。
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