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風野灯織「プロデューサーと破局になるかもしれない……」/Novel by しーつーぶい

風野灯織「プロデューサーと破局になるかもしれない……」

4,928 character(s)9 mins

プロデューサーと付き合い始めたばかりの灯織が破局のピンチを迎えるお話です。めぐるはいい子だなぁ。

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ある日の事務所


めぐる「おはようございまーす!」ガチャ

めぐる「あ、灯織がいた! 今日も一緒にがんば」


灯織「ブツブツブツブツブツ」ズーン


めぐる「って、どうしたの!? なんだかすごく落ち込んでるみたいだけど……」

灯織「あ、めぐる……おはよう。今日は気持ちのいい朝だね……おえっ」

めぐる「めちゃくちゃ気持ち悪そうだけど! どうしたの、体調悪いの? しんどいなら今日は休んだ方が」

灯織「ううん、違う……体調じゃなくて、その……少し、悩みがあって」

めぐる「悩み? わたしで力になれることなら相談に乗るよ?」

灯織「めぐる………なら、頼ってもいい?」

めぐる「もちろんだよっ!」

灯織「ありがとう」

めぐる「それで、何があったの? あ、ゆっくりでいいからね」

灯織「その、実は……」

めぐる「うん」


灯織「プロデューサーと、別れることになるかもしれない……」


めぐる「………」

めぐる「ええーーーーーっ!!?」

灯織「おえっ」

めぐる「おえーーーーーっ!? あ、混ざった」

めぐる「って、いやいや! だって灯織とプロデューサー、この前お付き合い始めたばっかりでしょ? あんなに仲良しだったのに別れるなんてありえないよ!」

灯織「で、でも……最近ギクシャクしてて……ほら、よくあるでしょ。恋人になる前はうまくいってたけど、関係が進んだ瞬間歯車が狂う、みたいな」

めぐる「あー……まあ、確かにわたしも友達の話でそういうのは聞いたことあるかなぁ。でも、灯織とプロデューサーはそんな感じには見えないけど」

灯織「やっぱり、アイドルとプロデューサーが付き合うなんて禁忌だったんだ……禁じられし関係、戒めの縁、決して開けてはならないパンドラの箱……」

めぐる「灯織やー? なんか言葉遣いが変になってるよー」

灯織「あ、ごめん。現実逃避が中二病に現れてしまって」

めぐる「まあ、それはいいんだけど……んー。とりあえず、灯織がそう思った理由を聞かせてくれない? 何かあったからそう思ったんだよね?」

灯織「うん……じゃあ、まずはこの前の撮影で魔女の衣装を着たときのお話なんだけど」

めぐる「あの灯織、すっごくかわいかったなぁ。本物の魔法使いみたいだったよ」

灯織「ありがとう。私も、結構自信あったから、撮影の後にプロデューサーに感想を聞いたんだけど――」



灯織『プロデューサー。どうでしたか、私の魔女としての姿』

P『ああ、よかったよ。さすがだな、灯織は』

灯織『ありがとうございます……えっと』

P『ん?』

灯織『よければ、もう少し踏み込んだ感想をいただければ……と、思うのですが』

灯織『その……私達、一応……という関係ですし』

灯織『言ってくれなかったら、わるーい魔法をかけちゃうぞー……なんて』

P『………』

灯織『……プロデューサー?』

P『あ、ああ……その、なんだ』

P『……すごく、かわいらしかったぞ』プイ

灯織『………』



灯織「あれは絶対めんどくさい女の子だと思われて視線を逸らされた……! 答えるまで変な間が空いてたし、よく見たら顔も赤くなってて、きっと怒ってたんだ……」

めぐる「………」

灯織「以上、ひとつめです」

めぐる「え? おわり?」

灯織「おしまい」

めぐる「怒るよ?」

灯織「これでめぐるにもわかってもらえたと思うけど」

めぐる「わかんないわかんない! 灯織の言ってること全然わかんないよ!」

灯織「え……あ、そうか。めぐるはまだ、恋とかよくわからないって言ってたよね」

めぐる「そういうの以前の問題だって! というか今なんで煽ったの!」

めぐる「だってそれ、プロデューサー、照れてただけだよ」

灯織「えっ」

めぐる「急に灯織がかわいいこと言うからドキッとしちゃって返事が遅れて、それが照れ臭くて赤くなってただけっ!」

灯織「………」


灯織「あっ!!」

めぐる「もー……どんな話かと思ったら、ただの灯織の勘違いだったんじゃない?」

灯織「で、でもっ。まだ思い出アピールの弾は残ってる、から……!」

めぐる「そんな思い出でアピールされても困るよー!」

灯織「ふたつめは、先週の朝にプロデューサーの運勢を占った時のことなんだけど」



P『灯織に占ってもらうの、なんだか久しぶりな気がするな』

灯織『そうかもしれませんね。久しぶりなら、なおさら頑張らないと』

P『灯織の占い、好きだからな。期待してるぞ』

灯織『………』

P『………』

灯織(じっ、と睨まれてる……あんまり待たせないようにしないと)サッサッ

灯織『で、出ました』

P『もう出たのか? いつもはもっとかかってた気がするけど』

灯織(な、なぜかわからないけど残念そうな顔をしている……)

灯織『べ、べつに急いだからって精度は落ちませんからっ』

P『あ、ああ。そこは疑ってないよ』

灯織『なら、いいんですけど……えっと。プロデューサーの今日の運勢は……まあ、普通より少し上くらいですね』

P『平均よりは上って感じか? ならよかった』

灯織『あ、でも金髪の人と一緒に行動すると運気アップみたいです。めぐると一緒にいるのはどうでしょう』

P『なるほど……んー』

灯織『何か気になることでもありましたか』

P『……ちなみに、なんだが。黒髪の子だと、運気上がったりしないのか』

灯織『………』




灯織「あれは私の占いが信用できないってことに違いない……! 残念そうな顔がその証拠……!」

めぐる「鏡ーーーー!!」

灯織「うわっ、どうしたの急に」

めぐる「鏡! 見て! 自分の髪の色!」

灯織「………」ジーーー

灯織「………」


灯織「あっ!!!」

めぐる「わかった? プロデューサーは、灯織と一緒にいたいなーって思ったからそう言ったんだよ。もちろん、わたしや他のみんなと一緒が嫌ってわけじゃなくて……特別、灯織と一緒がいいってことなんだと思う」

灯織「そうだったんだ……」

めぐる「あと、多分睨まれてたんじゃなくて灯織の顔に見惚れてただけだし。占いが早く終わって残念そうな顔をしてたのは、その時間がプロデューサーにとって幸せだったからじゃないかな」

灯織「すごいね。どうしてそんなにわかるの」

めぐる「本当だよ!! もしかしたらわたし恋愛博士だったのかも!!」

めぐる「まあ実際はわたしが詳しいんじゃなくて灯織が鈍すぎるだけなんだけど」

灯織「うっ、厳しい……」

めぐる「優しいだけが友達じゃないんだよ? わたしは、灯織もプロデューサーも好きだから、ふたりにうまくいってほしくて厳しく言ってるの」

灯織「は、はい」

めぐる「それで、次のエピソードは? まだあるんだよね?」

灯織「え? あ、うん。それは、あるけど」

めぐる「もうここまで来たら全部ぶった斬るよー!」

灯織「ぶった斬る!?」

めぐる「さあ! さあさあ!」

灯織「ええと、その……ソファーで寝てるプロデューサーに毛布をかけようとしたら、ものすごい勢いで飛びのかれたこととか」

めぐる「それいきなり目の前に好きな人が出てきたからドキドキしてただけ!」

灯織「プロデューサーの家にお呼ばれした時にキスしそうな雰囲気になって、その時に餃子作りましょうかって言ったらやんわり断られた」

めぐる「もう自分で答え言ってるよね? キスの前に餃子食べたくないだけ!」

灯織「で、ですよね」

めぐる「次いくよー!」

灯織「は、はいっ!」



30分後


めぐる「………」

灯織「………」

めぐる「わたし、プロデューサーがかわいそうになってきたよ……ここまでマイナスな勘違いされちゃうなんて」

灯織「すみませんでした……」

めぐる「プロデューサーは、ずーっと灯織のことが大好き! はい、復唱!」

灯織「ぷ、プロデューサーは、ずーっと私のことがだいしゅき……」モジモジ

めぐる「はい、よく言えましたっ。これでもう大丈夫だね」

灯織「ごめん、めぐる。私、男の人と深い関係になるのって初めてだったから……少しナーバスになってしまっていたみたい」

めぐる「うーん、少し、少しかぁ……まあいっか!」

灯織「本当、迷惑かけちゃって」

めぐる「相談に乗るって言ったのはわたしなんだから大丈夫だよ。それよりわたし、『ごめん』よりも聞きたい言葉があるんだけどなぁ」

灯織「……あ」

灯織「ありがとう、めぐる」

めぐる「どういたしまして! えへへ」

灯織「これでもう私は間違えない……二度と。プロデューサーにも謝らないと」

めぐる「ちなみに、わたしも灯織のこと、ずーっと大好きだよ!」

灯織「めぐる……うん。私もめぐるのこと、ずーっと大好き」

めぐる「プロデューサーのことは?」

灯織「ずーっとだいしゅき……」モジモジ

めぐる「……にーっ」ニヤニヤ

灯織「あ、遊ばないでっ」カアァ

Comments

  • 藍川ナンデス@リクエスト募集中

    めっちゃいい

    March 3, 2021
  • 葛餅P

    めっちゃ良い コメディでラブしてて好き

    October 18, 2020
  • ささみ

    ”思い出アピールの弾”というパワーワード

    October 18, 2020
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