高齢化が進み、だれもが将来の不安に思う「社会的な孤立」。孤立しやすさは、生活環境や健康状態といった社会的・環境的な要因が大きいと考えられているが、遺伝的な個人差もわずかだが関与しているようだ。
そんな結果を、東北大と京都大、岩手医科大の研究チームが6万人超の遺伝情報を分析し、医学誌に発表した。脳や神経系の働きにかかわる遺伝子の近くの領域で変異がみられるという。
社会的孤立とは、家族や友人らとのつながりが乏しい状態をさす。今回の研究では、孤独さや寂しさといった個人の主観的な感情ではなく、実際のやりとりや支援関係の有無などで定量的に評価した。
人とのつながりは、家庭や職場、地域といった社会環境の中で形成される。だが、同じ地域や職場など似た環境にいても、人とのつながりが広がっていく人もいれば、周囲から遠ざかっていく人もいて、個人差がみられる。また、精神疾患や神経発達に関連する病気では、対人関係で困難さを示す患者もいる。
主観をはぶき評価、遺伝情報と組み合わせると
そこで研究チームは生まれつきの遺伝的な個人差が影響しているかを調べようと、宮城県と岩手県に住む一般の6万3497人(平均59歳)について、国際的な指標で家族や友人とのつながりについて質問したうえで、数百万カ所もの遺伝情報と照らし合わせ、社会的な孤立との関連を分析した。
質問票では「月に1回以上や…