透が進路希望に【お嫁さん】って書いたらしい。しかも俺の。
逆に考えるんだ、辞めちゃってもいいさ と。
一般人相手なら恋愛しようが結婚しようが何の問題も無い と考えるんだ。
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校内放送『浅倉透さん、至急職員室まで来てください』
小糸「と、透ちゃん、呼ばれてるよ」
雛菜「何かやったの〜?」
透「えー、なんだろ」
円香「出席日数とかじゃない? 最近忙しいから」
透「あー」
小糸「打ち合わせ……間に合うかな?」
円香「浅倉は後から来るって言っとく」
透「りょーかい。じゃ、行ってきやす」
――2時間後 事務所
小糸「透ちゃん……全然来ないね」
雛菜「怒られてるのかな〜?」
P「何かやらかしたのか?」
円香「さあ? 特にそんなことはなかったはずなんですが」
プルルルル
P「はい、283プロダクションです。はい、私が浅倉透のプロデューサーですが……え、はい、はい。わかりました! すぐ行きます!」
円香「どうしたんですか?」
P「透が進路希望に【お嫁さん】って書いたらしくてさ、しかも俺のって言い張ってるらしいんだ」
円香「は?」
P「だから直接説明してほしいって頼まれたんだよ。進路希望ってそういうことじゃないぞって」
円香「はぁ……世話の焼ける」
P「小糸、雛菜、すまないが少し待っててくれ」
雛菜「は〜い」
小糸「わ、わかりました……!」
雛菜「進路か〜。小糸ちゃんはどうするの〜?」
小糸「わ、私は……どうしよっかな……」
小糸(円香ちゃん……なんで当然のように一緒に行ったのかな……?)
――学校
先生「浅倉さん、そろそろプロデューサーさんが来てくれるそうですから、ちゃんとした進路を書いてください」
透「書いたじゃん。お嫁さん。プロデューサーの」
先生「だからそうじゃなくてですね……」
透「じゃああれしよ。三者面談。プロデューサーと」
先生「それは普通保護者の方とするものです」
P「すみません! 透は――」
透「あの人。プロデューサー」
先生「よかった……それじゃあ――」
円香「浅倉、書き方教えるからこっち来て」
透「……え?」
円香「ほら、早く。小糸たち待ってるから」
透「なんでいるの? 樋口」
円香「いいから」
透「うーす」
P「すみません、それで透の事ですが」
先生「……最初から樋口さんに頼めばよかった」
〜〜
透「あー、違うんだ。夢的なことじゃなくて」
円香「そう。卒業したらどうするかってこと」
透「じゃあお嫁さん」
円香「本気で言ってる?」
透「うん」
円香「じゃあ、アイドル辞めるの?」
透「え? なんで?」
円香「プロデューサーと結婚するアイドル、ファンが認めると思う?」
透「あー……」
円香「それにもし辞めたとして、事務所であの人は色んな人と会うでしょ。桑山さんとか鈴木さんとか」
透「盗られるかも、ってこと?」
円香「あるいは事務所でこっそり、とかね」
透「えー……」
円香「だからこうしたら? ここにはアイドルって書いて――」
〜〜
透「先生、書けました」
先生「浅倉さん! こんな男と結婚したら大変なことになりますよ!?」
透「どうしたの?」
P「いや、それが俺の仕事について話してたら……」
先生「話を聞く限り、仕事をしていないと死んでしまうような人じゃないですか! もはやマグロですよ!」
P「思ってた以上の勘違いをされている!? 円香! 何か言ってやってくれ!!」
円香「確かにこの人はマグロです」
P「円香!?」
先生「こんなのと結婚したら、結婚という名の監獄に幽閉されるハメになってしまうかもしれないのよ!?」
透「大丈夫だから。ほら、これ」
先生「あ……えーと、ですね。ゴホン。どれどれ……【アイドル】、ということは卒業後も今の仕事を続けるということですね」
透「はい」
先生「つまり結婚は諦めるんですね?」
透「結婚はする」
先生「大丈夫なんですか? アイドルが結婚なんてして」
透「稼ぐから。めっちゃ。そしたらさ、辞めれるじゃん。プロデューサー」
P「俺が辞めるのか!?」
先生「死んでしまうかもしれませんよ?」
P「死にませんよ!?」
透「美味しいから。マグロ」
P「透は透で変な理解をしている!?」
透「あるじゃん、最近。一般の人と結婚するアイドル。あれだから」
先生「……わかりました。進路希望としてはこれでいいです。あまり生徒の人生に口出しをするのも良くありませんからね」
透「イェー」
先生「すみません、プロデューサーさん。お忙しいところをわざわざ」
P「いえいえ、これも仕事のうちですから」
先生「ほら!! こんな人なんですよ!? 結婚なんてしたら家庭を顧みないで職場に泊まり込むようになるに決まってます!!」
P「先生は過去に何があったんだ……?」
先生「そして挙げ句の果てには不倫……ッ!!」
透「大丈夫。それも。捕食者、なんでしょ? 私。食べるから。浮気相手」
先生「じゃあ何ですか!? 私に魅力が無かったとでも言いたいんですか!?」
P「せ、先生! 落ち着いてください! 透の進路はこれでいいんですよね? この後、打ち合わせがあるので申し訳ありませんが失礼します!!」
透「失礼しゃーす」
円香「先生、私の進路なのですが」
先生「樋口さん、どうしたんですか?」
円香「やっぱりこっちでお願いします。それでは、失礼しました」
先生(たしか樋口さんは歌手に転向しようとして――)
【大学進学】
先生「……引退して結婚しようとしてる?」
先生ェ……