斎藤元彦知事の疑惑告発者の私的情報漏洩(ろうえい)問題で、神戸地検は27日、地方公務員法(守秘義務)違反罪で告発されていた斎藤氏と片山安孝元副知事を嫌疑不十分で不起訴とし、井ノ本知明(ちあき)・元総務部長を起訴猶予とした。詳細な理由は明らかににされず、職員らから「納得できない」といった声が上がったほか、県議からは「これを区切りとすべきなのか」など困惑する声も聞かれた。
漏洩したのは、斎藤氏の疑惑告発文書を作成した元県西播磨県民局長=令和6年7月に死亡、当時(60)=が公用パソコンに保存していた私的情報。県の第三者委員会は昨年5月、井ノ本氏が県議3人に漏洩したと認定。「知事や元副知事の指示で、情報漏洩を行った可能性が高いと判断せざるを得ない」と結論付けた。これを受け、大学教授らが刑事告発していた。
斎藤氏は情報の取り扱いに関する管理責任を取るとして自らの給与減額条例改正案を県議会に提出した。しかし、当時は告発をめぐる捜査が進んでいたことから議会は「判断材料となる事実関係がはっきりしていない」などとして3度にわたって継続審議とした。県は改正案を撤回したが、6月議会に改めて提出する見込みだ。
山口晋平議長は不起訴などの知らせを受け、「議会としても答えを待っていた。これを区切りとすべきかどうか、減額条例案への対応も含めて議論が必要だ」とした。ある県議は「知事が説明責任を十分に果たしているとは思っていない。結論が出たことを受けて文書問題の総括的な説明の場を新たに設けるべきだ」と述べた。
県職員からは「不起訴や起訴猶予の詳細な理由がわからない」「納得できない」という声が聞かれた。また、告発者を懲戒処分とした県の対応は〝告発者潰し〟だと指摘される中、別の第三者委も違法と認定したことから「漏洩については一定の決着になったかもしれないが、疑問は持たれ続ける」などの声が漏れた。