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ガチガチをしなやかにすると、未来が変わる? 高専生たちと「しなやかマインドセット」ワークショップを実施しました

こんにちは! アバナード西日本統括ディレクターの住岡晋一郎と、コーポレートシチズンシップ リードの日野紀子です。2024年7月10日と11日の2日間、奈良県にある国立奈良工業高等専門学校(以下、奈良高専)に2人でお邪魔して、特別授業を行いました。その模様をシェアしたいと思います。
 
奈良高専は、機械工学科・電気工学科・電子制御工学科・情報工学科・物質化学工学科と、5年制の本科だけでも5つの学科を擁する学校で、全国の高専の中でも指折りの、優秀な学生が集まる学校として知られています。
ユニークな教育の取り組みとして、2019年から「しなやかエンジニア教育プログラム」が行われています。これは、工学とは異なる分野の学びを通じ、複眼的な視点で物事を捉え、新しい価値を持ったモノを作り出すことができる「豊かな感性・表現力」を備えたエンジニアの育成を目的としています。正課外に自身の感性や表現力を磨くカリキュラとして、1年次に学科横断で参加希望を募り、選抜された約20人のメンバーが5年にわたって異分野の講義やワークショップを受講しています。
 
一方アバナードは、コーポレート シチズンシップ活動を「次世代・地方・環境に、持続可能なインパクトをもたらす」方針で行なっており、特に次の世代をリードしていく「チェンジメーカー」育成のプログラムに力を入れてきました。
 
その両者のコラボとして、今回奈良高専の「しなやかエンジニア教育プログラム」内の特別授業「成長を支えるしなやか〜マインドセット」を実施することになったのです。未来のテクノロジーを支えるチェンジメーカーたちと一緒に、「しなやかマインドセット/ガチガチマインドセット」について、手と頭と心を動かしたこの2日間は、想像以上にうれしい体験となりました。


1日目:「しなやか/ガチガチ」は、誰もが両面持っている

この日教室に集まったのは、「しなやかエンジニア教育プログラム」参加者のうち、就職や進学など、本格的に進路を考え始める3〜4年生の学生たち。「どんな授業が始まるんだろう?」という表情を浮かべていた学生さんたちに立ち上がってもらい、しなやかに体を伸ばすストレッチをすることから授業を始めました。

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1日の授業を終えた後、この特別授業に臨んでくれた学生さんたちの疲れが少しほどけたところで、今度は手と頭を動かしてもらいます。
 
配布したのは、このようなワークシート。普段の行動を振り返り、各項目に点数をつけ、スコアを計算してもらいます。このワークシートで、自分の「しなやかマインドセット」「ガチガチマインドセット」のスコアを測ることができるんです。

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 実際に点数を出してもらった後で、ところで「しなやかマインドセット」「ガチガチマインドセット」とは一体何なのか? というお話に移りました。

この2つのマインドセットは、英語では「グロース(成長型)マインドセット」「フィックスト(固定型)マインドセット」と表現されます。スタンフォード大学の心理学の教授が提唱している概念で、詳しくはこちらの本が参考になるかと思います。

『マインドセット──「やればできる!」の研究』(キャロル・S・ドゥエック 著 /今西康子 訳/草思社/2016年)

「ガチガチマインドセット」のスコアが高い人は、自分が出した結果が自分の能力や存在価値の評価に直結してしまう、能力は固定的で限界がある、と考えてしまいがち。自分の能力が高いことや、たくさんのことを知っていることを証明するために、何かに挑戦しようとしても、「失敗しそう……」「(周囲の人から)優れていないと思われそう……」と恐れ、挑戦を避けようとしてしまいます。「そんなことも知らないのか」と思われたくないため、わからないことを質問する、ということも苦手な傾向があります。
 
いわゆる“成功者”には無縁の価値観のように思えますが、世界的に有名な起業家もリーダーも、ガチガチマインドセットを全く持っていない、ということはありません。誰しもが、挑戦を前にひるんでしまう気持ちがあるはずです。
 
「しなやかマインドセット」のスコアが高い人は、自分の能力をもっともっと向上させることができる、と信じられる人です。自分がいかに他の人より優秀か、ということよりも、いかに成長できるかということに重きを置いているので、学ぶ機会を探して、自分のできることを増やしたいと考えています。変化をどんどん受け入れ、前向きに新しいやり方に取り組んでいくことができるのが、しなやかマインドセットです。
 
例えば、4歳児に簡単なジグソーパズルを手渡し、遊んでもらった後、「もう一度、同じ簡単なパズルで遊ぶ? それとも、もう少し難しいパズルに挑戦する?」と聞いてみるとします。
ガチガチマインドセットの強い子は、安心して遊べる(再現できる)一度遊んだ簡単な方を選びます。
しなやかマインドセットの強い子は、次々と難しいパズルに挑戦していきます。
 
「ガチガチ」「成長」という表現から、前者が悪いマインドセット、後者が良いマインドセットのように感じられるかもしれませんが、そうではありません。誰にでも両方の面があり、大事なのはこの二つを状況に合わせて、自分で、意思をもって選択することができる、ということです。
 
1日目の授業では、学生さんに「しなやか/ガチガチ」のマインドの傾向を測って、それぞれの意味を理解した上で、ガチガチマインドセットをしなやかマインドセットに移行する実践的なワークに取り組んでもらいました。


2日目:他の人のガチガチをしなやかに

2日目の授業は、1日目に学んだことの振り返りから始まりました。

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私たちはアバナードカラー・オレンジを身に着けて授業に臨みました

しなやかマインドセットを習慣づけるために必要なのは、「取り入れる」、「常に改善する」そして、「他の人を励ます」の3つのステップです。
「取り入れる」でまず、変化を脅威ではなく、前向きな挑戦としてとらえます。
次の「改善」では自らの進歩に集中し、他の人の意見を聞き学びにつなげます。
最後に、しなやかマインドセットを周囲の人にも伝播するために、模範を示します。

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アバナードはグロースマインドセット、しなやかマインドセットで仕事に取り組むことを会社全体で大事にしています。うちの会社では何か新しいことに挑戦するときも、周りの人が「その挑戦いいね!」「やってみなよ!」と背中を押してくれるんです、と学生さんに伝えたところ、「むっちゃ、ええ会社やなあ……」とつぶやく声が。そのコメントを聞いて、とてもうれしくなってしまいました。

 
この日は、より“自分ごと”化して「しなやか/ガチガチマインドセット」について考えるためのワークに取り組みました。
 
実は1日目の授業が終わった後、学生さんたちに「宿題」を出していました。その内容は、「これから挑戦したいこと」について考えてもらう、というもの。ざっくりした問いですが、苦手な科目をがんばるとか、資格を取るとか、晩酌を控えるとか(それは私たちですね、笑)、どんな目標でもいいんです。
 
ワークは3〜5人ずつのグループで行います。まず、ワークシートの「挑戦したいこと」について考えたときに思い浮かんだガチガチマインドセットの気持ちを書き出します。そこまで書いたら同じグループの他の人にシートを渡し、ガチガチをしなやかに切り替えるための応援の言葉を書き込みます。
ワークでの気づきを全体でシェアしてみると、「英語をがんばりたい」「ランニングを続けたい」などの目標に対して、ガチガチマインドで「自分には無理なんじゃないか」「続かないんじゃないか」「できないと恥ずかしい」など、自分の中で問題を大きく捉えて、できないと思い込んでしまう傾向が多くの人に共通していました。
 
その自分の目標とガチガチマインドに対し、他の人からは「自分のことだけに集中すればいいよ」「毎日ほんの少しでも続ければ、日々成長しているよ」などの言葉が書き込まれていきます。実はここが、今回のポイントです。
人に対して褒めたり励ましたりするうちに、「自分も明るい気持ちになった」「自分の問題を大きく考えすぎていたことに気づいて、気が楽になった」「自分もできるんじゃないかと思えた」と、グロースマインドセットの輪が広がっていくのです。短いワークの中でも、そんな相乗効果をお互いに感じ合ったようでした。
 
仲間にアドバイスを書き込んでもらったシートを見ながら、気づいたことをシェアして欲しいというと、何人もの学生の手が上がりました。

「普段は間違いを恐れてこういうときに発表することはないけれど、しなやかマインドになって、“間違ってもいいから、いまできる精一杯の回答をすればいい”と思って、勇気を出して話してみました」

「自分のガチガチマインドセットで抱え込んでいるより、他の人と共有して一緒に考えることが大事だと気がつきました」

「自分ではできないと思い込んでいたことも、しなやかマインドセットでできるようになるんじゃないかと思えるようになりました」

 

時には声を震わせながらも、次々と繰り出されるコメントのしなやかなパワーに圧倒されて、胸がいっぱいになりました。私たちが普段会社で意識してきたことは、人の未来を変える力があるのだと、改めて気付かされた瞬間でした。

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授業の最後に、みんなでハイファイブ!


しなやかマインドセットで、可能性をもっと広げて

特別授業のきっかけを作ってくださった顯谷智也子先生(女性エンジニア養成推進センター)も、普段は手を上げることに少し躊躇してしまう学生が、率先して手を挙げて質問をしたり、講義の感想を述べるなど、授業の中で早速見られた変化に驚きを隠せない様子でした。
 
終了後に学生のみなさんに書いていただいた振り返りシートでは、

「一歩踏み出してみることが大切なのだと改めて思えた」
「新しい自分を見つけられた」
「失敗しても自分を責めずに『成長できた』と褒める心を持とうと思った」

などの声が寄せられました。

高専出身者も多く活躍するアバナードでは、未来を担う若いチェンジメーカーの育成に力を入れています。しなやかマインドセットを持った人たちがいるチームは、きっとこの先もお互いに良い影響を与え合いながら成長していける。そこで成長した人材が、やがてテクノロジーの世界をリードしていく──そんな未来像を目の当たりにして、アバナードのコーポレート シチズンシップ活動が「次世代・地方・環境に、持続可能なインパクトをもたらす」ためにあるのだということを、改めて確信した2日間でした。

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