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職場でモラハラを受けたらどうする?具体例・対処法・訴える際の流れを解説

監修者
磯田 直也
弁護士
職場でモラハラを受けたらどうする?具体例・対処法・訴える際の流れを解説

モラハラは、よく夫婦間で取り上げられるトラブルのひとつですが、職場で発生するケースも多々あります。

参考までに、厚生労働省が公表している「令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、総合労働相談コーナーに寄せられた労働相談のうち「いじめ・嫌がらせ」に関する相談が5万4,987件と最多であるとの調査結果も出ています。

「いじめ・嫌がらせ」の中にはモラハラに該当しないものも含まれている可能性はありますが、それでも職場でのモラハラに悩んでいる方は一定数存在することがうかがえます。

令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況|厚生労働省
引用元:令和6年度個別労働紛争解決制度の施行状況|厚生労働省

本記事では、職場におけるモラハラの具体例やパワハラとの違い、職場でモラハラを受けた場合の対処法や訴える場合の流れなどを解説します。

職場でのモラハラで悩んでいる方へ

職場でモラハラを受けた場合、会社への改善要求書の送付・損害賠償請求・刑事告訴などの対応を検討しましょう。

ただし、全て自分で対応しようとすると手間がかかりますし、素人では適切に手続きを進められないおそれもあるため、弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士なら、モラハラ問題の解決に向けて取るべき手段をアドバイスしてくれるだけでなく、以下のようなサポートも望めます。

  • 会社に改善要求書を送付してくれる
  • 損害賠償請求で必要な手続きを一任できる
  • 刑事告訴の手続きを手助けしてくれる など

当社が運営する「ベンナビ労働問題」では、モラハラなどのハラスメント問題に注力している全国の弁護士を掲載しています。

初回相談無料の法律事務所もたくさんあるので、一人で悩まずにまずは相談してみましょう。

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職場におけるモラハラとは

ここでは、モラハラの定義やパワハラとの違いなどを解説します。

モラハラ(モラルハラスメント)の定義

モラハラとは「モラルハラスメント」の略であり、法律用語ではないため特に明確な定義があるわけではありません。

一般的には「相手に対して精神的にダメージを与えることを目的としておこなわれる嫌がらせ」のことを指す用語として用いられています。

モラハラは夫婦間で発生しやすいもののひとつですが、職場で発生するケースも多々あります。

具体的にどのような行為がモラハラに該当するのかは「職場で起こるモラハラの具体例4つ」で後述します。

モラハラとパワハラの違い

モラハラと混同されやすいものとして「パワハラ」があります。

モラハラもパワハラもハラスメントの一種ではありますが、主に以下のように「当事者同士の立場」や「身体的暴力の有無」などの点で異なります

  • モラハラ:職場での役職や立場に関係なくおこなわれる精神的な嫌がらせのこと
  • パワハラ:職場での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えておこなわれる精神的・肉体的な嫌がらせのこと

たとえば「上司に顔を殴られた」「胸ぐらを掴まれた」「物を投げつけられた」というようなケースでは、パワハラに該当する可能性があります。

いずれにしても、実際に被害に遭った際は社内窓口や社外窓口に相談したり、裁判を起こしたりするなどして加害者や会社に対する責任追及をおこなうことが可能です。

職場で起こるモラハラの具体例4つ

職場で起こるモラハラの具体例としては、主に以下の4つがあります。

  1. 言葉で精神的苦痛を与える
  2. 人間関係から切り離す・無視する
  3. プライベートに過剰に干渉する
  4. 過剰に仕事を押し付ける・過少な仕事しか与えない

1.言葉で精神的苦痛を与える

モラハラに該当する行為のひとつとして「非難できるポイントを見つけて、しつこく言葉で責める」というのがあります。

一例として、以下のような行為が挙げられます。

  • ほかの従業員もいる中で「仕事が遅い」「仕事が雑」などの注意を過剰に繰り返す
  • 「お前は生きている価値がない」「給料泥棒」などと人格否定するような暴言を吐く
  • 「ハゲ」「太った」などと容姿をからかう など

仕事中にミスがあった場合、注意指導がされるのは当然です。

ただし、通常の注意や指導を超えて主観的評価を押し付けてくるような場合や、ささいなミスを大げさに指摘されて執拗に注意されるような場合などはモラハラに該当する可能性があります。

2.人間関係から切り離す・無視する

「人間関係から切り離す・無視する」というのもモラハラの代表例のひとつです。

「人間関係の切り離し」とは、以下のような職場内での人付き合いから隔離することを意味します。

  • 挨拶を無視する
  • 会社内の飲み会やランチに誘わない
  • 業務上必要な連絡をしない など

会社という組織で働くうえでは、職場内で良好な人間関係を築くことも大切です。

職場内での人間関係から切り離すということは、被害者の尊厳を傷つけて職場環境を悪化させることにもつながるおそれがあり、モラハラに該当します。

3.プライベートに過剰に干渉する

モラハラの代表例として「プライベートに過剰に干渉する」というのもあります。

プライベートへの過剰な干渉とは、以下のような個人のプライバシーに過剰に立ち入る行為のことを意味します。

  • 「土日は何をしてたの?」「誰と遊んでたの?」などと私生活をしつこく聞き出す
  • 家族構成や恋愛関係などを根掘り葉掘り聞く
  • 夜間や休日などの勤務時間外に連絡して付き合いを強要する など

あくまでも職場は仕事をする場所であり、基本的に私生活上の事柄とは切り離された世界です。

職場内での関係性を飛び越えて、私生活上の事柄やプライバシーに立ち入るような行為はモラハラに該当します。

4.過剰に仕事を押し付ける・過少な仕事しか与えない

上記以外にも「過剰に仕事を押し付ける・過少な仕事しか与えない」というのもモラハラの代表例です。

一例として、以下のような行為が挙げられます。

  • 仕事を取り上げて何もさせない
  • 本来の業務とは無関係な雑用を押し付ける
  • 1人では処理しきれない膨大な量の仕事を押し付ける など

円滑に業務を進行していくためには、それぞれが持っている強みを活かしつつ、弱みは他者が補完するなどの協力し合う体制を取ることが大切です。

特定の従業員に極端に多くの業務を負担させたりすることは、本人が本来持っている力を十分発揮できずに今後の成長にも悪影響を及ぼすおそれがあり、モラハラに該当します。

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職場でモラハラを受けた場合の3つの対処法

職場でモラハラの被害に遭った場合、主な対処法としては以下の3つがあります。

  1. 会社に改善要求書を送付する
  2. 社内窓口や社外窓口に相談する
  3. 退職・転職する

ここでは、それぞれの対処法について解説します。

1.会社に改善要求書を送付する

一つ目として、会社に改善要求書を送付するという方法があります。

改善要求書とは、モラハラなどのハラスメント行為を受けている事実や、加害者に対してハラスメント行為を辞めるように指導・管理を求める旨などを記載した書類のことです。

改善要求書を送付することで、会社側が現状を把握して解決のために動いてくれる可能性があります。

なお、改善要求書を送付する際は内容証明郵便を利用するのが有効です。

内容証明郵便とは、差出人・宛先・差出日時・内容などを郵便局が証明してくれるサービスのことです。

内容証明郵便を利用することで、こちら側の本気度が会社側に伝わりますし、裁判で「書類を送って通知した」という事実を証明する際の証拠としても働きます。

具体的な記載内容はケースによっても異なりますが、一般的には以下のような形で作成します。

内容証明郵便

2.社内窓口や社外窓口に相談する

二つ目として、社内窓口や社外窓口に相談するのも有効です。

社内の人事部・総務部・コンプライアンス部などに設置されている相談窓口を利用すれば、会社側が現状を把握して解決のために動いてくれる可能性があります。

もし社内では解決が難しそうな場合や、社内窓口が十分に機能していない場合などは、社外窓口に相談しましょう。

モラハラなどのハラスメント問題を相談できる社外窓口としては、主に以下があります。

  1. ベンナビ労働問題
  2. 都道府県労働局雇用環境・均等部(室)
  3. 総合労働相談コーナー
  4. 法テラス
  5. みんなの人権110番
  6. ハラスメント悩み相談室
  7. 弁護士会の法律相談センター
  8. こころの耳 など

各窓口の特徴やサポート内容については、以下の関連記事をご覧ください。

関連記事:ハラスメントの相談窓口10選!相談の流れ・選び方・ハラスメントの種類を解説

3.退職・転職する

三つ目として、自分が会社を退職・転職するという選択肢もあります。

日々業務をおこなうにあたって、職場の雰囲気や人間関係などは重要な要素のひとつです。

もし「自分にとって満足に働ける環境ではない」と感じているのであれば、別の環境へ移るのも有効です。

ただし、いきなり仕事を辞めてしまうと、なかなか次の仕事が見つからずに生活が苦しくなるおそれもあるため、可能であれば在職中に転職活動を済ませておくことをおすすめします。

転職サイトや転職エージェントを積極的に活用して、自分に合った転職先を探しましょう。

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職場でのモラハラ被害を訴える場合の流れ

職場でモラハラの被害に遭った場合、裁判を起こして賠償金の支払いを求めたり、警察に被害を訴えて動いてもらったりするという選択肢もあります。

ここでは、モラハラ被害について訴える場合の手続きについて解説します。

1.モラハラの証拠を集める

モラハラ被害について訴える場合、まずは証拠を集めておく必要があります。

どのような被害を受けているのかを示す証拠がなければ、加害者が反論してきた際にうまく返せなかったり、自分の主張が認められなかったりする可能性があります。

たとえば、以下のようなものであればモラハラの証拠になり得ます。

  • モラハラを受けた際の音声データ
  • モラハラ加害者とのメールやLINEのやり取り
  • モラハラの被害内容を記録したメモやノート など

なお、自分でモラハラの被害内容を記録する際は、以下のように被害日時・場所・加害者の言動・被害後の心境や体調などをなるべく詳しく書いておくことで証拠能力が高まります

モラハラの被害内容を記録したメモやノート

2.労働審判や訴訟を申し立てる|慰謝料請求・損害賠償請求する場合

モラハラ被害について損害賠償請求する場合、直接交渉では解決が難しければ法的手段に移行し、まずは労働審判を申し立てるのが一般的です。

労働審判とは、原則3回以内の期日で解決を図る手続きのことで、訴訟よりもスピーディな決着が望めるという点が大きな特徴です。

労働審判委員会が当事者同士の間に立って話し合いが進行し、当事者双方が合意した場合は調停成立となって終了し、合意しなかった場合は審判が言い渡されます。

もし審判に対して異議申し立てがあれば、最終手段として訴訟に進むことになります。

訴訟に進む場合、当事者双方が出廷してモラハラ被害や賠償金に関する主張立証をおこない、十分に尽くされた段階で裁判官による判決または和解となって決着が付けられます。

3.刑事告訴する|モラハラ加害者への処罰を求める場合

モラハラ加害者に対する処罰を求める場合、刑事告訴の手続きをおこないます

モラハラが悪質なケースでは、以下のような犯罪が成立して拘禁刑や罰金刑などの刑事罰が科される可能性があります。

犯罪 罰則
名誉毀損罪 3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑(刑法第230条
強要罪 3年以下の拘禁刑(刑法第223条
脅迫罪 2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金刑(刑法第222条
侮辱罪 1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金刑、または拘留もしくは科料(

刑事告訴する際は、証拠を持参して捜査機関に行き、被害事実を申告する必要があります。

注意点として、必ずしも警察が動いてくれるわけではなく、なかには「十分な証拠が揃っていない」「犯罪には該当しない」などと判断されて動いてくれないケースもあります

職場でのモラハラを弁護士に相談・依頼する3つのメリット

職場でのモラハラで悩んでいるなら、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

弁護士に相談・依頼することで、主に以下のようなメリットが望めます

  1. 最適な解決方法を判断してくれる
  2. どのような証拠が必要かアドバイスしてくれる
  3. 加害者との交渉や裁判手続きを一任できる

ここでは、職場でのモラハラ問題における弁護士の必要性について解説します。

1.最適な解決方法を判断してくれる

弁護士にモラハラ被害を相談すれば、最適な解決方法をアドバイスしてくれます

「職場でモラハラを受けた場合の3つの対処法」や「職場でのモラハラ被害を訴える場合の流れ」でも解説したとおり、モラハラ被害の対処法はさまざまあります。

素人が自己判断で動いてしまうと、選択を誤って余計な手間がかかったりして問題解決が長引いたりするおそれがあります。

弁護士にアドバイスしてもらうことで、問題解決に向けて迅速かつ確実に動き出すことができます

2.どのような証拠が必要かアドバイスしてくれる

弁護士に相談すれば、必要な証拠や収集方法などもアドバイスしてくれます。

モラハラ被害を主張する際は、モラハラを受けたことを示す客観的な証拠が必要です。

特にモラハラの場合、パワハラのように目に見えるけがを負ったりするわけではないため、証拠集めが難しいハラスメントのひとつでもあります。

弁護士にアドバイスしてもらうことで、自分の場合は何を集めればよいかが明確になり、十分な証拠を確保して被害事実を立証できる可能性が高まります

3.加害者との交渉や裁判手続きを一任できる

弁護士なら、ハラスメント差止要求書の作成・損害賠償請求・刑事告訴などの手続きを一任することもできます

全て自力で対応することも可能ですが、素人では記載漏れに気付かないままハラスメント差止要求書を送付してしまったり、慣れない裁判手続きに戸惑ったりするおそれがあります。

特に裁判手続きは複雑で手間がかかるため、適切に対処するには弁護士の力が必要不可欠です。

弁護士に代理人になってもらうことで、モラハラ被害の対応にかかる手間が大幅に軽減できますし、ミスなくスムーズな手続きの進行が望めます。

さらに、法律知識や交渉ノウハウなどを活かして尽力してくれるため、自力で対応するよりも納得のいく結果を得られる可能性が高まります

職場でのモラハラに関するよくある質問3選

ここでは、職場でのモラハラに関するよくある質問について解説します。

1.職場でのモラハラの例は?判断基準は?

職場で起こるモラハラの具体例としては、主に以下の4つがあります。

  1. 言葉で精神的苦痛を与える
  2. 人間関係から切り離す・無視する
  3. プライベートに過剰に干渉する
  4. 過剰に仕事を押し付ける・過少な仕事しか与えない

なお、モラハラには法律上の明確な定義や判断基準はないため、素人では適切に判断できないおそれがあります。

モラハラが疑われるのであれば、弁護士に相談して判断してもらうことをおすすめします。

2.職場でモラハラを受けたらどうすればいいですか?

職場でモラハラを受けた際は、以下のような対応を検討しましょう。

  1. 会社にハラスメント差止要求書を送付する
  2. 社内窓口や社外窓口に相談する
  3. 退職・転職する
  4. 損害賠償請求する
  5. 刑事告訴する

ただし、状況に応じて最適な選択肢は異なります。

選択を誤って余計な手間がかかったりすることを避けたいのであれば、弁護士に相談してアドバイスしてもらいましょう。

3.モラハラで請求できる慰謝料相場はいくら?

モラハラ被害に関する慰謝料相場は、数十万円~100万円程度です。

ただし、実際にはモラハラの頻度・期間・悪質性・反省の態度などの事情を総合的に考慮したうえで判断されるため、場合によっては上記の範囲内に収まらないこともあります。

なお、弁護士に慰謝料請求を依頼する際は、着手金・報酬金・実費などの弁護士費用が発生します。

なかには慰謝料よりも弁護士費用のほうが高くついて費用倒れになる場合もあるため、事前に「獲得見込み額」や「依頼費用の総額」を確認してから依頼することをおすすめします。

さいごに|職場でのモラハラで悩んでいるなら、ベンナビ労働問題で相談を

職場でモラハラを受けている方にとって、弁護士は心強い味方となって動いてくれます

弁護士なら、最適な解決方法や証拠の集め方などをアドバイスしてくれるだけでなく、代理人として損害賠償請求や刑事告訴などの手続きを進めてもらうことも可能です。

法律相談だけの利用も可能ですので、「とりあえず話だけ聞いてみたい」という方も気軽にご相談ください

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株式会社アシロ編集部
編集者
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