マイナス273度,というのは,絶対零度 0 K のことでよろしいでしょうか。以下この解釈で話を進めます。
そもそも,温度とは何でしょうか。日常的には,「温度計が示す値」としておけば問題ありません。学部レベルの熱力学の教科書には,初めに「経験的温度」として,この種の温度を導入するものもあります。
しかしながら,“経験的”という言葉が付されていることからも分かるように,物理学の議論で用いるには些かナイーヴな感が否めません。経験的温度を導入する教科書でも,その後でCarnotサイクルを使って操作的に「熱力学的温度」を定義するのが一般的です。
この流儀で,「絶対零度」という温度は,温度の基準を定めること以外に,定義上は特別な意味をもちません(注:以下の定義が定理として導かれるため,結果として意味をもつことになります)。
個人的には,これとは異なる熱力学的温度の定義を好んでいます。熱力学的温度Tとは,
によって定められるものを指します(ここで,右辺はエントロピー S を,示量的な変数 X を固定したまま内部エネルギー U で偏微分して,そのときの内部エネルギー U と示量変数 X を代入した値を表します)。
ここで用いるエントロピーの定義は,系のとりうる状態数 W(E) を用いた統計力学的な定義,
としておけば,循環論法には陥りません(ところで,エントロピーは平衡状態にのみ定義できます。したがって,非平衡状態に温度は定義できません)。
この定義で T = 0 とは,
を指します。
この式は,エントロピーを内部エネルギーのグラフとして書いたとき,エントロピーが正の無限大または負の無限大に発散するような内部エネルギーの値のときに,T = 0 である,ということを意味しています。

普通,エネルギーに上限はなく,またエネルギーは内部エネルギーに関して偏微分可能なので,ここでは右のグラフのように,エントロピーが負の無限大に発散する,すなわち,可能なエネルギーの下限が絶対零度である,という解釈をします。
したがって,絶対零度よりも低い温度は存在しません。
ただし,「エネルギーに上限がない」ことを仮定しているので,エネルギーの上限が存在するような特殊な系に対しては,便宜的に負の絶対温度を考えることもあります(がおそらくご質問の意図からは外れていると思います)。このような系は,平衡状態に置くのが難しいので,実験的には準安定状態で代用します(準安定状態に厳密な意味での熱力学的温度を定義することはできないので,その意味でも,便宜的なものです)。
本題に戻って,絶対零度よりも低い温度に“素粒子”が存在しうるか,というご質問ですが,ここまでの議論のとおり,厳密な意味では存在しえない,というお答えになるかと思います。