日本ハム・新庄監督が語る、選手を1億円プレーヤーに変える育成術「短所はほとんど無視します」
◆「俺のやり方でやる」完投への執念
南原:「新庄監督には、こういうチームを作りたいというイメージはあるんですか? 例えば昨年は、昔のように完投を多くしようと言って、『12球団最多の先発7人で23完投』という記録を作りました。昔の野球が理想なのか、令和に沿った野球が理想なのか」 新庄:「僕は就任会見で、『完投を昔のように増やしたい』と言いました。100球近くなるとピッチングコーチが『球数なので変えましょう』って言うけど、『誰が決めたん? 俺が決めるんや。ここから伸びるかもしれない。うちは中6日じゃなくて中8日だし、125球までいくよ。負けたら俺のせいでいいから』って。そしたらもう抑える抑える。 その時、中継ぎはあまり調子がよくなかったので、抑え方をわかっている先発ピッチャーでいかせたほうがいいんじゃないかという考えもありました。実際にいかせたら、しっかり9回を抑えてくれました。7回ぐらいで達(孝太)くんを代えようとしたら、めっちゃ怒ります。『情けない。なんで7回で降りないといけないんだ』って。でもこれを急にやれって言ってもできないです。1年目9完投、3年目で11完投、4年目で23完投とか。今年は31完投ぐらいできたら、他のチームも真似しだすかな」 南原:「あそこができているんだから、あの若さでやってるんだからと」 新庄:「そう。そのためにはやっぱり他のチームも先発投手が8人ぐらいいりますよね。8人で回すとなると完投させられる」 南原:「そこはもう我慢ですよね」 新庄:「もう我慢のみです。引っ張って打たれて負けたら、ボロクソ言われます(笑)。5回成功しても1回失敗するとピッチングコーチが『ほらね』みたいな顔をしますし。でも、そんなの関係ない。俺のやり方でやるっていう気持ちはあります」 南原:「『俺が責任を持つんだから』という覚悟ですね」 新庄:「だから、プレッシャーのかかる試合でもあえて新人の選手や調子の悪い選手を使ったりします」 南原:「高卒1年目の柴田(獅子)投手を大事なところで初めて投げさせたりしましたよね」 新庄:「あれは結構フロントと揉めました。『1年目の高校生をプレッシャーのかかる場面で使うと、故障につながるから』って。でも柴田くんは大丈夫なんです。『いくぞ』と押し切って使ったら、見事に抑えてくれて、相手バッターも『すごいボール放りますね』って言ってくれた。正解だったなって思いましたね」 ◇ 新庄剛志×南原清隆対談、第2回では「打倒ソフトバンク」の核心へ。データが示す“リーグ最下位の指標”を改善すれば、日本ハムは優勝できるのか? 新庄監督が導き出した驚きの攻略法に南原が迫った。