「もう絶望」 貯水率0% “茶色の渓谷”となった愛知の宇連ダム 隣県・静岡の巨大ダムからの供給が“最後の砦”も…5月以降がルール
農業用水からホースで水を引き、何とか菌床だけは生かしていますが、限界が近づいています。 (井上副社長) 「先が見えない。どうしようもできないのが、もどかしい。自然の前では無力」 ■「水がないと田植えができない」 そして、田植えを迎える稲作は最も大きな影響を受けます。 (JA豊橋 指導推進課 高須雄司係長 3月25日 愛知・豊橋市) 「(田植え前の)この時期に水がなくなることは、今まで経験したことがない。コメの品質にも関わってくる問題」 間もなく田植えに向け、土を作る「代かき」が始まりますが… (JA豊橋 営農販売課 津田育男課長補佐) 「通常は土が見えない状況まで水を張るが、節水対策で水が2割程度見えるくらいで行う。『浅水代かき』という対策ができるかなと考えている」 しかし、田植えではやはり水を張る必要があり、不安は尽きません。 (津田課長補佐) 「水が入らないことには、田植えができない。不安でしかない」 ■美容室や病院にも節水の波が… さらに市民生活も。訪ねた美容室では、カットのみの場合はシャンプーなしの「節水メニュー」を用意しています。 (pokkecise 橋口陽子さん 3月25日 愛知・豊橋市) 「『シャンプーなしで良いよ』と、積極的に協力してくれる方が増えた。断水になったら店は営業できなくなる。それが一番不安」 そして、病院は… (豊橋市民病院 事務局管理課 戸川雄介さん 3月17日 愛知・豊橋市) 「トイレの水量を絞っていて、普段の半分程度に」 トイレの節水はしていますが、治療に水は不可欠。人工透析で、1回120リットル。機材の洗浄などにも、その都度大量の水が必要です。 (豊橋市民病院 臨床工学技士 鈴木菜美子さん) 「必要な治療が患者さんに提供できない事態にならないか心配」 ■最後の頼みの綱は… 静岡・佐久間ダム 川の下流からポンプで水を取る苦肉の策も行われるなど、まさに危機的状況ですが、豊川用水の水不足はこれまでもたびたび起きてきました。 そもそも宇連ダムそのものが中程度の河川に作られ、雨にしか頼れません。このため、隣の天竜川の支流からも水を引き入れ、調整池や別のダムも作りましたが、それでも渇水は起きています。 こうした時の「最後の頼みの綱」が、静岡県の佐久間ダム。天竜川に作られた発電用の巨大ダムで貯水量は宇連ダムの7倍。水源は長野県の諏訪湖で、アルプスの雪解け水も集めるこのダムは、3月25日時点でも水をたたえていました。