#見吉奈央
遅発反応には、炎症を起こす顆粒球の仲間、好酸球や好塩基球が加わっています。

ぜんそくの遅発反応では好酸球、好塩基球が主役となります。

これらのうちの好塩基球は、白血球の約1%を占める少数派ですが、ロイコトリエンを大量に放出することで気道収縮を起こします。好塩基球がロイコトリエンを放出すると血管の透過性が亢進され、アナフィラキシー・ショックが起こりますが、気管では遅発反応が起こるのです。

一方の好酸球もロイコトリエンを放出しますが、それ以上に問題となるのが気管粘膜の上皮細胞に対する傷害です。

好酸球は、特殊な酵素を分泌することで粘膜細胞を剥がしていったり、その下の基底膜の絨維化や平滑筋の肥大化を促したりします。その結果、気道はどんどん狭くなっていきますが、これはヒスタミンによって起こる気道の収縮のように一時的なものではなく、いったん狭くなると元に戻りません。

こうした気道の変形は「気道リモデリング」と呼ばれ、ぜんそくの慢性化を促し、発作を深刻なものにする最大の要因と言えるものです。

たとえば、閉めきった寝室にはダニの糞や死骸が漂っていることが多く、ダニアレルギーのある子供が寝室に入るとすぐぜんそくの症状が現れますが、これは即時型アレルギー反応であるため、ほとんどは1時間以内に治まります。

つねに発作がある場合、就寝前に気管支拡張剤などを飲んでおけば症状を抑えることも可能ですが、遅発反応が現れるのは6時間ほど先のことです。ぜんそく持ちの子供が明け方にひどい発作を起こすのはそれゆえでしょう。

こうした発作が起こり、好酸球や好塩基球によって気道が傷害されていくと、ぜんそくの改善はどんどん難しくなっていきます。気道リモデリングが進行する前に炎症を最小限に抑えていくことが、ぜんそく治療の基本と言えるのです。


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