廣岡達朗コラム「セ・リーグはダントツで阪神優勝、ただし藤川球児監督は勘違いするな」
どれだけ人を残せるか
WBCは侍ジャパンの準々決勝敗退で終わった。 あれだけメジャー・リーガーを集めて負けたということはどこかに原因がある。何が間違っていたのか、それは評論家が後付けでとやかく言う問題ではない。チームを預かった井端弘和監督が謙虚に結果を受け止め、己の今後の野球人生のために薬とするべきである。 【選手データ】藤川球児 プロフィール・通算成績 さて、シーズン開幕が直前に迫ってきた。 私の優勝予想はセ・リーグでは断トツで阪神である。投手陣も野手もコマがそろっている。守備では中野拓夢がいい。彼は捕ってから投げるまでが速い。私の持論は「捕ってから投げろ」ではなく「投げるために捕れ」。それを彼は実践している。 ただし、藤川球児監督は昨年リーグ優勝したからと言って勘違いしてはいけない。なぜ就任1年目から答えを出せたのか。現状戦力の素材を見極めて獲得したスカウト、それを育てた前任の監督、コーチの賜物であることを肝に銘じるべきだ。 むしろ、藤川監督の真価が問われるのは次代の主力を育てる能力があるか否か、そこにかかっている。 監督にとって大切なのは目の前のシーズンを勝つこともそうだが、どれだけ人を残せるかである。それがチームの伝統としてつながっていく。 私が1985年限りで西武監督を辞任した後は、戦力を受け継いだ後任の森祇晶が上手に運用して黄金期と称される時代を拡大発展させた。森は選手を育てる能力はないが、その戦略眼は私も認めている。だから、仮に私が50歳若返って監督を務めるとしたら、今でも森をヘッドコーチとして使うと言うのだ。
阿部監督は何を考えているのか
一方の巨人。阿部慎之助監督は開幕投手にドラフト1位ルーキーの竹丸和幸を起用するという。何を考えているのか。プロで戦うだけのスタミナがない新人が通用するプロ野球なら、極端に言えば、やめてしまえばいい。既存の投手のプライドはどうなるのか。もうひとつ、主戦投手が負ければ批判にさらされるが、新人を開幕投手に使えば結果を残せなくても「やっぱり無理だったか」となる。竹丸の起用は批判の矛先をかわすための方便にしか私には思えないのだ。 野球は投手陣が勝敗の大半を左右する。点を取られなければ野手が打てなくても0対0の引き分け。にもかかわらず巨人投手陣の柱が育っていないのは問題だ。 峠を過ぎた田中将大を使ってダメなら、コーチがクビになればいい。クビになりたくなければ勉強するしかない。そういう危機感を持たせて、全体が良くなっていけばいいのだ。