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十五夜に吠える/Novel by にょろり

十五夜に吠える

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十五夜だなーとか思って軽率なパロものです。
人狼槍と研究者弓みたいな。
気が向いたらちゃんと練って書いてみたいななんて。

ここまで読んでいただき感謝感激!ありがとうございます!

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遠くで遠吠えが聞こえる。
何を訴えているのか、何を想って奏でているのか。

---まるで、野生の音楽だな

耳を澄ませて聞き惚れる。
響く声をいつまでも覚えてられるように。
そして、応えるように聞こえない笛を吹いた。

「待ったか。」
「いや。」
待ち人はすぐに来た。決して交わることがなかったであろう種族のひと時の逢瀬。
彼は会うと必ず私の首筋を嗅ぐ。習性だろうがくすぐったいので中々慣れない。
ふと、思ったことを口にする。
「君は、いつも何を思って吠えているんだ?」
「…それは、まぁ、うん。そのうち教えてやるよ。」
ぽりぽりと鼻を掻きながら、目を逸らされる。
蒼い毛並みに朱い瞳。存在そのものは人ではないと訴える。まるで神話から出てきそうだ。
たまたま、研究に訪れた地で遭難し運良く助けてくれた人狼の彼。無事に拠点に戻った今も時折満月の夜に会うことを約束した。
「ランサー、君は。…いや、何でもないさ。」
「あ?言いたいことがあるならはっきり言えよ。」
「…そのうちな。」
あと何回君に会うことができるだろうか。限られた数少ない逢瀬で君に何を伝えれるだろうか。
去る者としては、無駄な感情を植え付けたくない。確約できない約束はしたくはない。
君と、私は"違う"のだから。

「なぁ、今日も持ってきてんだろ?早く食わしてくれよ。」
「あ、あぁ。今回は君のリスエストの月見団子も作ってきたぞ。」
助けられた時お礼にと持っていた食料を調理したものを振舞ったら大層喜ばれたこともあり、逢瀬の際には晩酌に敵う料理を持ってくるようにと希望されたのだ。それ以来、作っている。その料理には伝えることのない愛を混ぜ込んで。


なんて、考えているだろうな。と自惚れているのだが。出会った当初に比べ味付けが俺好みになっている。これが愛でなければ何だというのか。
相手がこちらに伝える気がないのは百も承知だが、かといってそうやすやすと逃すほど甘くはない。
胃袋掴まれたんだ、種族がどうとかいらぬ考えをしているのだろうが、こちらとしてはどうだって良い。

「逃すわけねぇだろ……。」
「……?何か言ったかランサー?」
「いんや、何でも。」
晩酌のつまみに持って来させた、月見団子を口に頬張る。
「あぁ、やっぱうめぇな……。」

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