大阪市にある福祉関連会社「絆ホールディングス(HD)」傘下の事業所が障害者の就労支援の加算金を過大に受給したとされる問題で、市は傘下の四つの事業所が2024~25年度に計百数十億円を不正受給したと判断し、行政処分する方針を固めた。市関係者が取材に明らかにした。市が支給した分を返還請求する。
絆HDはグループ会社が「就労継続支援A型事業所」を大阪市内で複数運営。関係者によると、「リアン内本町」「レーヴ」「リベラーラ」など4事業所で加算金の不正受給が確認されたという。
問題となった加算金は「就労移行支援体制加算」と呼ばれ、事業所の利用者が一般企業などに就職して半年以上働いた場合、自治体から事業者に支払われる。障害者が働き続けるため、事業所の継続的な支援をサポートするのが目的だ。
不正受給が明らかになった4事業所は利用者を自分たちの事業所で半年間雇った後、再び利用者に戻すことを繰り返し、1人の利用者につき加算金を複数回受け取っていた。
厚生労働省は24年度、同一の利用者への加算が3年間は再申請できないよう制度を変更した。しかし、4事業所は「制度変更は過去の加算歴にさかのぼって適用されない」などと主張。障害者総合支援法に基づく市の監査で、その後も受給申請を続けていたことが判明したという。
加算金は利用者が居住する自治体を通じて事業所に支払われる仕組み。四つの事業所には大阪市以外に住む利用者もいるといい、市以外の自治体も返還請求するとみられる。
市は監査結果を27日にも公表する。横山英幸市長は26日、内容は発表まで差し控えるとし、「障害者の就労支援は重要な事業で、行政もサポートしている。その信頼関係が崩れるようなことはあってはならない」と述べた。
絆HDは26日にホームページで「今後、開示すべき事項を決定した場合は速やかに公表する」などとするコメントを掲載した。【鈴木拓也、面川美栄、高良駿輔】